<イベントレポート>FIVE NEW OLD/Anly/井上苑子ら出演、神戸開催イベント【トアロード・アコースティック・フェスティバル 2019】 〈Billboard JAPAN〉|AERA dot. (アエラドット)

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<イベントレポート>FIVE NEW OLD/Anly/井上苑子ら出演、神戸開催イベント【トアロード・アコースティック・フェスティバル 2019】

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<イベントレポート>FIVE NEW OLD/Anly/井上苑子ら出演、神戸開催イベント【トアロード・アコースティック・フェスティバル 2019】

<イベントレポート>FIVE NEW OLD/Anly/井上苑子ら出演、神戸開催イベント【トアロード・アコースティック・フェスティバル 2019】


 毎年春に開催されているKiss FM KOBE主催のライブサーキットイベント「トアロード・アコースティック・フェスティバル2019」が4月14日神戸・三宮~元町にある10会場で行われた。
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 「トアロード」は、神戸港が開港した1868(明治元)年頃、神戸外国人居留地との居留外国人の住宅地(雑居地)とを結ぶ目的で開通・発展した道で、古きよき時代の雰囲気が感じられる老舗と、あたらしい風を呼ぶ新店と、新旧様々な光景が違和感なく共存しているのが特徴。トアロードを挟んで西側はセレクトショップなどが集まる「トアウエスト」、東側は飲食店が軒を連ねる「トアイースト」として地域に親しまれている。そんな「トアロード」周辺のカフェ、旧小学校、元キャバレー、ライブハウスを会場に、今年もベテランから新人までメジャー・インディーズ問わず多くのアーティストが出演し、弾き語りからバンドまで、幅広いジャンル、様々な形態で演奏が行われた。

 開場時間である正午前から、「トアロード」界隈は、アコフェスのパスを首から下げた人々が行き交っており、会場となっているライブハウスVARIT.前も既に長蛇の列。この会場のトップバッターはD.W.ニコルズ。今回は鈴木健太(Gt)が不在ということで3人編成のライブのはずが、ステージには何故か4人の姿が…。彼らの次の出番で待機していた今村モータースを「登場の時だけでも4人で出ようかなーと思って」と、ステージに引っ張り出し、悪戯っぽい笑みを浮かべるわたなべ(Vo)。「子どもたちが笑顔で過ごせる時代が来ますように」と、新元号の名前が入った「Haleiwa」からライブがスタート。

 同時刻、トアロードを登って、東に入ったところにあるFLAT FIVEでは大比良瑞希のライブがスタート。「初めて神戸に来たけど、引っ越したくなった!」と目を輝かせ話しながら、今月配信されたばかりの「SAIHATE」をはじめ、ソウルフルでありながらクール、オルタナティブな楽曲が次々と演奏された。昔のクラブの空気、雰囲気が漂うこのFLAT FIVEには他にも京都のインストバンドcolspan、東京の3ピースバンド 夜ハ短シといったロックバンドも登場。薄暗いパブでソファに身を沈めながら、或いはハイチェアに腰かけカウンターにもたれながら、アルコールを楽しむ観客の姿も見られた。

 トアウエストにあるカフェnomadikaのトップバッターは大阪のバンド ドラマストア。今回は長谷川(Vo&Gt)と鳥山(Key&Gt)の二人編成でのライブ。長谷川がかつて神戸で暮らしていたこと、アコフェス前日からKiss FM KOBE「Interviews On!」にてレギュラーコーナーがスタートしたということもあり、神戸への想いを語りつつ、1stフルアルバム『DRAMA STORE』の曲を中心にライブが繰り広げられた。続いて登場した有華はアコフェス初登場。ピアノ弾き語りで奏でられる朗らかな歌声、ポップなメロディは、まるで大輪の花が咲いたように華やか。「ずっと出たかったアコフェスに出演出来て嬉しい!」という言葉に会場から温かい拍手が沸き起こった。

