ハワイが育んだ新たな才能、ロン・アーティス・ザ・セカンドが初めて立つ日本のステージ。記念すべき初来日ツアー初日をレポート
ハワイが育んだ新たな才能、ロン・アーティス・ザ・セカンドが初めて立つ日本のステージ。記念すべき初来日ツアー初日をレポート

 1986年にカリフォルニアで生まれ、5歳でハワイに移住。モータウンなどで活躍したミュージシャンの父とシンガーでもあった母との間で、幼少期から音楽と共に育ち、ブルースやソウルをはじめR&Bなどの幅広い音楽性を培った、ロン・アーティス・ザ・セカンドが初来日ツアーを開催。その記念すべき初日を飾る公演が六本木・ビルボードライブ東京で10月23日に行われた。

 開演時間を迎えると、ウクレレが2本用意されたステージに、アコースティック・ギターを抱えハワイの自然で育ったことを感じさせるよう裸足で登場すると、「アロハ」とまずは一言挨拶をし早速オープニング曲の「Today's Days」を披露。優しさが溢れるギターの音色と深みのある歌声が響いた途端、場内は一気に彼の姿に釘付けとなった。

  「Let Me Dance On」や娘が産まれる前日に完成したという「Look at Those Eyes Dear」といったコード・ストロークとアルペジオを織り交ぜ美しくメロディを際立たせる曲を演奏したかと思えば、「Little People」などファンクやブルースの色合いの強い曲では驚くほど激しいカッティングや強烈なパーカッシブ奏法で力強さが際立つプレイを見せ、類まれな才能を見せつけていく。歌声もまた、バラードでは温かく胸に染み込んでくるような柔らさがあり、グルーヴィな曲ではソウルシンガーとも思えるようなシャウトもみせるなど、彼の音楽的な背景を象徴するかのような、様々な要素が絡み合った自由で豊饒なサウンドを聴かせてくれた。

 MCでは、初めての来日ということで「日本語が話せたらよかった、もっと練習しなきゃ」と嬉しいコメントを残してくれただけでなく、「一期一会」と題した曲を英語と日本語を織り交ぜて行うサプライズ演出もあり、観客を沸かせた。

 ギターをウクレレに持ち替え、その軽やかで弾けるような音色ももちろん披露。日本限定のアコースティック・ソロアルバム『Acoustics』から「Love is Love」では、歌詞になぞらえて「愛はピュアで、言葉を超える最も必要なもの」と語り、笑顔も見せつつ爽やかに歌いあげる姿が印象的だった。

 本編ラストは演奏予定だった曲を忘れるチャーミングな一幕も。最終的には観客からリクエストを募る形で彼の楽曲で最も激しい曲のひとつである「Getting Older」を披露。これまで以上に驚異的な速弾きを見せるなど圧倒的な演奏で場内は最大の盛り上がりとなった。記念すべき初来日公演のラストは「Before You Go」。抜群の歌唱力で場内を“愛”で包み込んだ。

 ロン・アーティス・ザ・セカンドは10月24日にビルボード大阪公演も開催する。アコースティックのシンプルな演奏の中に、多彩な音と美しいメロディが浮かびあがる彼の優しさと強さが共存するステージを是非体感してみてほしい。

Photo:マキノミカエル

◎公演情報
【ロン・アーティス・ザ・セカンド】
2018月10月23日(火)※終了
ビルボードライブ東京

2018年10月24日(水)
ビルボードライブ大阪
1stステージ 開場17:30 開演18:30
2ndステージ 開場20:30 開演21:30

詳細:http://www.billboard-live.com/