ドイツの巨大フェスで1万人を魅了、日本人女性メタルバンドLOVEBITESが初の快挙
ドイツの巨大フェスで1万人を魅了、日本人女性メタルバンドLOVEBITESが初の快挙

世界最大級のメタル・フェスティヴァル【ヴァッケン・オープン・エア】が8月2日から4日にドイツで行われ、4日、女性5人組メタル・バンドのLOVEBITESが出演した。今年で29回目を迎える同巨大フェスに、日本人女性だけで構成されたヘヴィ・メタル・バンドが出演するのは初となった。

 LOVEBITESが出演したのは正午前という早い時間であったものの、1万人以上もの人数を収容できるW.E.T.ステージはほぼ満員状態。「黒い衣装が当たり前のヘヴィ・メタルにおいて、白の衣装を着た日本人女性たちがメタルをプレイしているという、他と全く違うアイデンティティにメタル・ファンが注目しているのだろう」と、現地スタッフは分析する。

 オープニングSE「ジ・アウェイクニング」に乗り、haruna(ドラムス)、midori(ギター)、miho(ベース)、miyako(ギター)がステージに登場すると、スラッシュ・メタルの要素を多分に持つファストチューン「ザ・ハマー・オブ・ラス」で幕開け。イントロで登場したヴォーカルのasamiが「グーテン・モルゲン(おはようございます)、ヴァッケン!」と叫ぶと、オーディエンスとの距離は一気に縮まった。

 「We are Lovebites and we play heavy metal!!」という口上に続き、「ザ・クルセイド」~「ドント・バイト・ザ・ダスト」と間髪入れずに披露。シングル曲の連発に、世界中から集まったオーディエンスはさらにヴォルテージを上げた。

 「(英語で)楽しんでますか? これが私たちの最初のドイツでのショウ。この場に立てて本当に幸せです! 新しいEP『バトル・アゲンスト・ダムネイション』が6月にリリースされました。手に入れてくれましたか? その作品からプレイしたいと思います。準備はいいですか!?」とasamiによるMC中に、会場からはLOVEBITESコールが起こる。欧州でも確実にファンベースを築いている証だ。

 そのMCでの紹介どおり、目下の最新作より「アバヴ・ザ・ブラック・シー」を披露。冒頭のmiyakoの泣きのギターフレーズが印象的な曲だが、サビ部分で多くのオーディエンスが拳を高く突き上げたシーンは圧巻であった。

 ラストは、彼女たち唯一のフル・アルバム『アウェイクニング・フロム・アビス』からのリード曲「シャドウメイカー」だ。中間部のmiyakoとmidoriのツイン・リードは、この日のハイライトのひとつとなっただろう。モッシュピットも起きるなど、彼女たちの音楽は海外のメタル・ファンにも受け入れられたようだ。