トアロードを登った先、旧北野小学校の校舎を活用したレトロモダンな北野工房のまち。こちらのトップバッターはアコフェス初登場、鹿児島県奄美大島出身のデュオ、カサリンチュ。ステージとなっている3階の講堂のステージに立ち、「ここで昔は卒業式とか行事行われていたんだよね~」と見渡す二人。コウスケのヒューマンビートボックスに、タツヒロがアコギをかき鳴らし、メロディアスなボーカルラインをのせていく。中学校からの同級生という彼らの息の合った演奏、トークの掛け合いに会場が大きく沸いた。

 トアイーストにあるスポルテリアでは、二番手にISEKIが登場。真っ直ぐ胸に刺さる力強い歌声が、神戸の街角に響き渡る。この日は生憎の雨模様であったが、店内に入り切らない人々がスポルテリアの前に集まり、彼の歌声に耳を傾けていた。北海道・札幌からやってきた成山剛(sleepy.ab)はARTRIUMに登場。彼がボーカルを務めるsleepy.abは昨年20周年を迎えたが、そのキャリアに捉われず、ギター1本で織り成される癒しとまどろみの時間は、観客を魅了した。

 トアロード沿いにあるカフェTHE PLACE KOBEは今年からアコフェス参加。瑞々しい歌声の杏沙子、繊細な世界観を描く存在感のある歌声が特徴の大橋ちっぽけ、今やアーティストとして不動の人気を確立しつつある関西出身の竹内アンナ、番匠谷紗衣も登場した。そして『ムジカ・ピッコリーノ』(NHK Eテレ)などでもおなじみ、"ナニワの光速ウクレレ少年"近藤利樹もこの会場に出演。息もつかせぬ超絶テクニックとは裏腹の、無邪気な笑顔に会場から拍手喝采が沸き起こる。そんな近藤利樹は、北野工房のまちで行われたMaynard&Blaise(MONKEY MAJIK)のステージにも飛び入り参加。MONKEY MAJIKのNEW ALBUM『COLLABORATED』にも参加した「A. I. am Human」などを披露し、会場を沸かせた。間奏中、メイナードとブレイズの二人も「すげーっ」「ヤバイっ!!」と近藤の演奏に見入る瞬間も。演奏を終え「緊張した~っ」と幼い表情を見せる横顔はまだ12歳の少年そのものだった。ちなみにMONKEY MAJIKは来年で活動20年。仙台を拠点に活動を続ける彼らだが、「19年やってきたけど、やっぱりルーツに戻るのはアコースティックだね」と、代表曲「空はまるで」を観客と共に高らかに歌い上げた。

 クラブ月世界では、昭和のキャバレーの雰囲気漂うクラシックな空気の中、トップバッターのアカシアオルケスタが登場。Kiss FM KOBEのサウンドクルー藤原岬を中心に妖艶かつダイナミックに展開されるステージが会場を魅了した。三番手のmoumoonは、MASAKI(Composer)が療養中ということで、YUKA(Vo)とサポートピアニストのejiの二人編成。グランドピアノのたゆたう音色にのせたYUKAの伸びやかな歌声が心地よく、うっとり聴き入る人の姿も。これまでのmoumoonとはまた違う新たな一面を見た。続くKはアコフェス初登場。「僕の歌を聴くのが初めての方もいらっしゃると思うので…」と「Only Human」からスタート。切なさと愁いを帯びた歌声が月世界を優しく包み込む。神戸に合うイメージと披露されたのは空港を舞台にした「GATE11」。さらに同会場に出演していたmoumoonのYUKAもサプライズ出演し、特別なコラボ演奏も披露された。トリに登場したReiは昨年も出演。圧巻のギターパフォーマンスに感嘆の声を上げつつ、キュートな歌声、メロディにハンドクラップで応えるオーディエンス。昨年は北野工房のまちに出演した彼女だが、今年はムーディな雰囲気漂う月世界に登場。だがその雰囲気も呑み込み、パフォーマンスへと昇華する姿に、アーティストReiの成長の片鱗を見た。

