【深ヨミ】2018年のフィジカルセールスを振り返る(オーディオ編)
【深ヨミ】2018年のフィジカルセールスを振り返る(オーディオ編)

 SoundScanJapanの販売データによると、2018年のオーディオ年間セールスは約1907億円で、2000億円を超えた2017年には届かなかった。グラフ1に週ごとの売上がどのように積みあがっていったかを示す。

 年始から40週頃まではつかず離れずで推移し、一時は追付くことがあるものの、年末まで平均的に推移した2018年は、ラスト12週の積み上がりが目覚ましかった2017年に徐々に差を付けられ、最終的には100億円程度前年を下回った。

 ではそれぞれの年に何があったのか、アルバム、シングル別に見ていくことにする。グラフ2にアルバムの年間累計売上を示す。

 アルバムに関して言うとグラフからも明らかな通り、2018年は2017年の売上を下回り続け、40週を過ぎた頃からその差はどんどん開く結果となった。ここでいくつか、2本のグラフの間隔が開くポイントがあることがわかる。13週、42週、45週がそれに当たるが、これらの週に発売された作品を調べてみると、以下の通りだった。

13週 三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE『THE JSB WORLD』
42週 嵐『「untitled」』
45週 Namie Amuro『Finally』

 いずれも年間累計に影響を与えるだけあって、『Finally』はアルバム売上年間首位、『「untitled」』は同2位、『THE JSB WORLD』は同4位だ。ここで3位の存在が気になるところだが、年間売上3位のAKB48『サムネイル』は1月25日発売で、2018年も全く同時期の1月24日にAKB48『僕たちは、あの日の夜明けを知っている』が発売されているため、グラフに差が出なかったという訳だ。

 『Finally』のビッグセールスによって45週以降、ぐんと差が開いてしまっているが、この分を差引いても2017年の水準には届いていない。2017年よりもデジタルへの移行が進んだとも考えられるが、ここ何年も毎年発売されていた嵐のアルバムが発売されなかったこともその要因の一つだろう。2017年と2018年のTOP20は下記の通り。

2017年アルバム
1位 Namie Amuro『Finally』(182.2万枚)
2位 嵐『「untitled」』(80.6万枚)
3位 AKB48『サムネイル』(70.3万枚)
4位 三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE『THE JSB WORLD』(47.6万枚)
5位 関ジャニ∞『ジャム』(39.5万枚)
6位 Hey! Say! JUMP『Hey! Say! JUMP 2007-2017 I/O』(39.1万枚)
7位 欅坂46『真っ白なものは汚したくなる』(38.1万枚)
8位 ONE OK ROCK『Ambitions』(36.9万枚)
9位 乃木坂46『生まれてから初めて見た夢』(34.2万枚)
10位 ゆず『ゆずイロハ 1997-2017』(30.7万枚)
11位 back number『アンコール』(30.6万枚)
12位 TWICE『#TWICE』(28.5万枚)
13位 桑田佳祐『がらくた』(28.4万枚)
14位 B'z『DINOSAUR』(27.2万枚)
15位 米津玄師『BOOTLEG』(27.1万枚)
16位 Spitz『CYCLE HIT 1991~2017 Spitz Complete Single Collecti』(25.3万枚)
17位 SMAP『SMAP 25 YEARS』(22.5万枚)
18位 Kis-My-Ft2『MUSIC COLOSSEUM』(21.8万枚)
19位 NMB48『難波愛~今、思うこと~』(21.6万枚)
20位 KinKi Kids『The BEST』(20.8万枚)

2018年アルバム

1位 AKB48『僕たちは、あの日の夜明けを知っている』(61.5万枚)
2位 サザンオールスターズ『海のOh, Yeah!!』(52.4万枚)
3位 Namie Amuro『Finally』(51.2万枚)
4位 Mr.Children『重力と呼吸』(39.4万枚)
5位 宇多田ヒカル『初恋』(36.6万枚)
6位 BTS(防弾少年団)『FACE YOURSELF』(34.8万枚)
7位 関ジャニ∞『GR8EST』(34.2万枚)
8位 星野源『POP VIRUS』(32.3万枚)
9位 TWICE『BDZ』(28.3万枚)
10位 WANIMA『Everybody!!』(25.3万枚)
11位 Hey! Say! JUMP『SENSE or LOVE』(24.9万枚)
12位 Kis-My-Ft2『Yummy!!』(24.7万枚)
13位 三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE『FUTURE』(23万枚)
14位 米津玄師『BOOTLEG』(22.8万枚)
15位 コブクロ『ALL TIME BEST 1998-2018』(21.5万枚)
16位 松任谷由実ユーミンからの、恋のうた。』(20.4万枚)
17位 けやき坂46『走り出す瞬間』(18.8万枚)
18位 EXILE『STAR OF WISH』(18.4万枚)
19位 (サウンドトラック)『グレイテスト・ショーマン オリジナル・サウンドトラック』(17.2万枚)
20位 Sexy Zone『XYZ=repainting』(15.6万枚)

