【深ヨミ】安室奈美恵、引退前後のアルバムセールスを調査
【深ヨミ】安室奈美恵、引退前後のアルバムセールスを調査

 10月1日付のBillboard JAPAN週間“Top Albums Sales”で、安室奈美恵『Finally』が43,524枚を売り上げ2位を獲得した(集計期間2018年9月17日~2018年9月23日)。

 安室奈美恵『Finally』は2017年11月8日に発売されたオールタイム・ベストアルバムである。本アルバムはリリース前に引退を表明したため、発売初週で1,039,484枚を売り上げBillboard JAPAN週間“Top Albums Sales”で首位を獲得し、更に発売後3週目まで首位を維持した。年が変わり2018年になっても販売数は衰える事なくランキング上位を維持し続け、惜しまれながらも引退した現在でも販売数を伸ばしている。。

 ここではSoundScanJapanのデータを使用し、2018年に入ってからの安室奈美恵が過去にリリースしたアルバムの販売数に注目してみた。まず、2018年1週から38週の地域別販売比率を、全アルバムの同一集計期間の販売比率と比較したものが図1(http://www.billboard-japan.com/d_news/image/68140/2)で、グラフの上段は同一集計期間内に販売された全アルバムの地域別の占有率であり、下段は安室奈美恵がリリースした全アルバムの合計値の地域別の占有率である。東日本より西日本の方が高くなり、特に出身地である沖縄を含む九州(図中水色)については全アルバム平均(8.6%)を大きく上回る14.3%となっており、地元の支持が厚い事がわかる。

 更に、安室奈美恵の全アルバムの週別の地域別(+イーコマース)の販売数の推移をグラフ化した物が図2(http://www.billboard-japan.com/d_news/image/68140/3)である。ラストツアーの開催順(1)ナゴヤドーム・中部・(図中赤)・(2)福岡ヤフオクドーム・九州(水色)・(3)札幌ドーム・北海道(紺)・(4)京セラドーム大阪・近畿(紫)・(5)東京ドーム・関東(緑)の順に色の厚みが増し、それぞれの週の販売数を持ち上げているのがわかる。

 上記の地域別の上昇のある週以外は30週まで緩やかな下降傾向だったのだが、最後となる映像作品『namie amuro Final Tour 2018 ~Finally~』の予約が始まった31週と、同タイトルの発売のあった35週に段階を踏んで販売数を増やしており、引退直後の38週に更に大きく伸びる結果となった。

 引退後の38週ではイーコマースでの販売比率が過半数を超える54.8%となっている。Eコマースは19週までは16~30%の間を行き来していたのだが、ラストツアーがひと段落ついた20週より伸び始め、ついに過半数を占めるに至っている。

 また、安室奈美恵のアルバムの中で、最後にリリースした『Finally』とその他のタイトルの2018年の1週から38週(9月23日まで)の販売数の推移をグラフ化したのが図3(http://www.billboard-japan.com/d_news/image/68140/4)である。『Finally』(図中青)は、ラストツアーの開催週や『namie amuro Final Tour 2018 ~Finally~』の発売に合わせて販売数が上下しているのだが、その他のアルバム(紺)は、そういった影響を受けず、35週より大きく伸びており、引退を惜しんだファンが様々な作品を求めて購入していると見て取れる。

 このような偉大なアーティストが引退してしまった事は本当に残念だが、彼女の残した作品達の動向を今後も見て行きたい。