BiSH×MOROHA、ノーガードの殴り合いのようなタイマン【東海サバイバル】
BiSH×MOROHA、ノーガードの殴り合いのようなタイマン【東海サバイバル】

 BiSHとMOROHAが、2018年10月13日に名古屋 CLUB QUATTROで開催された【MOROHA BEST ~十年再録~ FINAL SERIES × エリザベス宮地企画 Vol.3 「東海サバイバル」】に登場した。
ライブ写真(全52枚)

「タイマンしに来ました! BiSHです!」

 そう宣言して先攻でステージに現れたBiSHは、「My landscape」「BiSH-星が瞬く夜に-」とキラーチューンを最初から次々に投下し、超満員の客席を狂乱の渦に巻き込んでいく。東京サバイバル、大阪サバイバルに次いで三度目となった今回のMOROHAとの対バン。ちょうど1年前の初対バンの時と比べ物にならないほど、彼女たちのパフォーマンスはより鋭利に、より凄まじい熱量で、ライブハウス全体を掌握していく。「絶対に勝つ」という気迫をこれでもかと見せつけながら、「Primitive」「サラバかな」「ALLS」といった楽曲を立て続けに披露するBiSH。

「MOROHAは赤だとか黒だとか、ポップスだとかアイドルだとか、色んなもので私たちをいつも敵にしてきますが、なんと言われようと、甘いと言われようと、私たちはMOROHAが好きです。今、同じ時代に音楽が出来て幸せです」というセントチヒロ・チッチのMCのあとにフロアに放たれた「プロミスザスター」で客席は沸点を迎え、BiSHのライブは幕を閉じた。

「MOROHAと申します! よろしくどうぞ!」

 おなじみのフレーズ放ったあと、代表曲のひとつ「革命」を披露するMOROHA。「奮い立つCDショップにて」「俺のがヤバイ」のギターの旋律と言葉の圧とで、BiSHの熱量にあてられたひとりひとりの首根っこをつかんでいく。

 そして中盤で披露されたのは、主催のエリザベス宮地がMUSIC VIDEOの監督をつとめたバラード「バラ色の日々」。この9分近くにもなる楽曲を、ワンマン以外のライブでパフォーマンスするのはエリザベス宮地のこのイベントだけだ。胸が張り裂けそうになるメッセージを受け止めたフロアーに、目頭をぬぐう影がすこしずつ目立ち始める。

「MOROHAが好きです、なんてBiSHは言ってくれてたけど、そういうのは他所でやってください!」と吐き捨て、「勝ち負けじゃないと思える所まで俺は勝ちにこだわるよ」でふたたび客席に殴りかかるMOROHA。ラストは音源化されていない新曲の「五文銭」を圧倒的な熱量で放ち、MOROHAのふたりはステージを降りた。

 まさにノーガードの殴り合いのようなBiSHとMOROHAのパフォーマンス。エリザベス宮地という奇才のもとに集った2組のアーティストの、ライブを超えたタイマン【東海サバイバル】は、こうして大団円を迎えた。

PHOTO:MAYUMI-kiss it bitter-

◎エリザベス宮地(主催)コメント
「わかり合うなんて無理だ無意味だ
別にそれでいい むしろそれがいい」

MOROHAが東海サバイバルのために書き下ろした新曲の一節。
その歌詞の通り、BiSHは誰になんと言われようが?好き?という想いを貫き通し、MOROHAは最後まで?勝ち負け?にこだわり抜いたライブを、同じステージで繰り広げました。
お互いの違いを同じステージで認め合うことは、共通項を探して「いいね」や「ハート」を送り合うことよりも相手へのリスペクトを感じました。

BiSHを見つめる笑顔と、MOROHAを見つめる泣き顔。
二組の違いが、一人の表情に現れているのがたまらなく美しかったです。

◎セットリスト
【MOROHA BEST ~十年再録~ FINAL SERIES × エリザベス宮地企画 Vol.3 「東海サバイバル」】
2018年10月13日(土)名古屋 CLUB QUATTRO

<BiSH>
My landscape
BiSH-星が瞬く夜に-
GiANT KiLLERS
本当本気
Primitive
サラバかな
ALLS
SMACK baby SMACK
beautifulさ
プロミスザスター

<MOROHA>
革命
奮い立つCDショップにて
俺のがヤバイ
tomorrow
バラ色の日々
勝ち負けじゃないと思える所まで俺は勝ちにこだわるよ
恩学
新曲太郎
五文銭