『ザ・ラヴ・トレイン』メーガン・トレイナー(EP Review) 〈Billboard JAPAN〉|AERA dot. (アエラドット)

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『ザ・ラヴ・トレイン』メーガン・トレイナー(EP Review)

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『ザ・ラヴ・トレイン』メーガン・トレイナー(EP Review)

『ザ・ラヴ・トレイン』メーガン・トレイナー(EP Review)


 早いもので、「わたしのぽちゃティブ宣言!」という衝撃の邦題がつけられたデビュー曲にして最大のヒット曲「オール・アバウト・ザット・ベース」のリリースから、今年で5年を迎える。

 米ビルボード・ソング・チャート“Hot 100” で8週連続1位を記録した同曲の他、2曲連続のTOP5入りを果たした「リップス・アー・ムーヴィン」(最高4位)や、ジョン・レジェンドとデュエットしたレトロなスウィート・ソウル「ライク・アイム・ゴナ・ルーズ・ユー」(最高8位)など、デビュー・アルバム『タイトル』(2015年)からのシングルを次々とヒットさせたメーガン。

 翌2016年リリースの2ndアルバム『サンキュー』からも、最高3位をマークした先行シングル「NO」や、SNSのハッシュタグも大ブレイクした「ミー・トゥー」(最高13位)など、女子受け必須の“共感ソング”がヒット。「色モノ」や「一発屋」というイメージを払拭し、今や2010年代を代表する女性シンガーとしての地位を確立している。

 本作『ザ・ラヴ・トレイン』は、『サンキュー』のリリースからおよそ3年ぶりとなる久々の新作。といっても、それらに続く3作目のスタジオ・アルバムではなく、6曲入りのEP盤(ミニ・アルバム)という形態で、若干のがっかり感は否めないが、何はともあれ新作のリリースはうれしいもの。EP盤としては、2014年9月発売の『タイトル』以来、4年半ぶりのリリースとなる。

 女性ならではの視点で共感を得た前2作とは異なり、本作は自身の現状=幸せいっぱいの新婚生活をまんま歌にしたナンバーが集う、『ザ・ラヴ・トレイン』というタイトル直結のアルバム。 昨年のクリスマスに結婚したばかりのメーガンによる、婚前~結婚、新婚生活までのアレコレがたっぷり詰まっている。

 前作『サンキュー』収録の「ジャスト・ア・フレンド・トゥー・ユー」を手掛けたクリス・ゲルビューダによるプロデュース曲「マリー・ミー」は、「ジャスト~」の続編ともいえるウクレレ・ベースのオーガニック・ソングで、パートナーとなった俳優のダリル・サバラとホテルの部屋で共作したとのこと。結婚式の様子が映し出された「ウエディング・ビデオ」も公開されていて、まさに本作の“核”ともいえる一曲だ。

 冒頭の「オール・ザ・ウェイズ」は、 ABBAの作品にインスパイアされたという、70年代風のキュートなディスコ・ポップ。メーガンの作品としては珍しいタイプの曲調で、“マンネリ化”を解消すべく新境地を開拓したナンバーだ。彼に「結婚を決意させる」ようなフレーズが登場するこの曲は、(おそらく)幸せ絶頂である“婚前”の心境を歌っているのではないだろうか。

 ピンクやテイラー・スウィフト、サム・スミスなど人気シンガーを多数手がけるアメリカの音楽プロデューサー=タイラー・ジョンソンが制作した「アイム・ダウン」は、ネイト・ルイス率いるfun.あたり彷彿させるバロック・ポップ。「あなたに会う前のことなんて思い出せない」、「恋人のラインをも超えていきたい」など、聴いているこっちが赤面するフレーズ満載の、ラブ・ソング。同じ“情熱的な気持ち”は持ち合わせているものの、傍に居て欲しい想いを淡々と歌い上げたマイナー調のピアノ・バラード「アフター・ユー」も、メーガンの歌唱力が存分に活かされた好曲。

 「ビルズ」(2015年)などのヒット曲をもつ米フロリダ州出身のR&B/ヒップホップ・シンガー=ランチマネー・ルイスと共作した「フーリッシュ」は、R&Bとポップが融合した ランチマネーらしい一曲。「愚か者だと周りに言われても、それを貫きたい!」という“バカップル”全開のナンバーで、こちらも披露宴の様子が撮影されたミュージック・ビデオが公開されている。

 ラストは、メーガンの父親であるゲイリー・トレイナーがフィーチャリング・アーティストとしてクレジットされた「グッド・モーニング」。父親のオルガン演奏をバックに、“コーヒーもいらない”ほどラブラブな、甘い朝の様子が描かれた一曲。その歌詞の世界を再現したビデオからすると、2人の新婚生活はこんなドラマみたいな感じなのだろうか…?

 3作目となるスタジオ・アルバム『トリート・マイセルフ』は、2018年の夏にリリースされる予定だったが、発売を見送られている。が、本作『ザ・ラヴ・トレイン』はその『トリート・マイセルフ』の“予告盤”ともされていて、2019年中にはその3rdアルバムも続けてリリースされるかもしれない。


Text: 本家 一成


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