【米ビルボード・ソング・チャート】リル・ナズ・Xが8週目の1位、ビリー・アイリッシュ初TOP3入り
【米ビルボード・ソング・チャート】リル・ナズ・Xが8週目の1位、ビリー・アイリッシュ初TOP3入り

 リル・ナズ・Xの「オールド・タウン・ロードfeat.ビリー・レイ・サイラス」が、8週目のNo.1獲得を果たした、今週の米ビルボード・ソング・チャート。

 ストリーミング・チャート、R&B/ヒップホップ・チャート、ラップ・チャートでも同8週連続の1位を維持し、ほぼ独走状態でトップに居座っている「オールド・タウン・ロード」。2019年度のチャートとしては、アリアナ・グランデの「7 rings」がマークした同8週と並ぶ最長記録で、早くも年間1位予想が浮上している。

 今週は、5月17日に公開された新バージョンのミュージック・ビデオ効果により、前週から27%増の週間1億3,070万試聴という凄まじい記録を打ち立て、ストリーミング・チャートを制した。歴代の週間ストリーミング記録としては、4月20日付チャートで同曲が記録した1億4,300万回に次ぐ2番目に高い数字で、TOP3はすべて「オールド・タウン・ロード」による記録となっている。

 週間76,000ダウンロードを記録し、 デジタル・ソング・セールス・チャートでも前週の2位から1位に浮上。<Sales Gainer>を獲得して、通算5週目のNo.1獲得を果たしている。エアプレイ・チャートでは、週間8,740万回を記録し、先週に引き続き3位をキープした。

 その 「オールド・タウン・ロード」には及ばず、先週2位に初登場した エド・シーラン&ジャスティン・ビーバーの 「アイ・ドント・ケア」は、今週も2位に留まった。同曲も、 5月17日にミュージック・ビデオが公開されたため、視聴回数の上昇により高ポイントを維持した。しかし、そのストリーミング・チャートでは、前週から10%減の3,550万試聴で3位から5位にダウンし、先週No.1デビューしたデジタル・セールス・チャートでは、週間29,000ダウンロードで3位まで落ち込んでいる。

 一方、エアプレイ・チャートでは、<Airplay Gainer>を獲得して(週間5,820万回)先週の13位から10位にランクアップした。 エアプレイ・チャートでのTOP10入りは、エド・シーランにとって8曲目、ジャスティンにとっては12曲目の快挙達成。エド・シーランは、2017年の年間チャートを制した「シェイプ・オブ・ユー」が登場4週で、ジャスティンは、ゲスト参加したDJキャレドの「アイム・ザ・ワン」(2017年)が登場3週目で、それぞれTOP10入りを果たすというスピード記録をもっている。

 先週4位に浮上したビリー・アイリッシュの「バッド・ガイ」は、今週3位に上昇し、自身初のTOP3入りを果たした。ストリーミング・チャートでは、週間3,850万回記録し2位に、デジタル・ソング・セールス・チャートでは、週間18,000ダウンロードを記録し9位に、エアプレイ・チャートでは、週間2,980万回を記録し、先週の43位から35位に大きく順位を上げている。ただ、ストリーミング・チャート首位の「オールド・タウン・ロード」と比較すると、そのポイント差は歴然で、1位と2位以下のポイント差がいかに開いているかが伺える。

 ビリー・アイリッシュと入れ替わり、先週3位のジョナス・ブラザーズの「サッカー」は4位にダウンしたが、エアプレイ・チャートでは、週間1億570万回を記録し、トップに再浮上。通算4週目のNo.1獲得を果たしている。

 そのエアプレイ・チャートで5位に浮上した カリードの「トーク」 は、Hot 100でも前週の9位から5位にランクアップし、最高位を更新した。 これまでの最高位は、ゲスト参加したロジックの「1-800-273-8255」(2017年)が記録した3位だが、リード・シングルとしては、前シングル「ベター」が獲得した8位を上回る、自己最高位となる。ストリーミング・チャートでは、週間2,400万視聴を記録し8位に上昇しているが、デジタル・ソング・セールス・チャートでは、 14位から17位に下降している。ただ、エアプレイとストリーミングが順当に伸びれば、最高位をさらに更新できる可能性は高い。R&Bチャートでは、5週連続のNo.1をキープした。

 今週TOP10入りしたのは、米ウィスコンシン州出身のエレクトロ・ポップ・シンガー、エイバ・マックスの「スウィート・バット・サイコ」。UKチャートはじめ、ヨーロッパの主要国では既に1位を記録しているが、全米チャートでのTOP10入りは自身初のランクイン。<アトランティック・レコード>からリリースされた女性アーティストの楽曲としては、カーディ・Bの「ボダック・イエロー」(2017年10月)以来、約1年半ぶりのTOP10入りで、「サイコ」がタイトルに含まれる曲としては、昨年No.1獲得を果たしたポスト・マローンの「サイコfeat.タイ・ダラー・サイン」以来1年ぶりの記録。他、1966年に最高5位をマークした、ガレージ・ロックバンド=カウント・ファイヴの「サイコティック・リアクション」がある。週間8,250万回を記録し、エアプレイ・チャートでは4位まで上昇中。

 TOP10以下では、今週のアルバム・チャートで1位に初登場した、タイラー・ザ・クリエイターの新作 『IGOR(イゴール)』 から、「Earfquake」が13位に初登場。本作からは、51位の「I Think」など計8曲が100位内にデビューしている。続いて、アルバム・チャート2位に初登場したDJキャレドの新作 『ファーザー・オブ・アサド』からは、カーディ・Bと21サヴェージをフィーチャーした「Wish Wish」が19位、故ニプシー・ハッスルの追悼曲とされる、ジョン・レジェンドとのコラボ曲「Higher」が21位にランクインするなど、計7曲が初登場した。

 15位には、5月17日にリリースされたホールジーの新曲「ナイトメア」が初登場。通算29週のTOP10滞在となった前曲「ウィズアウト・ミー」は、今週11位にランクダウンしてしまったが、この曲が入れ替わりでTOP10入りを果たす可能性が高い。

Text:本家一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは、5月31日以降掲載予定となります。

◎【Hot 100】トップ10
1位「オールド・タウン・ロードfeat.ビリー・レイ・サイラス」リル・ナズ・X
2位「アイ・ドント・ケア」エド・シーラン&ジャスティン・ビーバー
3位「バッド・ガイ」ビリー・アイリッシュ
4位「サッカー」ジョナス・ブラザーズ
5位「トーク」カリード
6位「Wow.」ポスト・マローン
7位「サンフラワー」ポスト・マローン&スウェイ・リー
8位「ダンシング・ウィズ・ア・ストレンジャー」サム・スミス&ノーマニ
9位「ME!」テイラー・スウィフトfeat.ブレンドン・ユーリー
10位「スウィート・バット・サイコ」エイバ・マックス