THE ORAL CIGARETTES/go!go!vanillas/Northern19ら、初の海外開催【RUSH BALL in台湾 20th ANNIVERSARY】をレポート(前編) 〈Billboard JAPAN〉|AERA dot. (アエラドット)

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THE ORAL CIGARETTES/go!go!vanillas/Northern19ら、初の海外開催【RUSH BALL in台湾 20th ANNIVERSARY】をレポート(前編)

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THE ORAL CIGARETTES/go!go!vanillas/Northern19ら、初の海外開催【RUSH BALL in台湾 20th ANNIVERSARY】をレポート(前編)

THE ORAL CIGARETTES/go!go!vanillas/Northern19ら、初の海外開催【RUSH BALL in台湾 20th ANNIVERSARY】をレポート(前編)


 6月30日、台湾・台北にて関西を代表するロックイベント【RUSH BALL】の台湾版【RUSH BALL in台湾 20th ANNIVERSARY】が開催された。本稿では、THE ORAL CIGARETTES、go!go!vanillas、Northern19が熱いアクトを展開した前半の模様をお届けする。(→後編はこちら)
イベント写真(全19枚)

 なぜ日本の、しかも関西のロックイベントが海を越え、台湾という異国の地でイベントを行うのか…。本イベントの開催に懸ける思いは公式サイトにも記されているが、今年で20回目を迎える【RUSH BALL】には開催地である大阪・泉大津が関西国際空港に近いことから、これまでに台湾をはじめとする外国からも“日本のロック”好きが多く来場していたという。そして20回という大きな節目を迎える今年、新たな挑戦として海外へ目を向けたのが今回の台湾での公演だという。記者はこれまでに【RUSH BALL】に何度となく足を運んでいたが、正直に言うと会場に海外からのロックファンが訪れていることを知らなかった。その理由はいたってシンプルで、観客はみなステージに向かって必死になって大好きなアーティストたちのステージに魅入っているから。「音楽に壁はない」、なんて言うけれど、この日の台湾でのイベントはまさにその言葉をまんま体現したステージが繰り広げられていた。

 会場となる台湾大学はメインステーションとなる台北駅からのアクセスも良い場所にある、創立90年以上の歴史を持つ国立大学だ。3万人を越える学生が通い、敷地内にはいくつもの学部棟が立ち並ぶ。そのあまりの広さに、観光ガイドブックには“自転車でツーリングするのもオススメ”なんて書かれるくらい、地元市民にも馴染みのある場所だという。そして、ライブ会場となる体育館に足を運ぶと、その規模の大きさに驚かされた。5階建て、地下にはプールや巨大フィットネスジム、卓球場などが併設されており、メインとなる2つのフロアではこれまでにコブクロや西野カナ、FTISLANDなど国内外の有名アーティストが公演を行っているという。実際に会場に入ると、目の前に広がるステージは日本のロックフェスと変わらないものだった。関西の人なら、「インテックス大阪」をイメージしてもらえると分かりやすいのかもしれない。“体育館”という言葉からどんなステージになるのだろうと思っていたが、想像以上のものに驚いてしまった。しかも台湾は熱帯、亜熱帯の国。広い体育館フロアにもばっちりと冷房が完備され、居心地の良さったら日本以上だ♪ 会場外には日本のロックイベントさながらにフードブースも展開。“日式”と書かれた日本のおにぎりを販売するブースなど、会場の雰囲気は日本とさして変わらないものがあった。

 そして始まったイベント、まずはFM802のDJ大抜卓人が登場し現地の言葉でオーディエンスを煽り、出演者の名前をそれぞれに読み上げる。その都度、会場からは大きな歓声が沸き上がり、出演者それぞれへの期待値の高さが窺える。

 待ちに待ったトップバッター、THE ORAL CIGARETTESがお馴染みのSEをバックに登場し、「起死回生STORY」からがっちりとフロアを揺さぶっていく。真っ赤な照明を背負い、良い意味で“いつもと変わらぬ”ステージを見せてくれる彼ら。オーラルのステージの良さのひとつに“楽曲に込めた言葉、オーディエンスに投げかける言葉”がある。それが異国の地でどう伝わるのか、それが気になってしょうがなかった。鳴り響く音楽がかっこいいか否かはすぐにわかるが、そこに込められた想いはやはり言葉の意味が分かっていなければ魅力は半減してしまうのでは…、そう思っていたが次曲「5150」でその心配は無用のものだとすぐにわかった。オーディエンスはメンバーと共にシンガロングし、拳を突き上げ、ここぞと言う時にがっつりと盛り上がりを見せる。観客の好反応はメンバーにもしっかりと伝わっているようで、MCでは現地の言葉で挨拶しつつ、「日本と台湾、伝えることは一緒。一生懸命歌っていきます」と、3.11での被災した地を、愛する地を想って作られた「ReI」を届ける。その後も「カンタンナコト」「容姿端麗な嘘」など、新旧織り交ぜた楽曲でフロアを沸かす。楽曲タイトルを言わずとも、音が鳴った瞬間に観客が反応し、拳を突き上げる姿に“共鳴している”ことへの嬉しさが沸き起こる。「我々がジャパニーズロックバンド、THE ORAL CIGARETTES!」と声高らかに宣言し、「トナリアウ」「BLACK MEMORY」など全8曲を歌い上げ、豪快にイベントの幕を切り開いてくれた。

