須田景凪、ツアー東京公演が終了「たくさんの人たちの共通言語になれるように」 〈Billboard JAPAN〉|AERA dot. (アエラドット)

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須田景凪、ツアー東京公演が終了「たくさんの人たちの共通言語になれるように」

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須田景凪、ツアー東京公演が終了「たくさんの人たちの共通言語になれるように」

須田景凪、ツアー東京公演が終了「たくさんの人たちの共通言語になれるように」


 須田景凪が2019年4月7日に恵比寿LIQUIDROOMで開催した東名阪ツアー【須田景凪 TOUR 2019 "teeter"】東京公演のオフィシャル・ライブレポートが到着した。
【須田景凪 TOUR 2019 "teeter"】東京公演のライブショット

 2013年からボカロP“バルーン”として活動し、2017年からシンガーソングライターとしてのキャリアをスタートさせた須田景凪。今年1月にリリースされた1st EP『teeter』のレコ発ツアーとして行われた同ツアーは、全公演のチケットがソールドアウト。超満員のオーディエンスの前で須田は、アーティストとしての大きな可能性を改めて証明する圧巻のステージを繰り広げた。

 「teeter」の文字がスクリーンに映され、まずはバンドメンバーのモリシー(g/Awesome City Club)、雲丹亀卓人(b/Sawagi)、矢尾拓也(dr/ex.パスピエ)がステージに登場し、心地よいグルーヴを感じさせるイントロを演奏。そして須田景凪が姿を見せると、大きな歓声が巻き起こった。オープニングナンバーは、1st EP『teeter』の収録曲「farce」。シャープなギターサウンドと軽快なリズム、切なさと鋭さが共存するメロディが響き、フロアの空気が一変する。続いて「街灯劇」「idid」「鳥曇り」など、1stアルバム『Quote』の楽曲を次々と披露。高度な音楽性と切実なメッセージ性が共存する独自の世界観で会場全体を染め上げた。優れた演奏センスと強烈なダイナミズムによって、楽曲の魅力を引き出すバンドサウンドも素晴らしい。

 「(会場を見まわし)すごい人ですね。ありがとうございます。今日は楽しみにしていました。いい夜にしましょう、一緒に。よろしくおねがいします」という挨拶の後も、奥深い音楽世界を実感できるシーンが続く。映像と音楽を融合させた演出も須田景凪のライブの魅力。「Cambell」では“雨”、「シックハウス」では“額縁の中で揺れる花束”、そして「レソロジカ」では“額縁の中で花束を持って歩く人”の映像を映し出し、楽曲の世界観を増幅させていた。

 「2年くらい前、LIQUIDROOMに好きなアーティストのライブを観に来て、“とんでもないものを観た”という衝撃を受けて。それ以来、この場所が怖かったんですけど、今日はすごく楽しいです」「ここから激しい曲が続くので、テンション上げていきましょう」というMCから、ライブは後半へ。軸になっていたのは、やはり「teeter」の楽曲だ。繊細なピアノから始まるスリリングなアッパーチューン「Dolly」、疾走感のあるサウンド、起伏に富んだ旋律、“君を連れ去ってしまいたいと思ったんだ”という衝動的なリリックがぶつかり合う「mock」では映像作家アボガド6が制作したミュージックビデオを使用。ここでも映像と楽曲が絡み合い、観客の興奮を引き出していた。須田が観客に手拍子を求め、一体感が増していくステージングも印象的。そして特筆すべきは、須田のボーカルだ。日本語の響きを活かし、緻密に構築されたメロディを生々しく描き出す歌からは、シンガーとしての高いポテンシャルがはっきりと伝わってきた。

 「知ってる人は一緒に歌ってください」という言葉に導かれたバルーン名義の代表曲「シャルル」のセルフカバー、鋭利にしてキャッチーなギターリフ、ドラマティックなメロディが響き渡り、イントロで大きな歓声が沸いた「パレイドリア」と高揚感溢れるナンバーを次々と披露し、フロアの熱気は頂点へ達した。

 ここで須田はオーディエンスに向かってゆっくりと語りかけた。「ここにいるみなさんが“今日、須田というヤツのライブに行ってきたんだが”と誰かに話したときに、ピンと来ない人がいるというのが申し訳なくて。たくさんの人たちの共通言語になれるように、良い曲を書いて、良いライブをして。あとは……徳を積みたいと思います。これからもよろしくお願いします」と話すと、会場から大きな拍手と歓声が送られた。本編ラストは「浮花」。叙情的なメロディがゆったりと広がり、大きな感動へと結びついた。

 強烈なアンコールの声に導かれ、須田とメンバーが再びステージに登場、まずはバルーン名義の人気曲「メーベル」を演奏。しなやかなファンクネスと10年代以降のギターロックがひとつになったサウンド、どこか挑発的なボーカルに誘われるようにオーディエンスが熱狂の度合いを高めていく。

 「もう終わっちゃいますね……。本当にありがとうございました」という感謝の言葉に導かれたのは、須田のアルぺジオから始まった「密」。エモーショナルなボーカルが会場を包み込み、ライブはエンディングを迎えた。

 アーティストとしての圧倒的な才能を改めて見せつけ、観客の期待にしっかりと応えてみせた須田景凪。【須田景凪 TOUR 2019 "teeter"】の追加公演として7月14日に東京・中野サンプラザホール公演が決定するなど、活動の規模も確実に拡大している。2019年の春以降、その存在にさらに多くの注目が集まることになりそうだ。

TEXT:森朋之
PHOTO:藤井拓

◎セットリスト
【須田景凪 TOUR 2019 "teeter"】
2019年4月7日(日)恵比寿LIQUIDROOM
01.farce
02.街灯劇
03.idid
04.鳥曇り
05.Cambell
06.シックハウス
07.レソロジカ
08.morph
09.Dolly
10.mock
11.レド
12.シャルル
13.ポリアンナ
14.パレイドリア
15.浮花
en.1 メーベル
en.2 密

◎ツアー情報
【須田景凪 TOUR 2019 追加公演 "teeter"】
2019年7月14日(日)東京・中野サンプラザホール


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