 神戸を始めとする関西出身のアーティストもこのイベントに数多く出演しており、VARIT.二番手には神戸在住の今村モータースが登場。弾き語りでも活動している彼だが、今回はバンドセットで登場。等身大の言葉を、春風のように軽やかなメロディにのせて、爽やかに歌い上げた。北野工房のまちに登場したFIVE NEW OLDも神戸出身。ポピュラーなメロディにのせられた英語詞、R&B、ブラックミュージック、80'sなどを軸にしたスタイリッシュなサウンドに、演奏が始まるやいなや一気に会場の温度が上がっていく。まさにこの日からKiss FM KOBEにて初のレギュラープログラムがスタートということで、勢いにのった彼らのパフォーマンスは圧巻だった。ライブスタート前から大勢の人がVARIT.詰めかけた井上苑子は、「ふたり」の曲中に「上着着てる人―!」「ヒートテック着てる人―!」「メガネかけてる人―!」と様々な状況の人に呼びかけるコール&レスポンスを行っていた。5月29日に発売となるアルバム『白と色イロ』から「ファンタジック」など、踏み出す勇気をくれるようなポジティブナンバーを演奏していた。日も傾き始めた頃、nomadikaに登場したのはオカダユータ。瑞々しいメロディセンスとストリートライブで磨かれた力強い歌声が話題の、神戸在住のシンガーソングライターだ。雨模様の窓の外を眺めながら「雨だから、折角ならその景色に似合う曲を」と「雨音」を披露。観客一人一人に語り掛けるように優しく歌う姿が印象的だった。

 日もすっかり落ち、イベントも終盤に向かい始めた夜7時過ぎ。THE PLACE KOBEのトリに登場したのはAnly。ルーツであるブルースやロックの影響が感じられるストレートな楽曲と歌唱力に、EDMやオルタナティブのテイスト、更にはラップを取り入れたクロスオーヴァーなサウンド。良い意味で肩の力の抜けた自然体の歌声と、リズミカルなギターのカッティング、ルーパーを取り入れた斬新な音世界が、プリズムのように彼女の魅力を反射していくよう。アンコールではKが登場し、ピアノとボーカルで参加。彼の「遠雷」を演奏した。Kの奏でるピアノにのせて、二人の声が重なり生まれるハーモニーの美しさに、水を打ったかのように静まり返る会場。演奏が終わると、割れんばかりの拍手喝采が沸き起こった。

 大トリはVARIT.のwacci。ツアーを終えたばかりということもあり、ライブのテンションも序盤から勢いはハイテンション。背中を押しつつ、泣くときは一緒に泣いてくれる、笑うときは一緒に笑ってくれるような身近さ、懐の深さを感じさせるパフォーマンスに会場中からコール&レスポンスが沸き起こる。このイベント、そして神戸の街への想いを語りつつ、再び神戸にやって来ることを誓いながら、彼らがずっと歌い続けている「結」を力強く奏で、「トアロードアコースティックフェスティバル2019」は幕を閉じた。

撮影 オイケカオリ
テキスト 杉本ゆかり

◎イベント情報
【トアロード・アコースティック・フェスティバル 2019】
日程:2019年4月14日(日)※終了
会場:神戸 VARIT. / 北野工房のまち(旧北野小学校3階講堂)
nomadika / ARTRIUM / スポルテリア / STUDIO KIKI / FLAT FIVE
クラブ月世界 / Ageha Base / THE PLACE KOBE

出演者:Maynard & Blaise (MONKEY MAJIK) / K / moumoon
DEPAPEPE / D.W.ニコルズ / カサリンチュ / wacci /井上苑子
Rei / Anly / FIVE NEW OLD / アカシアオルケスタ / ISEKI
Chicago Poodle / 植田真梨恵 / 近藤利樹 / 大比良瑞希
ワタナベフラワー / にこいち / 今村モータース /オカダユータ
成山剛(sleepy.ab) / 新津由衣 / 宇宙まお / ドラマストア
上野優華 / The Super Ball / 杏沙子 / 竹内アンナ / 番匠谷紗衣
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