 続いてはこの日が初の海外ライブとなるgo!go!vanillas。サウンドチェックの段階ですでにフロアからは大きな歓声が沸き立ち、「オレたちとロックンロールパーティをやろうぜ!」と「マジック」からご機嫌なナンバーで観客を踊らせる。最初のほうこそ探り探りな雰囲気を見せていたオーディエンスたちも「SUMMER BREEZE」では、大きな歓声でメンバーの音に応える。「やっと来れた! ジャパニーズロックでハッピーに!」と現地の言葉を織り交ぜながら挨拶の言葉を交わすと「おはようカルチャー」へ。メンバーのコーラスワークや“Oh!”のシンプルな掛け声はどこの国でも共通でテンションを上げてくれるようで、フロアを鼓舞させるカントリー調のサウンドが聴く者の体を無条件に踊らせる。「デッドマンズチェイス」ではメンバーと一緒にカウントアップしたかと思えば、メンバー全員がボーカルを取るスタイルと同じように友達同士で順繰りに踊る姿に、観ているこちらが思わずニヤリとしてしまう。攻撃的なロックナンバー「カウンターアクション」では純粋に音で勝負をかけると、「ありったけのハイテンションを見せて!」と、ラスト「平成ペイン」へ。痛快なロックサウンドでステージを盛りたてていると、日本からのファンなのかMVと同じように踊る人の姿が! その姿に惹かれ、見よう見まねで一緒に踊る人も♪ メンバーがステージを去ると、互いにハイタッチをする姿に思わずこちらまで興奮させられてしまった。

 残念ながら、メンバーの体調不良によって笠原健太郎(Vo/Gt)ひとりでのアコースティックスタイルでのライブとなったのがNorthern19だ。サウンドチェックではビートルズやTHE YELLOW MONKEYを歌い場を和ますと、現地の言葉で挨拶を交わす。「3人でまた、バンドで台湾に戻ってきます。魂込めて歌わせてもらいます」と次への約束を交わし、大きく頭を下げる笠原。そして英詞での「STAY YOUTH FOREVER」をアコギ1本で、時折悔しそうに顔をくしゃくしゃにしながらも、ゆったりと力強い歌声で歌いあげる。ぜひともこの楽曲の日本詞を調べてほしい。彼が交わした「また戻ってきます」という約束が必ず果たされるのだろうと信じたくなるこの選曲。たった1曲とはいえ、ステージからは大きな拍手が送られた。

 イベントも折り返し地点へ。FM802のDJ土井コマキ、加藤真樹子が登場し「最後まで楽しんで!」と観客らに言葉を投げかけると、会場横のモニターにはこれまでの「RUSH BALL」の映像が流れる。好きなアーティストの映像が流れると、ワッ!と歓声が起き、体を揺らし音を楽しむ観客たち。この日会場には1000人を越える観客が集まったというが、主催者であるGREENSのスタッフに聞けば、この日の来場者の割合は台湾人が9割、日本人が1割だという。我々は同じアジア人、顔を見れば分かる人もいればそうでない人もいる。日本のフェスでよく見かける“バンドキッズ”な服装をした人もいれば、普段着のままや、思いっきりオシャレをした人もいる。日本のロックバンドのTシャツを着た観客に声をかけてみると台湾人で、根っからの邦楽ロックファンだという。この日会場で見かけたバンドTシャツはSiM、10-FEET(京都大作戦Tシャツも)、キュウソネコカミなど、「RUSH BALL」でお馴染みのバンドTシャツを着た人を多く見かけた。なかには日本人もいたが、そのほとんどが台湾の人たちだ。残念ながら現地の言葉がわからず、拙い英語で話しかけてみると、「東京にも大阪にも行った。台湾と日本のロックは違うけど、最高にクールだ」と応えてくれた。

 実は記者はこの日のライブ以外にも、台北や台南、嘉義にも足を運んでいた。地元のライブハウスにも遊びに行き、現地の人たちに話を聞くと「RUSH BALL」が開催されることを知っていたし、日本のバンドでアレが好き、コレが好きと驚くほどいろんなバンドを知っていた。台北市内の大手CDショップに行くと、もちろん日本人アーティストのコーナーもあるが、その中のセレクトにも驚いた。シャムキャッツやLUCKY TAPES、原田茶飯事のテープが棚のメインに大きな幅を効かせていたのだ。店員に聞くと「マイフェイバリット!」と満面の笑みで答えてくれた。そして、「RUSH BALL」の台湾での公演日には嘉義という街で「WAKE UP FESTIVAL」という大型野外フェスが開催され、日本からもグッドモーニングアメリカやKING BROTHERS、sohaに愛はズボーン、裸絵札など多くのアーティストが出演していた。現地の若者からは「もっと日本のバンドに台湾に来てほしい。台湾と日本は近いだろ?」と、もっと音楽の交流を求める願いを聞くこともできた。

Photo by 橋本塁
Text by 黒田奈保子



◎イベント情報 
【RUSH BALL in 台湾 20th ANNIVERSARY】終了
2018年6月30日(土)台湾・台湾大学体育館
主催 企画制作: GREENS 
公式ホームページ=http://www.rushball.com/taiwan/

出演:THE ORAL CIGARETTES / go!go!vanillas / BRAHMAN / ストレイテナー/ BIGMAMA / Dragon Ash

【RUSH BALL 2018 20th ANNIVERSARY】
2018年8月25日(土)、8月26日(日)、9月1日(土)
会場:泉大津フェニックス
時間:各日共、開場9:30 / 開演11:00

RUSH BALL 2018 公式HP= http://www.rushball.com


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