<ライブレポート>「佐藤竹善 presents Cross your fingers 21」が開催。藤井フミヤらゲスト全6組が豪華共演を果たす!
<ライブレポート>「佐藤竹善 presents Cross your fingers 21」が開催。藤井フミヤらゲスト全6組が豪華共演を果たす!

 SING LIKE TALKINGの佐藤竹善がオーガナイズするイベント「佐藤竹善 presents Cross your fingers 21」が佐藤の誕生日前日である5月4日、大阪・オリックス劇場にて開催された。当日は佐藤が敬愛するアーティスト全6組がゲストとして次々登場し、世代もジャンルも越えたスペシャルなライブを展開!ほかでは見られない数々のコラボレーションに満員の約2400人が沸いた夜を紹介しよう。
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 今回で21回目を迎える「Cross your fingers」は、ホストである佐藤竹善と塩谷哲のユニット・SALT & SUGARによるAverage White BandとQUEENの名曲カバーで幕開け。軽やかなピアノやスキャットチックなボーカルはスピード感を生み、観客は早々に手拍子。クラシカルで美しい旋律はハイトーンを連れて広がる。

 そんな温まった会場に呼び込まれるのは、シンガー・Sinon。Carpentersの「Yesterday Once More」で名曲カバーを引き継き、カレンの歌声を彷彿とさせるソフトな低音でセピア色の世界へと引き込む。そしてそこから早速お楽しみのコラボレーションへ。まずは佐藤とのデュエットナンバー「mystery」、さらに"ショッピングモールの歌姫"として知られるシンガーソングライター・半崎美子と人気ピアニスト・清塚信也と共にベッツィ&クリスの「白い色は恋人の色」。2ボーカルの厚みあるハーモニーに清塚のせせらぎのようなピアノが寄り沿う。また半崎はオリジナル2曲も披露。自身の経験を重ね合わせた「サクラ~卒業できなかった君へ~」を日本屈指のパーカッショニスト ・大儀見元と清塚と共に奏でれば、思わず感極まるひと幕も! その歌声は心の奥へと染み込む。

 そしてその後は再び半崎・大儀見・清塚・佐藤に、佐藤が大絶賛するクロマチックハーモニカの名手・南里沙が加わって5人での"コラボタイム"。カントリーテイストの「稲穂」は佐藤・半崎のアカペラも彩り、さらに南による讃美歌「Amazing Grace」がプラスアレンジされて深みあるハーモニカの音色でより一層に壮大な景色を作り出す。また南は清塚と2人で自身の曲「つばめ」もプレイし、まるで歌っているかのように表情豊かなハーモニカで魅了。観客に高揚感ももたらしてくれる。

 気づけばイベントは早くも折り返し地点。そこで佐藤が"今日はサプライズがありまして。来るなら歌えよ!と……(笑)"と言って舞台に呼んだのはKだ。佐藤の言葉を受け"(今日の飛び入り参加は佐藤の)パワハラみたいなもんですけどね(笑)"と切り返し、その仲のよさをうかがわせる。そして「残像」で佐藤の期待どおりにさわやかなボーカルや星のまたたきのようなピアノを響かせ、会場をどこかセンチメンタルかつロマンチックなムードに! 1曲のみではあるものの存在感を十分に焼きつけKが舞台を去ると、今度は"僕の古くからの仲間が……"(佐藤)と馬場俊英を迎えて後半戦に突入! 塩谷・大儀見との「ボーイズ・オン・ザ・ラン」では、畳み掛けるボーカルや軽快なピアノだけでなく観客のクラップも曲の一部にして楽しさを増幅させかと思えば、一人、ギターの弾き語りでは朴とつした歌声で曲の物語を聴く者の脳内に映してみせる。加えて佐藤とのトークも"絶品"で、佐藤がツッコミまくり笑いも量産。次の「スーパーオーディナリー」では、2人の関係性だからこそできる息ぴったりのハーモニーが耳になんとも心地いい。また塩谷・大儀見・南も参加してのSING LIKE TALKINGと馬場のナンバー「さよならシティライツ」では、SING LIKE TALKINGの本丸的なポップな感触にハーモニカが加勢して情熱的でドラマチックに! 圧倒的な一体感も創出する。

