<ライヴレポート>WEAVER 満天の星が輝く最新ツアーファイナルで見せた新たなバンド像と3人の強み 〈Billboard JAPAN〉|AERA dot. (アエラドット)

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<ライヴレポート>WEAVER 満天の星が輝く最新ツアーファイナルで見せた新たなバンド像と3人の強み

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<ライヴレポート>WEAVER 満天の星が輝く最新ツアーファイナルで見せた新たなバンド像と3人の強み

<ライヴレポート>WEAVER 満天の星が輝く最新ツアーファイナルで見せた新たなバンド像と3人の強み


 神戸出身の3ピースバンドWEAVERが、2019年3月6日に発売したニュー・アルバム『流星コーリング』の世界観を、音楽と映像で表現した東名阪ツアー【WEAVER 14th TOUR 2019『I’m Calling You~流星前夜~』】のファイナル公演を2019年3月31日に東京・マイナビBLITZ赤坂で行った。
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 個々の活動に集中するため、1年以上ツアーから離れていた3人は、今年、河邉徹(Dr.)が書き下ろした小説『流星コーリング』をもとに制作した同名アルバムとともに再始動。人工流星の日を境に、<明日のない世界>をループする主人公りょうと、りょうと一緒に人工流星を見るという約束を果たすことが出来なかった詩織の切ないラブストーリーを、このアルバムがサウンドトラックのような役割で肉付けしている。

 ライブ前、虫の鳴き声が会場を満たし、そのタイトル通り、星空の下、流星を待っているかのような演出が相まって、2階席までいっぱいのオーディエンスの高揚感が、開演が近づくにつれて高まっていく。今回のライブは、最新アルバムの世界観を表現した前編と、これまでのWEAVERをめいっぱい表現した後編の2部構成。前編がライブの8割を占めるような展開だ。流れ星や星座、時計の針といった、小説や歌詞から連想するオブジェクトがスクリーンに映し出され、それが本公演の重要な部分を担ってもいた。映像と演奏がシンクロし、さらに曲間に挟み込まれる花澤香菜と角田雄二郎による朗読が、オーディエンスをストーリーの世界観に引き込ませるのを助長させ、朗読とサウンド、そして映像の3つの角度から楽しめた。

 スーツに身を包んで登場したメンバー達は、最新アルバムのオープニング「Overture~I’m Calling You~」から「流れ星の声」でライブをスタート。「Interlude I」では、りょうに本当のことが言えなかった詩織の“今日という日をいつまでも失くさないように、私は君の姿を目に焼き付けた”という台詞とともに、「栞」が始まり、杉本雄治(P, Vo.)のピアノ伴奏が胸をきゅっと締め付ける。<瞳から伝わる声>というフレーズが、“どんなにたくさん話しても、ただひとつ、私には言えないことがあった。それなのに、どうしてかな。君と目が合うと、まるで言えなかった思いまで伝わっている気がする。言葉にできなかった思いまで届いているような”という詩織を代弁し、そのワンフレーズに隠された意味を改めて感じた。

 同じ日を“繰り返す”りょうが、出口のないトンネルから抜け出せないことから不安を募らせる「Interlude II」では、どこか詩織という希望の光がちらつく。そして、この前編のハイライトと呼べる「Loop the night」に突入。スクリーンに映し出される歌詞に意識を集中させていると、この曲を、イヤホンを伝って聞いていたよりも何倍も深く理解できたように感じた。五感の中で最も多くの情報量を得るとされる視覚に意識を置くことで、ここまで曲の理解度が変わるのか――それを痛感した瞬間であった。そして喜びと悲しみ、詩織に出会えた幸せとともに生きていくりょうの目の前に広がる景色が自然とこちらにも伝わる「透明少女」で前編が終了。映像と朗読、そして演奏の3拍子で、2倍も3倍も感動が膨れ上がる、そんな美しいライブを見せてくれた。

 しかし、その切なさや美しさを前面に出した演奏もここまで。世界観を崩さないよう、1時間以上ノートークを貫いていた3名は、「今日はこんなにもたくさんの人が集まってくれて嬉しいです。今日は本当に来てくれてありがとう!」とファンに感謝。「『流星コーリング』は自分たちにとって新しいチャレンジになった作品だと思います。この作品のおかげで、今までと違う空気感を届けられたと思いますが、皆さん、どうですか?」という杉本の呼びかけに、客席も大きな拍手で答える。小説『流星コーリング』の作者であり、杉本から「先生」と呼ばれる河邉は「僕たち3人の力を集めたのが(アルバムの)『流星コーリング』ですし、今日のライブでもあるので、皆さんに楽しんでもらえていたら嬉しいです」と、今回のライブに対する想いを語った。

