【米ビルボード・アルバム・チャート】バックストリート・ボーイズが18年ぶりの首位、ウィーザー5位に急上昇
【米ビルボード・アルバム・チャート】バックストリート・ボーイズが18年ぶりの首位、ウィーザー5位に急上昇

 バックストリート・ボーイズの新作『DNA』が初登場1位を飾った、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。

 本作『DNA』は、2013年7月に発表した8thアルバム『イン・ア・ワールド・ライク・ディス』(最高5位)から、およそ5年半ぶりにリリースされた、通算9枚目のスタジオ・アルバム。全米での首位獲得は、「シェイプ・オブ・マイ・ハート」(最高9位)などのヒットを輩出した4thアルバム『ブラック・アンド・ブルー』(2000年12月16日付チャート)以来、18年2か月ぶりの快挙。その他には、アメリカだけで1,300万枚、ワールド・セールスは3,000万枚を突破した自身最大のヒット作『ミレニアム』(1999年)の計3枚が1位を獲得している。アメリカでのTOP10入りは、2001年リリースのベスト盤『グレイテスト・ヒッツ チャプター・ワン』(最高4位)含む、計10作目。

 前回1位を獲得してからの期間としては、シャーデーが『プロミス』(1986年2月22日付)から『ソルジャー・オブ・ラヴ』(2010年2月27日付)で記録した24年が、グループとしての最長記録だが、男性グループとしてはバックストリート・ボーイズがトップ。なお、ビートルズからソロに転身したポール・マッカートニーは、昨年9月にリリースした17枚目のスタジオ・アルバム『エジプト・ステーション』で、『タッグ・オブ・ウォー』(1982年5月29日~6月12日付) から36年3か月ぶりに全米首位獲得を果たし、生存しているアーティストとして歴代記録を塗り替えている。

 『DNA』の初動ユニット数は234,000で、そのうちアルバム・セールスが227,000枚、ストリーミングは1万ユニットにも届かなかった。セールスが圧倒的に強い理由としては、根強い固定ファンの維持、それから7月から開催されるコンサート・チケットとの連動が挙げられる。ストリーミングが弱いのは、若年層からの支持が弱いこと、それからシングル・ヒットがなかったことが主な要因。先行シングル「ドント・ゴー・ブレイキング・マイ・ハート」は、アダルト・コンテンポラリー・チャートで9位まで上昇したが、Hot 100では63位どまりだった。

 セールス・チャートでも同1位に初登場した『DNA』。アルバムの初動セールスとしては、2005年7月2日付チャートで3位に初登場した5thアルバム『ネヴァー・ゴーン』の初動売上である291,000万枚以来、最大のセールスとなる。ポップ・アルバムの初動セールスとしては、2018年2月18日付チャートで初登場1位をマークした、ジャスティン・ティンバーレイクの『マン・オブ・ザ・ウッズ』の242,000枚以来、最大の週間セールス。すべてのジャンルを含むと、2018年9月29日付チャートで首位デビューした、カントリー・シンガー=キャリー・アンダーウッドの『クライ・プリティ』が記録した251,000枚以来の、高セールスを記録した。

 先週首位デビューしたフューチャーの『The Wizrd』は、週間ユニット数を先週の126,000から56,000まで落とし、2位にダウン。先週3位にランクダウンした、ア・ブギー・ウィット・ダ・フーディの『Hoodie SZN』は、49,000から47,000へ、わずかにユニット数を落としているが、2週目以降は安定したポイントを維持している。映画『アリー/スター誕生 』のサウンドトラックは、1月28日に開催された【第25回SAG賞】や、2月24日に開催される【第91回アカデミー賞】のノミネート効果などを受け、40,000ユニットを獲得し、先週の8位から4位まで浮上。アワードの結果によっては、春以降も上位ランクインが期待できる。

 先週の47位から5位にジャンプアップしたのは、オルタナティヴ・ロック・バンド=ウィーザーによるカバー・アルバム『ウィーザー(ティール・アルバム)』。先週47位にデビューしたのは、前週(2月2日付チャート)の集計期間である1月24日にサプライズ・リリースされたため。初日分が集計割れしたものの、週間39,000ユニットと高ポイントを記録している。ウィーザーのTOP10入りは、2016年リリースの10thアルバム『ウィーザー(ホワイト・アルバム)』(最高4位)以来3年ぶり、9作目の快挙。ユニット数の内訳、アルバム・セールスが27,000枚で、ストリーミングが10,000ユニットと、バンドの記録としては珍しく、ストリーミング・ポイントも比較的強かった。本作には、TLCの「ノー・スクラブス」(1999年)や、マイケル・ジャクソンの「ビリー・ジーン」(1983年)など、全米No.1ヒットによるカバーが多数収録されている。なお、3月1日には早くも通算13作目のスタジオ・アルバム『ウィーザー(ブラック・アルバム)』がリリースされる予定。

Text:本家一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは、2月8日以降掲載予定となります。

◎【Billboard 200】トップ10
1位『DNA』バックストリート・ボーイズ
2位『Future Hndrxx Presents: The Wizrd』フューチャー
3位『Hoodie SZN』ア・ブギー・ウィット・ダ・フーディ
4位『アリー/スター誕生』サウンドトラック
5位『ウィーザー(ティール・アルバム)』ウィーザー
6位『ビアボングズ&ベントレーズ』ポスト・マローン
7位『チャンピオンシップス』ミーク・ミル
8位『I Am > I Was』21サヴェージ
9位『アストロワールド』トラヴィス・スコット
10位『スパイダーマン:スパイダーバース』サウンドトラック