 次にシングルを見てみる。グラフ3にシングルの年間累計売上を示す。

 2018年は2017年よりもほぼ全期間上回っている。こちらもいくつか段差のようになっているポイントがあるが、11週、22週、38週はいずれもAKB48のシングル発売週だった。

11週 AKB48『ジャーバージャ』
22週 AKB48『Teacher Teacher』
38週 AKB48『センチメンタルトレイン』

 圧倒的な売上数でAKB48、乃木坂46、欅坂46が年間売上の最上位を独占するのは2017年も2018年も同様だが、10~20に目を転ずると2018年はKng & Prince、TWICE、米津玄師など、新たに上位に加わるアーティストも存在し、少し様子が変わってきているようだ。2017年と2018年のTOP20は下記の通り。

2017年シングル

1位 AKB48『願いごとの持ち腐れ』(265.7万枚)
2位 AKB48『11月のアンクレット』(153.1万枚)
3位 AKB48『#好きなんだ』(149.6万枚)
4位 AKB48『シュートサイン』(136.3万枚)
5位 乃木坂46『逃げ水』(121.8万枚)
6位 乃木坂46『いつかできるから今日できる』(113.6万枚)
7位 乃木坂46『インフルエンサー』(102.5万枚)
8位 欅坂46『不協和音』(83.3万枚)
9位 欅坂46『風に吹かれても』(82.9万枚)
10位 嵐『Doors -勇気の軌跡-』(66.5万枚)
11位 SKE48『意外にマンゴー』(48.5万枚)
12位 嵐『I'll be there』(48.0万枚)
13位 BTS(防弾少年団)『MIC Drop/DNA/Crystal Snow』(47.3万枚)
14位 嵐『つなぐ』(47.0万枚)
15位 HKT48『バグっていいじゃん』(41.2万枚)
16位 HKT48『キスは待つしかないのでしょうか?』(38.1万枚)
17位 BTS(防弾少年団)『血、汗、涙』(34.2万枚)
18位 Hey! Say! JUMP『OVER THE TOP』(32.0万枚)
19位 Hey! Say! JUMP『White Love』(31.7万枚)
20位 Hey! Say! JUMP/A.Y.T.『Precious Girl/Are You There?』(31.4万枚)

2018年シングル
1位 AKB48『Teacher Teacher』(293.1万枚)
2位 AKB48『センチメンタルトレイン』(164.2万枚)
3位 乃木坂46『ジコチューで行こう!』(146.4万枚)
4位 乃木坂46『シンクロニシティ』(140.6万枚)
5位 AKB48『NO WAY MAN』(137.1万枚)
6位 AKB48『ジャーバージャ』(126.8万枚)
7位 乃木坂46『帰り道は遠回りしたくなる』(125.2万枚)
8位 欅坂46『ガラスを割れ!』(110.3万枚)
9位 欅坂46『アンビバレント』(106.0万枚)
10位 King & Prince『シンデレラガール』(75.3万枚)
11位 嵐『夏疾風』(56.9万枚)
12位 BTS(防弾少年団)『FAKE LOVE/Airplane pt.2』(54.6万枚)
13位 SKE48『いきなりパンチライン』(49.3万枚)
14位 嵐『Find The Answer』(46.7万枚)
15位 SKE48『無意識の色』(45.5万枚)
16位 King & Prince『Memorial』(43.3万枚)
17位 嵐『君のうた』(42.9万枚)
18位 米津玄師『Lemon』(42.5万枚)
19位 TWICE『Wake Me Up』(39.4万枚)
20位 TWICE『Candy Pop』(39.2万枚)