 小説とアルバムのコンセプトを最大限に表現するため、これまでのWEAVERから考えられない演出でファンを驚かせた彼らだが、「ここから後半戦はライブハウスならではの楽しい空間にしていきます! 東京、最後までよろしく!」という奥野翔太(Ba.)の言葉通り、会場を揺らすパフォーマンスで後編をスタート。その1曲目に選んだのは、2017年に発表された「だから僕は僕を手放す」だ。バンドロゴに新しく加わった青・赤・緑の照明がメンバーを照らしていく演出と、<自分が信じた道なら迷わずに行けるよな? 大丈夫>という歌詞から、新境地への彼らの決意が窺える。それは10月21日に迎えるデビュー10周年への決意が含まれているのかもしれない。杉本が「もっと!」と高らかに煽る「Free will」からの「まだまだ踊り足りないんじゃない?」と「Shall we dance」、そして「くちづけDiamond」という流れで会場は完全にヒートアップ。曲の雰囲気に合わせて格段と明るくなった照明によって、タオルを首にまき、リストバンドをした手を大きく突き上げる観客が大勢いることをようやくここで気付いたのだが、その身なりが演奏と調和した時間だった。そして勢いそのままに、躍動感溢れる「カーテンコール」で本編は幕を下ろした。

 一旦ステージを後にした3人を追うように、会場からは一体感のある手拍子が発生。そのアンコールに応えるように今度は黒いツアーTシャツに着替えて登場した3人を会場が温かく迎え入れる。改めてファンに感謝を述べた3人だったが、アルバム完成に向け、並々ならぬ思いを抱えていたことを吐露。10周年に向けてこのままではダメだと感じていた奥野は、河邉が書く歌詞の世界観や杉本の奏でるピアノがバンドの強みだと再確認したことを明かし、河邉も「世界中にたくさんの小説家がいる中で、こんなメンバーを持つ小説家はいない。僕は世界で一番幸せな小説家です」とメンバーの存在の大きさを明かした。それぞれの思いをファンの目の前で語った彼らが、その再スタートの地となるこのツアーのラストを飾ったのが、物語の完結曲となる「I would die for you」だ。小説の世界観をどこまでも大切にした粋な演出で、最後まで観客を感動させたWEAVERは、演奏後、「ありがとうございました!」と挨拶。WEAVERは、7月からベストアルバム『ID 2』を引っさげ全国15か所を廻るライブハウスツアー【I’m Calling You~流星ループ~】、そしてデビュー日の翌日にあたる10月22日に、地元の神戸国際会館で10周年記念ライブを行う。バンドの強みを再発見し、パワーアップして戻ってきた彼らは一体どんな新しい姿を見せてくれるのか。その活躍に期待が膨らむ。

Text by Mariko Ikitake
Photos by Yuto Fukada


◎【WEAVER 14th TOUR 2019『I’m Calling You~流星前夜~』】セットリスト
※2019年3月31日(日)東京・マイナビBLITZ赤坂公演
1. Overture~I’m Calling You~
2. 流れ星の声
3. 最後の夜と流星
4. Shine
5. 66番目の汽車に乗って
6. Interlude I
7. 栞
8. Nighty Night
9. Interlude ?
10. Loop the night
11. 夢じゃないこの世界
12. 透明少女
13. だから僕は僕を手放す
14. Free will
15. Shall we dance
16. くちづけDiamond
17. カーテンコール
<アンコール>
1. I would die for you

◎ツアー情報
【WEAVER 14th TOUR 2019『I’m Calling You~流星前夜~』】※終了
2019年3月23日(土)愛知・ダイヤモンドホール
2019年3月24日(日)大阪・BIGCAT
2019年3月31日(日)東京・マイナビBLITZ赤坂

【WEAVER “ID 2” TOUR 2019『I’m Calling You~流星ループ~』】
2019年7月7日(日)千葉・柏PALOOZA 開場16:30/開演17:00
2019年7月13日(土)三重・四日市CLUB ROOTS 開場16:30/開演17:00
2019年7月14日(日)奈良・NEVERLAND 開場16:30/開演17:00
2019年7月27日(土)神奈川・F.A.D yokohama 開場16:30/開演17:00
2019年8月3日(土)静岡・Live House浜松 窓枠 開場16:30/開演17:00
2019年8月10日(土)香川・高松DIME 開場16:30/開演17:00
2019年8月12日(月・祝)広島・広島クラブクアトロ 開場16:15/開演17:00
2019年8月17日(土)長野・長野CLUB JUNK BOX 開場16:30/開演17:00
2019年8月18日(日)新潟・新潟GOLDEN PIGS RED STAGE 開場16:30/開演17:00
2019年9月1日(日)京都・KYOTO MUSE 開場16:30/開演17:00
2019年9月7日(土)北海道・KRAPS HALL 開場16:30/開演17:00
2019年9月14日(土)福岡・DRUM Be-1 開場16:30/開演17:00
2019年9月15日(日)熊本・熊本B.9V2 開場16:30/開演17:00
2019年9月21日(土)宮城・仙台CLUB JUNK BOX 開場16:30/開演17:00
2019年9月22日(日)福島・郡山CLUB #9 開場16:30/開演17:00

【WEAVER 10th Anniversary Live『最後の夜と流星~We're Calling You』】
2019年10月22日(火・祝)兵庫・神戸国際会館


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