 そして改めて紹介されステージに登場した清塚のアクト。まずは映画「戦場のメリークリスマス」のテーマなどを組み込んだ「春夏秋冬メドレー」で日本の四季を言葉はなくとも雄弁にピアノで表現。誰をも"清塚ワールド"にどっぷりと浸らせる。さらに塩谷と2台のピアノで繰り広げる「ダニー・ボーイ」も秀逸で、2人のタッチの聴き比べもできるという贅沢な時間には得した気分に! じゃれ合うようにも、語り合うようにも鳴らされるピアノは自然と体を突き動かし、その圧巻のテクニックには曲後の拍手が鳴りやまない。また直後に佐藤も"いや、すごいね。あんなにピアノが弾けたら、俺歌ってないからね(笑)"と思わずこぼす。そして"出てほしくて仕方なかったんですよ。今日はうれしくて仕方ない!"(佐藤)とアーティストを招き、イベントもついにラストスパートへ!

 最後のゲストとして登場したのは、藤井フミヤ! "記念すべき令和第1曲目を……"と塩谷のピアノを背景に始まったのは「Another Orion」だ。エモーショナルなナンバーにのせるみずみずしい声は鳥肌もの。腕を広げて歌い上げる姿はオーラも半端ない。そして立ち上がらんばかりの塩谷の渾身のパフォーマンスもさらに曲のスケール感をアップさせる。だが、次も"平成の代表曲を……"(藤井)と、キラーチューン「TRUE LOVE」を大盤振る舞い! 色あせることのないグッドメロディと温もりあるボーカルは会場にいる人をいっきに"あの頃"へと引き戻したことだろう。しかも佐藤との1曲にもヒット曲「白い雲のように」をセレクト。伸びやかな2人の歌声には、長く音楽を愛し続ける彼らならではのゆとりのようなものも感じさせられる。無論、ベテランはMCも抜群。佐藤が飲み過ぎて藤井に叱られたというエピソードも明かし、2人ともビッグスマイルに!

 このグッドムードのままたどり着くエンディングは、もう一度SALT & SUGARのカバー。大儀見の揺さぶるグルーヴや佐藤のボイスパーカッションを交えてのBilly Joelの「Zanzibar」はトリッキーに進み、メロウな瞬間からのスパークという緩急には、ここにきてもさらにワクワクさせられる。そして締めくくりはSecret Gardenの「You Raise Me Up」。佐藤と塩谷はピンスポットを浴び荘厳な空気のなか、叫ぶようなピアノと熱を帯びるボーカルで、劇的なラストシーンを見せてくれた。

 もちろん沸騰した会場には拍手がやまずアンコールへ! 佐藤が一人ずつ呼び戻し、出演者全員がステージにラインナップすると、互いにユーモアたっぷりに言葉を交わしてオーラスは塩谷の曲「星の夜」。笑顔で視線を合わせながら順にボーカルを取るクリスマスソングは"超"が付く豪華さで、これぞ最高潮といったところ。曲後には藤井が佐藤に"誕生日おめでとう! 今夜はいっぱい飲んでいいよ(笑)"と声をかけ、華やかでありつつもアットホームな「Cross your fingers」らしいフィナーレとなった。

 なおこの日の模様の一部は「HIRO T'S AMUSIC MORNING」などFM COCOLOの計5番組で放送予定だ。

Photo by FM COCOLO
Text by 服田昌子

◎イベント情報
【佐藤竹善 presents Cross your fingers 21】
2019年5月4日(土・祝) 17:00開場/17:30開演<終了>
オリックス劇場
出演:佐藤竹善/塩谷 哲(Pf)/大儀見 元(Per)/清塚信也(Pf)/Sinon/馬場俊英/半崎美子/藤井フミヤ/南里沙/K(サプライズ出演)

◎オンエア情報
5/8 (木) 11:00-14:00 『PACIFIC OASIS』
5/9 (木) 6:00-11:00 『HIRO T’S AMUSIC MORNING』
5/10(金) 10:00-14:00 『PRIME STYLE FRIDAY』
5/11(土) 14:00-17:00 『SATURDAY MAGNIFICENT CAMP』
5/12(日) 18:00-21:00 『SUPER J-HITS RADIO 』

佐藤竹善がオーガナイズする世代もジャンルも超えたスペシャルライブ。
その貴重なライブ音源の一部をFM COCOLO の各番組でオンエア中。

https://radiko.jp/#CCL
※過去1週間の番組聴取可能