デビッド・マシューズ/エディ・ゴメス/スティーヴ・ガッドが揃い踏み レジェンド・トリオが最強アルバムを引っさげて登場した貴重なステージをレポート
デビッド・マシューズ/エディ・ゴメス/スティーヴ・ガッドが揃い踏み レジェンド・トリオが最強アルバムを引っさげて登場した貴重なステージをレポート

 デビッド・マシューズ(p)、エディ・ゴメス(b)そしてスティーヴ・ガッド(ds)というジャズ界を牽引し続けているレジェンド・トリオが、2018年3月にレコーディングを行いリリースをしたアルバム『Sir,』。その発売を記念し、東阪ビルボードライブを巡るツアーを開催。その初日を飾る公演が六本木・ビルボードライブ東京で2019年3月18日に行われた。

 3人がステージに登場するなりまず披露したのは、アルバムのタイトル曲で、マシューズのオリジナルである「Sir,」。ピアノがキャッチーなメロディを奏でると、ドラムとベースがその旋律をしっかりと下支えをする。もちろんそれぞれの存在感もしっかりと覗かせ、マシューズが結成したグループ、マンハッタン・ジャズ・クインテットでも共にプレイした旧知の中であるトリオの呼吸がしっかりと合っている事を早速感じさせてくれた。

 その後もアルバム『Sir,』から次々と楽曲を披露。「Come Rain or Come Shine」をスウィンギンに、「Comin' Home Baby」でラテンの息吹を感じさせ、バラード・ナンバー「Round Midnight」はしっとりと聴かせるなど、名曲達を見事なアレンジで昇華。それぞれのソロも交えつつ、貫禄の演奏を見せてくれた。

 この日は演奏だけでなくMCでも観客は大いに驚かされた。ニューヨークで日本語を学び、日本に住むマシューズは「“郷に入っては郷に従え”という諺もあるので、日本語を話します。」と日本語で言うと、「日本語で一番難しいのは“助詞”の使い方。そういえば女の人も“女子”というんですよね。どちらも扱いが難しいです。」とジョークを飛ばし場内を沸かせた。

 アルバムからの楽曲以外にはボブ・ディランの「My Back Pages」のカヴァーや、マシューズがBest Funky Drummerとガッドを紹介し彼がメインをとり、それまでのジャズ・ナンバーとは全く違う激しくストイックなドラミングをみせ続けた「Funky Groove」なども披露。

 ハイレベルな演奏と、その編曲で楽曲の様々な表情を楽しませてくれたライブは常に大きな拍手と歓声が巻き起こり、レジェンド達のさすがの貫禄をまざまざと見せつけてくれるものとなった。

 トリオは今後、名古屋(3月20日)、下関(3月21日)、本(3月22日)、大分(3月23日)をまわり、ツアー最終日は3月25日にビルボードライブ大阪にて開催される。

Photo: Masanori Naruse

◎公演情報
【David Matthews Legendary Trio Japan Tour
featuring “Eddie Gomez”, “Steve Gadd”
Album “Sir” release 記念】

ビルボードライブ東京
2019年3月18日(月)※終了

名古屋ブルーノート
2019年3月20日(水)
1stステージ 開場17:30 開演18:30
2ndステージ 開場20:30 開演21:15

下関 BILLIE
2019年3月21日(木・祝)
開場17:00 開演18:30

熊本 CIB(キーブ)
2019年3月22日(金)
開場18:00 開演19:00

大分 BRICK BLOCK
2019年3月23日(土)
開場18:30 開演19:30

ビルボードライブ大阪
2019年3月25日(月)
1stステージ 開場17:30 開演18:30
2ndステージ 開場20:30 開演21:30