マドンナ、LGBTQへの支援に対し【GLAADメディア賞】で表彰「社会的に無視されたすべての人々のために戦うことは、自分が背を向けることができない責務」
マドンナ、LGBTQへの支援に対し【GLAADメディア賞】で表彰「社会的に無視されたすべての人々のために戦うことは、自分が背を向けることができない責務」

 LGBTQへの長年にわたる貢献に対し、マドンナが第30回【GLAADメディア賞 ニューヨーク】で<Advocate for Change賞>を授与された。2019年5月4日に米ニューヨークで開催された授賞式でのスピーチで彼女は、「社会的に無視されたすべての人々のために戦うことは、自分が背を向けることができない責務であり名誉だった。これからも決して背を向けることはない」と語った。

 さらに彼女は、初めてダンスを習った先生のクリストファー・フリンがゲイの男性だったことに触れ、彼を含め無数の友人たちの存在に刺激を受けながら現在のような表現者になることができたと感謝した。「自分は一人じゃない、ほかの人たちと同じじゃなくても、違っていてもいいんだという気持ちにようやくなれた。やはり自分は変人じゃなかったんだ、という気持ちに」と彼女は述べた。

 マドンナは、1980年代のエイズ危機の最中もひるむことなく支援を表明し、ゲイのファンたちへの愛にあふれたトリビュートとも言える「ヴォーグ」や「Forbidden Love」といった楽曲を発表するなど、一貫してLGBTQのファンを応援し続けてきた。

 授賞スピーチ後に米ビルボードのインタビューに応じたマドンナは、因習に反抗する女性としての経験のおかげでLGBTQのファンの立場に共感できてきたと語った。「私が大胆でいたずら好きでクリエイティブであり続けている事実を、多くの人は犯罪であるかのように見ている。”よくもそんなことを!どうしてそんなことをやり続けるんだ?”ってね。これは私が男性だったら絶対に言われないだろうって100%確信を持って言える」と彼女は話している。

 マドンナが受賞スピーチで登壇する前、CNNのアンダーソン・クーパー、コメディアンのロージー・オドネル、そしてラッパーのMykki Blanco(ミッキー・ブランコ)などが彼女を紹介した。ブランコは6月にリリースされるマドンナのニュー・アルバム『マダムX』でコラボしている。クイアである彼は、「僕はこの業界ではまだそこそこの新人だ。そんな僕をとても温かく迎えてくれてありがとうマドンナ、僕の友」とステージ上で語った。

 マドンナは今もブランコを含め多くのLGBTQアーティストたちから刺激を受けていると語っており、特に最近の音楽は南アフリカのパフォーマーNakhaneに多大な影響を受けたと明かしている。彼の映画『The Wound』を観たことから存在を知ったという彼女は、「彼は素晴らしい」と絶賛し、「それから彼がシンガーだってことも聞いて、友達になって、今では彼のことを愛している。彼は最高」と語っている。

 受賞スピーチで、エイズの蔓延が社会問題化していたころの支援活動について語ったマドンナは、米ニューヨーク・マンハッタンの旧セント・ヴィンセント病院のエイズ病棟を見舞った際に、自身もHIV陽性なのかとメディアに質問されたことを振り返った。「突然すべてにピンときた。恐れられていたり、誤解されていたり、周りと違っていたりする人たちの権利のために首を突っ込んで戦うつもりなら、周囲からの嘘、いじめ、たわごと、噂、憎悪、虐待に備えなければならないことにその瞬間に気づかされた」と彼女は明かしている。

 米ビルボードのインタビューで彼女は、LGBTQのファンとの関係は相互に作用していたと述べ、感謝しかないことを強調した。彼女は、「彼らのおかげで(他人と)違うことを恐れずにいられたし、彼らも私のおかげで違うことを恐れずにいられた。人々の勇敢さ、勇気、はっきりものを言う姿勢、そして恐れにひれ伏さない態度に私はひどく驚かされた。そしてそれが刺激になった」と語っている。