故クリス・コーネル、薬を過剰に処方した医師を遺族が提訴
故クリス・コーネル、薬を過剰に処方した医師を遺族が提訴

 2017年5月に死去した故クリス・コーネルの遺族が、生前彼に薬を過剰に処方した医師を提訴した。

 2018年11月1日、クリスの妻ヴィッキーが娘のトニーと息子のクリストファーと連名で、ビバリーヒルズの医師ロバート・コブリン(Robert Koblin)がクリスに処方していた抗不安薬ロラゼパムを筆頭とする数々の薬物のせいで、彼が死亡する直前に常軌を逸した行動をするようになっていたとして、損害賠償を求める訴訟を米カリフォルニア州のロサンゼルス上位裁判所に起こした。

 遺族側は、米国ではAtivanというブランド名で販売されている抗不安薬ロラゼパムが、クリスが死亡する20か月前から大量に処方されており、監督が行き届かない状況での過剰な摂取は“判断力や思考能力をひどく低下させ、衝動が抑えられなくなり、患者が理性的に考え行動することをできなくする”ことから自殺のリスクを増幅させたと訴えている。医師はクリスの深刻な薬物中毒歴を知っていたにも関わらず、彼を診察せずに“無責任に繰り返し”これらの薬物を処方していたと遺族側は主張している。

 サウンドガーデンやオーディオスレイヴのメンバーとして活動していたクリス・コーネルは、米デトロイトでサウンドガーデンのライブを行った数時間後にホテルの一室で自殺した。彼の体内からはバルビツール酸塩、カフェイン、オピオイド拮抗薬のナロキソン、充血除去剤が検出されたが、検視官は死因を首吊りによる自殺と確定した。

 ヴィッキー・コーネルは、夫が死亡して間もない頃、クリスが自ら死を選ぶような兆候はなく、処方薬のせいで行動に異変が出ていたと語っていた。“死亡時、コーネル氏には生きがいが大いにあり、レコーディング、パフォーマンス、そして慈善活動家としての仕事に打ち込む未来を計画していた”と訴状には記載されている。