<ライブレポート>エド・シーラン、ついに東京ドームの舞台に立つ 〈Billboard JAPAN〉|AERA dot. (アエラドット)

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<ライブレポート>エド・シーラン、ついに東京ドームの舞台に立つ

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<ライブレポート>エド・シーラン、ついに東京ドームの舞台に立つ

<ライブレポート>エド・シーラン、ついに東京ドームの舞台に立つ


 2019年4月9日、エド・シーランが約1年ぶりとなる来日公演を東京ドームにて開催した。

 2018年4月に日本武道館と大阪城ホールで行われたジャパン・ツアー以来となる今回の来日公演は、エドにとって初となる日本国内ドーム・ツアー。彼が約8万人を収容する世界最大級キャパシティの会場、ウェンブリー・スタジアムのステージに初めて立ったのは2015年のこと。それを踏まえるとだいぶ周回遅れした感も否めないのだが、ようやく日本でも彼に相応しいステージを用意することができた今回のジャパン・ツアー初日は、ある種の達成感のような感慨もあって、開演前から大入りの会場にどこか浮足立った興奮が充満していた。なにしろエドのライブはご存知の通り、ギターとループ・ペダルを駆使した彼の独り舞台だ。シンガー・ソングライターがたった一人で数万人のオーディエンスを相手取る、世界中の人々を圧倒してきたその痛快極まりない景色をようやく日本でも作り出すことができたという点で、とても意義深い一夜だった。

 加えて、ONE OK ROCKによるオープニング・アクトも素晴らしかった。言うまでもなくエドは世界を代表するポップ・スターであり、自由奔放な音楽探求の旅を続けながらヒット・チャートを制するその在り方は、このほどリリースした最新アルバム『Eye of the Storm』で本格的に欧米ポップ・シーンと真正面から向き合い始めたONE OK ROCKの理想的な将来像なのかもしれないからだ。彼らは2018年に東京ドームで初ワンマンを行い、今年2月にリリースした9thアルバム『Eye of the Storm』では、曲によってはヒップホップ系のプロデューサーともタッグを組むなどして、大胆な音楽性のメタモルフォーゼを図っている。この日は新作収録曲が半分、既存の代表曲が半分といったセットリストだったのだが、初見のオーディエンスも楽しませつつ、最新モードもしっかりと提示するショー構成には、単なる前座に留まらない野心が見え隠れしていた。

 4人組のONE OK ROCKがやや窮屈そうにしていたステージにニコニコ笑顔のリラックスした面持ちで登壇したエドは、「Castle On The Hill」でライブをスタート。昨年のジャパン・ツアーと同じく、2017年にリリースされた最新アルバム『÷』のワールド・ツアーの一環として行われた本公演、基本的なセットは前回と大きな差はなく、だからこそどこまでもラフな佇まいでドームやスタジアムを一体にする、彼の特異性がより際立った。改めて自身のパフォーマンスがループ・ペダルによってリアルタイム構築していくものであることを説明し、音源よりBPM速めの「Eraser」で性急なラップを畳みかけると、「The A Team」ではオーディエンスがスマホのライトを掲げ、東京ドームに満点の星空を描き出す。

 客席が左右に分けられ、数万人対数万人の二色ハーモニーが感動的だった「Give Me Love」、さらにそれを上回る大合唱となった「Thinking Out Loud」と、オーディエンスから放たれた色彩豊かな歌声は、ライブの一体感を成すうえで欠かせない要素だった。一方で、ひたすらオーセンティックなエドの歌声とギターの音色も、ループ・ペダルによるパフォーマンスのスリルや緻密さ以上に、彼自身のステージを定義づけるもの。それを特に強く実感したのがライブ後半、「Thinking Out Loud」や「Perfect」といった、トラックをループして重ねるのではなく、ポロポロとミニマルにギターをつま弾きながら披露された楽曲のパフォーマンスだ。そして最大合唱を巻き起こした本編ラストの「Sing」は、客席からステージへ、ステージから客席へ、根源的な音楽の力が最大風力で応酬される、この日のライブを象徴する瞬間の一つだった。

 エド・シーランによるドーム公演はこのあとアジア諸国を巡ったのち、4月23日に京セラドーム大阪で再び日本で開催される。衝撃的な体験となることは間違いないので、楽しみにしてお待ちいただきたい。


Text by Takuto Ueda
Photo by 岸田哲平

◎公演情報
【Ed Sheeran DIVIDE WORLD TOUR 2019】
2019年4月09日(火)東京ドーム
2019年4月23日(火)京セラドーム大阪
<セットリスト(東京)>
01. Castle On The Hill
02. Eraser
03. The A Team
04. Don’t / New Man
05. Dive
06. Bloodstream
07. Love Yourself
08. Tenerife Sea
09. Lego House / Kiss Me / Give Me Love (Medley)
10. Galway Girl
11. Feeling Good / I See Fire
12. Thinking Out Loud
13. One / Photograph
14. Perfect
15. Nancy Mulligan
16. Sing
17. Shape Of You
18. You Need Me, I Don’t Need You


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