藤倉大がアーティスティック・ディレクターを務める【ボンクリ・フェス2018】今年も開催
藤倉大がアーティスティック・ディレクターを務める【ボンクリ・フェス2018】今年も開催

 藤倉大をアーティスティック・ディレクターに迎えた音楽フェスティバル【“Born Creative” Festival
2018】(略称:ボンクリ・フェス2018)が、昨年のゴールデンウィークに続き、今年はシルバーウィークの最終日、9月24日(月・祝)に開催する。

 東京芸術劇場が昨年度(2017年度)新たな企画として開催した本フェスティバルは、“今の時代の音楽をより多くの人々に楽しんでいただきたい”という思いから始まった。世界的に活躍する作曲家である藤倉大が、その融通無碍な感性で選んだ“世界中の新しい音”を、赤ちゃんからシニアまであらゆる人々に楽しんでもらおうとする企画だ。

 丸1日、東京芸術劇場館内に“新しい音楽”が満ち溢れた昨年は、フェスティバル全体で約3000名が来場し、複数のメディアで大きく取り上げられた。昨年の好評に応え、2回目となる今年は、さらなる“新しい音”を用意しているとのこと。

 【ボンクリ・フェス】の日中に行われる【ワークショップ・コンサート】には、『合唱の部屋』『パーカッションの部屋』『ノルウェーの部屋』など多種多彩なプログラムが並び、すべて0才より入場できる。できるだけ多くの人に“新しい音楽”に触れてもらおうと、チケット価格を抑え、夜の【スペシャル・コンサート】はS席でも
3,000 円とした。このチケットがあれば昼間のワークショップ・コンサートも無料で楽しむことができる(各定員あり、現在事前申込受付中)。チケットが無くても楽しめる【アトリウム・コンサート】もあり、朝から夜まで一日中、東京芸術劇場の中で過ごすことができる。

 夜の【スペシャル・コンサート】には、脳内を刺激する“ボンクリ”音楽が集結。その中でも特に見逃せないのが、実験音楽を代表する音楽家アルヴィン・ルシエによる「Sizzles」だ。これは、楽譜に「オルガンの低音が響くにつれて、ドラムの
皮が共鳴して振動し、ドラムは響き、物質は動く」とだけ記された曲。果たしてどのような音が聴こえてくるのか楽しみだ。

 また、坂本龍一の合唱曲「Cantus Omnibus Unus」のライブ・リミックスにも注目だ。この美しい合唱曲を東京混声合唱団が歌った直後に、その音源をその場でリミックスする即興演奏となっている。リミキサーは、2005年からノルウェーで“ライブ・リミックス”をコンセプトのひとつとする即興音楽祭【プンクト・フェスティバル】を開催している音楽家、ヤン・バングとエリック・オノレに、藤倉大が加わる。また、ギターのアイヴィン・オールセットとトランペットのニルス・ペッター・モルヴェルが即興で参加。世界で最も先鋭的・画期的な音楽祭を東京で味わえる、貴重な機会となるはずだ。

◎藤倉大コメント(作曲家/ボンクリ・フェス 2018 アーティスティック・ディレクター)
“ボンクリ”とは“ボーン・クリエイティヴ”、“人間は皆、生まれつきクリエイティヴだ”という意味。数年前から僕がやっている福島県相馬市での作曲教室では、プロの演奏家たちが特殊技法等をみっちり紹介したあと、その場で子供達が“新しい音楽”(現代音楽と呼ぶ人も多いかも知れない)の作曲をする。しかもすべての音や指示を楽譜にきちんと記し、自分の作曲した作品をその場で演奏してもらう。この作曲教室を何年か継続してみてわかったことは、全ての人間は子供の頃、「新しい音」、5歳の子供の言葉を借りると“変な音”が好きだったということだ。でもなぜか、そのクリエイティヴィティは成長するにつれ、失われていく。
この【ボンクリ・フェス】は、大人になっても 5歳の子供のままクリエイティヴでいる人達の作品を、赤ちゃんからシニアまでが楽しめる1日音楽祭。去年一体どうなるのかなと思いつつ開催したところ、企画した僕たちもびっくりするくらいの大反響で、2回目もやるしかないでしょう!ということで、今年もまたやります!
朝から晩まで、「ボンクリに関わりたい!」という色々なジャンルの音楽家によるイベントを東京芸術劇場内に散りばめました。演奏家と共に参加し、一緒に音楽を作るワークショップもあり、即興音楽もあり、日本の伝統音楽である尺八も、合唱も、ブラジルの音楽も、エレクトロニクス(電子音楽)も、現代音楽アンサンブル作品もあり、日本の演奏家はもちろん、ヨーロッパ、アメリカからも多彩なジャンルの音楽家が集まります。丸一日、東京芸術劇場館内に“新しい音楽”が満ち溢れます。
9月24日は是非芸劇へ!

◎イベント情報
【“Born Creative” Festival 2018】
2018年9月24日(月・祝)
東京芸術劇場