『8レターズ』ホワイ・ドント・ウィー(Album Review)

2018/09/03 14:15

『8レターズ』ホワイ・ドント・ウィー(Album Review)
『8レターズ』ホワイ・ドント・ウィー(Album Review)


 平均年齢18歳。ダニエル・シーヴィ、ジョナ・マレー、ザック・ヘロン、ジャック・エイブリー、コービン・ベッソンの5人で結成されたボーイズグループ=ホワイ・ドント・ウィー。メンバー個々、ソロとしての活動を経て、アメリカの音楽イベント意気投合し、グループを結成した。2016年10月にシングル「トーキング・ユー」でデビューしてからまだ2年も経っていないが、これまでに5枚のEP盤をリリースし意欲的な活動をみせている。
 本作『8レターズ』は彼らにとって初のスタジオ・アルバム(デビュー・アルバム)で、これまでに計5曲の先行シングルがリリースされている。
 人気曲「サムシング・ディファレント」は、米ビルボード・ポップ・チャートで最高33位をマークし、iTunesポップ・チャートでは初のNo.1を獲得した。同曲は、ドクター・ドレーの復帰作『コンプトン』(2016年)の参加で注目を集めた女性シンガーソングライター=キャンディス・ピレイが手掛けたトロピカル・ポップ・チューンで、絵画から移り変わるシーンに釘付けになるミュージック・ビデオも、これまでに4,500万視聴の大ヒットを記録している。
 今年2月にリリースしたエド・シーラン&スティーブ・マック作の「トラスト・ファンド・ベイビー」は、エド本人かと錯覚するほどそっくりに写したボーカル・ワークに、思わずニヤリとしてしまう。本作には収録されていないが、リミックスやアコースティック・バージョンも完成度高い。この曲も、米ビルボード・ポップ・チャートで最高30位をマークした。アルバムの冒頭を飾る最新シングル「エイト・レターズ」は、ザ・チェインスモーカーズをお手本にした哀愁系メロウ・チューン。ボーイズグループの楽曲としては珍しいタイプで、名前を伏せればこんな若い子たちが歌っているとは思えない、アダルティな一面をもつ。
 アイドルらしいスピード感のあるファンク・ポップ「トーク」、ヒップホップの要素を取り入れた「チューズ」、6/8拍子のダークなミディアム「イン・トゥー・ディープ」、ラテンのリズムを起用したカリビアン風味の「フレンズ」、5人のハーモニーが見事に重なり合ったメロウ・チューン「ハード」、途中ラップのようなフレーズも登場する、トゥエンティ・ワン・パイロッツ路線のオルタナ・ホップ「フックド」、エコーをきかせたフックが独特の世界観を表現するオルタナティブR&B「フォーリング」と、楽曲それぞれのバラエティにも豊んでいる。この若さで、どの曲もそれらしく表現してしまうから凄い。
 昨2017年は、人気テレビ番組出演したり、マディソン・スクエア・ガーデンでパフォーマンスを披露するなど、大注目を集めたホワイ・ドント・ウィー。インスタグラムのフォロワーは250万を突破し、スポティファイの再生回数も3000万視聴を突破。米ビルボードの新人アーティスト・チャート“Emerging Artist Chart”で1位を獲得するなど、これからの活躍が期待されている。ワン・ダイレクションが活動休止する中、彼らのポジションを狙える実力も持ち合わせているのは彼らだけ、かもしれない(?)。
 今年の8月18日・19日に開催された【SUMMER SONIC 2018】では初の来日を果たし、ファンを熱狂させた。

Text: 本家 一成

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