【米ビルボード・ソング・チャート】リル・ナズ・Xの「オールド・タウン・ロード feat. ビリー・レイ・サイラス」が5週目のNo,1獲得
【米ビルボード・ソング・チャート】リル・ナズ・Xの「オールド・タウン・ロード feat. ビリー・レイ・サイラス」が5週目のNo,1獲得

 ストリーミング・チャートでも同5週目の1位獲得となった、「オールド・タウン・ロード」。週間視聴回数は1億400万回で、歴代6番目に高い週間ストリーミング記録を更新した。なお、トップは同曲が3週前に記録した1億4,300万回、2位が2週前に記録した1億2,520万回、4位が先週記録した1億1,440万回で、TOP10中4週分が「オールド・タウン・ロード」の快挙となった。

 先週のエアプレイ・チャートで< Airplay Gainer>を獲得し、12位に浮上した同曲は、今週6,770万回を記録して6位にランクアップしている。登場わずか4週目でのTOP10入りは、2014年にメーガン・トレイナーが「オール・アバウト・ザット・ベース」で達成した同4週以来、約5年ぶりの快挙。エアプレイ・チャートでのTOP10入りは、リル・ナズ・X、ビリー・レイ・サイラスいずれにとっても初の快挙で、ビリー・レイ・サイラスは、娘のマイリー・サイラスとデュエットした「Ready, Set, Don't Go」(2008年37位)以来、11年ぶりのランクインとなる。

 なお、ビリー・レイ・サイラスが初めてエアプレイ・チャートにランクインしたのは、最高38位をマークした1992年リリースの「Achy Breaky Heart」で、約27年を経てようやくTOP10入りしたことになる。これまでの最高位は、1999年にリリースした「Busy Man」の31位だった。

 4月28日に開催された【Stagecoach Festival 2019】で、同曲をパフォーマンスしたリル・ナズ・Xとビリー・レイ・サイラス。この曲がここまで支持されているのは、若層のみならず、ビリー・レイ・サイラス世代のカントリー・ファンを巻き込んだことが、大きな要因といえる。

 その「オールド・タウン・ロード」を打ち破り、今週1位に浮上すると予想されていたテイラー・スウィフトの「ME! feat. ブレンドン・ユーリー」は、惜しくも2位に留まったが、様々な記録を打ち立てている。

 4月26日にサプライズ・リリースされ、集計3日間のエアプレイのみで前週100位にエントリーした「ME! 」。集計3日間というのは、ラジオ・エアプレイの集計期間が月曜日から日曜日であり、4月26~28日の3日のみのポイントでランクインした、ということ。一方、ストリーミングとデジタル・セールスの集計期間は金曜日から木曜日で、今週はそのポイントが追加され、一気に2位までジャンプアップした。

 97ランクアップ(100位から2位)は歴代最大の上昇率で、これまでの最高記録は、2009年にケリー・クラークソンが「マイ・ライフ・ウッド・サック・ウィズアウト・ユー」で打ち立てた95ランクアップ(96位から1位)だった。 歴代記録をみてみると、いずれも2005年以降にリリースされたタイトルで、ダウンロードやストリーミングがポイント化されてから、こういった現象が起こりやすくなっていることが分かる。

 テイラーにとっては、通算23曲目のTOP10入りで、歴代12位タイとなる。その他には、故ホイットニー・ヒューストンとポール・マッカートニー(ウィングス含む)が同23曲でランクインしている。歴代トップはマドンナの38曲で、続いてビートルズの34曲、ドレイクの33曲が続いている。「ヒット曲」のラインとされているTOP40入りは57曲目の快挙。フューチャリング・ゲストの ブレンドン・ユーリーにとっては、今年パニック・アット・ザ・ディスコとして最高4位を記録した、「ハイ・ホープス」(今週18位)に続く、2曲目のTOP10入り。

 週間 193,000ダウンロードを記録し、デジタル・セールス・チャートでNo,1デビューを果たした「ME! 」。デジタル・セールス・チャートでの1位獲得は、テイラーにとって16曲目の快挙で、歴代トップ。2位には14曲でリアーナがランクインしている。2019年の週間セールスとしては最高売上で、テイラーにとっては、2017年9月16日付チャートで「ルック・ホワット・ユー・メイド・ミー・ドゥ」が記録した353,000ダウンロードに続く好記録。ストリーミング・チャートでは、週間5,070万試聴を記録し2位に、エアプレイ・チャートでは、週間5,410万回を記録し、前週の27位から13位に浮上した。

 TOP10以下では、ノースカロライナ州は出身のラッパー、ダ・ベイビーのデビュー曲「Suge」が、前週の46位から27位にランクアップしている。今年3月にリリースされた、同曲が収録されたメジャー・デビュー・アルバム『Baby on Baby』は、アルバム・チャート“Billboard200”で14位まで上昇、R&B/ヒップホップ・チャートでは8位にランクインするスマッシュヒットを記録している。

 今週のアルバム・チャートでNo,1デビューを果たした、ピンクの新作『ハーツ・トゥ・ビー・ヒューマン』からは、先行シングルの「ウォーク・ミー・ホーム」が62位から49位に浮上。カントリー・シンガーのクリス・ステープルトンとデュエットした「ラヴ・ミー・エニウェイ」は、96位にデビューした。同チャート3位に初登場した、スクールボーイ・Qの『CrasH Talk』からは、67位の「Floating」他、計3曲がランクインしている。Text:本家一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは、5月10日以降掲載予定となります。

◎【Hot 100】トップ10
1位「オールド・タウン・ロードfeat.ビリー・レイ・サイラス」リル・ナズ・X
2位「ME!」テイラー・スウィフトfeat. ブレンドン・ユーリー
3位「Wow.」ポスト・マローン
4位「サッカー」ジョナス・ブラザーズ
5位「サンフラワー」ポスト・マローン&スウェイ・リー
6位「7 rings」アリアナ・グランデ
7位「ウィズアウト・ミー」ホールジー
8位「ダンシング・ウィズ・ア・ストレンジャー」サム・スミス&ノーマニ
9位「バッド・ガイ」ビリー・アイリッシュ
10位「トーク」カリード