クラウド・ルー、2ステージ異なるテーマで披露されたクラブ公演が終了 ファンファン(くるり)もゲスト参加しツアー・ファイナルにふさわしい舞台に 〈Billboard JAPAN〉|AERA dot. (アエラドット)

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クラウド・ルー、2ステージ異なるテーマで披露されたクラブ公演が終了 ファンファン(くるり)もゲスト参加しツアー・ファイナルにふさわしい舞台に

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クラウド・ルー、2ステージ異なるテーマで披露されたクラブ公演が終了 ファンファン(くるり)もゲスト参加しツアー・ファイナルにふさわしい舞台に

クラウド・ルー、2ステージ異なるテーマで披露されたクラブ公演が終了 ファンファン(くるり)もゲスト参加しツアー・ファイナルにふさわしい舞台に


 11月18日、このサイトでも以前ご紹介した、台湾のシンガー・ソングライター、クラウド・ルー(盧廣仲)のビルボードライブ東京公演が行なわれた。
ライブ写真(全20枚)

 シンガー・ソングライターとしては10年前のアルバム・デビュー直後から才能ある存在としてトップを走ってきたが、去年は主演したドラマが大ヒット、台湾のエミー賞【金鐘奨】では《主演男優賞》をとる国民的スターになっての、日本でのライブである。

 チケットの売れ行きも良好と聞いていたが、天井に近い所までびっしり、多くの人がつめかけた。

 日本でのワンマンとしては連続3年目。16日にマイナビBLITZ赤坂を完売にした後のライブだ。1stステージはロック、2ndステージはジャズと銘打って、自身の曲を異なったアレンジで見せてくれた。バンドは、キーボード、ベース、ドラムス、トランペットの4人。アメリカ・ツアーで9本のライブを行なった直後だけに疲れはたまっていたようだが、バンドとのコンビネーションはその分、完成されてきていたのではと思う。

 開演前、会場にはちょっとチープでハッピーな、正月に中華料理店でかかるような中華サウンドが流れている。これはクラウドの選曲だという。彼に理由を聞いたら「面白いでしょ」とニヤッ。遊び心か…と思っていたら、まさにビルボードライブの2回の公演でクラウドは、音と遊びきっていた。

 16時半から始まったロック・セットは、カジュアルな服装で登場。2008年のデビュー・アルバム1曲目の「早安,晨之美(おはよう、美しい朝)」をちょっと重ためのロック・アレンジで幕を開けた。軽快な原曲とはがらっと雰囲気を変え引き込まれる。間奏ではクラウドのギター・ソロが炸裂した。最初のトークの後は、大ヒットした去年のドラマ『花甲男孩轉大人(お花畑から来た少年)』の主題歌「魚仔(さかな)」だ。曲前半はクラウドのアコースティック・ギターだけで歌い後半にバンドが入って来たが、このバラードを丁寧に丁寧に大変な集中力で歌っている。そして曲が終わったか分からないうちに次の曲のイントロへギターのみが自然に入ってゆく。たまらなく心地好い。

 クラウド・ルーのライブには過去に何回か行っているが、その都度アレンジを変えるのが面白い。今回はまた特に凝っていてかつ近い距離でそれが楽しめた。特にギターのアドリブになるとクスッとする様々な音の遊びが聞こえてくる。
 「朝食ってロックンロールだよ。毎日ロックでいたいなら、早く起きよう!」と言った後、「あ、時計が壊れたから今何時かわからない。今何時?」と観客に聞いたりとトークでは天然キャラも披露した。
 アンコールの「OH YEAH!!!」では、再びクラウドのギター・ソロが炸裂。クラウド流ロックな夜を堪能した。

 19時半からは、ジャズ・セット。メンバーは白いシャツに黒いパンツで黒いネクタイ。クール。今度は、落ち着いた演奏から始まった。が、メンバー全体から、このセット、つまり春から続いたツアーの最終ライブらしく美しい終焉を作ろうという気合いが感じられる。
 さっそくクラウドからアドリブ・ソロを指示されるバンド・メンバー。クラウドはたとえば「Jack on Bass!」と言ってトランペッターを指差したりと混乱させて楽しんでいる。が、メンバーもそれに負けじとクラウドが思わず笑ってしまう大胆なアドリブを見せる。こういうやり取りで最初は控え目だったバンド・メンバーも個性をより出し始め、フランク・シナトラの「Time After Time」のカヴァーもなかなかに聞かせるものになっていた。 
 一方のクラウドも、圧倒的な音への集中力を見せ、一音一音をいとおしむように弾き、そして歌う。 
 ロック・セットで最後に奏した「OH YEAH!!!」をジャズ・セットでは6曲目に持ってきた。そして曲途中、くるりのファンファンがゲストで登場、以前からクラウドのファンだというファンファンはキュートな笑顔でステージに上ったが、いざ演奏するとそこに絡むクラウドのヴォーカルを変化させた。温度がどんどん上がる。ソウルフルになる。
 ライブ最後の曲では、ビルボードライブ恒例、ステージのバックのカーテンが全開に。東京の夜景をバックに演奏するクラウド&バンド。美しく感動的な瞬間だった。
 
 クラウド・ルー、ビルボードライブ東京という本物のアーティストのみがその足跡を残せる、落ち着きあるゴージャスな空間で、繊細かつ大胆なステージを歌い奏せたことで、また一段と大きくなったと感じたのは私だけではあるまい。

 楽屋話になるが、楽屋に戻った途端、歓声をあげメンバーと共に飛び上がり、普段は静の印象が強いクラウドが身体全体で喜びを表していた。そんな姿を見ていると、台湾の旬のアーティスト、クラウド・ルーのツアー・ファイナルに、ビルボードライブ東京はふさわしい場だったのではないかと思う。

Text:関谷元子
Photo:TAWARA(magNese)


◎公演概要
【クラウド・ルー】
(1st Stage)Rock Set/(2nd Stage)Jazz Set
2018年11月18日(日)
ビルボードライブ東京


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