BEGIN、梅雨明けの沖縄で【うたの日コンサート】来場者約7000人&出演者450人で大団円
BEGIN、梅雨明けの沖縄で【うたの日コンサート】来場者約7000人&出演者450人で大団円

 BEGINが2018年6月24日に沖縄・嘉手納町兼久海浜公園にて開催した【うたの日コンサート】のオフィシャル・ライブレポートが到着した。

 オープニングMCで二人にステージに呼ばれたBEGINは、「皆さん! うたの日、おめでとうございます!」と客席へ呼びかける。もはや何回、と数えることも意味がないのでは?と言いながらも20回が近づく中、お盆やお正月みたいに“今年も当たり前のようにやってくるもの”というメンバーがその思いを語る。続いて、嘉手納町長の當山町長より挨拶があり、他では例を見ない町長による「ファムレウタ」のパフォーマンスで開演の火ぶたが切られた。

 最初に登場したのは、地元沖縄を拠点に在住・活動する平均年齢19.75歳のバンド、ヤングオオハラ。活動2年目のバンドらしく”こんな大きいフェスみたいなの初めて、人いっぱい、緊張するね”と初々しさをのぞかせながら、エモーショナルな「HANBUN」、爽快なサマーチューン「サマタイ」で次へ繋ぐ。

 こちらも沖縄を中心に活動中NAGAHIDE他、各々ソロで活動する5vocal+1DJによる(この日特別結成の)RAPユニット、 Asian Turtlesが登場。その見事にシンクロした独特のライムに、新たに沖縄の地から発信される次世代の担い手として確かな痕跡を残した。

 この日人生初の沖縄上陸というデビュー3年目の演歌歌手・三丘翔太は、独特の蝶ネクタイ姿でBEGINをバックバンドに従える形で歌唱。師であり若手演歌歌手のヒット曲を数多く手がける水森英夫氏の詞・曲描き下ろしの新曲「面影今いずこ」、自身が得意とする昭和カヴァーより同レーベルの大先輩である田端義夫の「かえり船」を披露した。

 ここでBEGINが、創作太鼓集団・琉球祭り太鼓と、エイサーステージとして「海の声」「三線の花」「島人ぬ宝」で共演。約70メートルはあるステージに約100名が並ぶ姿は壮観で圧巻、会場がカシャーシーで舞い、指笛が響き温度も気温以上に。ひとしきり盛り上がりを見せたところで、今年リリース10年を迎えた「笑顔のまんま」を課題曲としたカラオケオーディションのチャンピオン・福水花菜子さんを迎え、このパートを締めくくる。

 中盤では、BEGINがうたの日と共に活動の一つとして行っている「ブタの音がえし(募金)」を振り返る場面が。今から70年前、戦後、沖縄の食文化のひとつであるブタが劇的に減ってしまった沖縄に、ハワイに住む日系移民が沖縄にブタを贈った、という歴史を貴重な写真と共にエピソードを添えるメンバー。当時ハワイのウチナーンチュが、“故郷、沖縄に豚を送りましょう”と歌詞をつけラジオで毎日呼びかけた「めぐみのうた」でハワイアン・ステージのパートへ。沖縄でもその人口も多いといわれるハワイアン、フラのダンサーズが華やかに舞台上を彩り、夕暮れ迫る海辺の会場に吹き始める海風と溶け合う。この日の為に比嘉栄昇が書き下ろした新曲「私が好きな星」も披露され、ブタの鳴き声も大切にいただくという気持ちを込めた「ウルマメロディー」で締めた。

 嘉手納町連合青年会・千原郷友会のパフォーマンをはさみ、この日最後のゲストアーティストは今年20周年のKiroro。代表曲のひとつ「Best Friend」からスタート、大きく左右に両手を降り一緒に口ずさむ観客の姿が印象的で、会場も少しクールダウン。新曲「ラララ」でも初めてとは思えないシンガロングが広がる。「こうやって歌えるって幸せですよね?」と自然に話すメンバーの言葉には、まさに“うたの日”にふさわしい、歌や音楽への感謝や愛情を感じとれ、最後の「未来へ」はいつしか、うたが人生の一部になっている彼女たちが、集まった観客へも共に進んでいきましょう、とメッセージにも聞こえた。加えてここで予定外のアンコール、「長い間」で再びの大合唱となった。

 コンサートはいよいよ終盤、この日のメインパートとなるBEGINの“マルシャショーラ”へ突入。今年はマルシャのルーツであるブラジルへの日本移民110周年という事で、今年の最大の見せ場となった。マルシャのリズムにあわせたその場の足踏みが数千歩の運動に匹敵する、いう健康の側面もフィーチャーされているこのマルシャ。1Rとした前半戦は「バルーン」「イチャリバオハナ」や、本日の出演アーティスト他を多数ゲストボーカルを迎えた「YOUNG MAN」、続いて島袋優が「ジュリアに傷心」、上地等が「銀河鉄道999」をそれぞれボーカルを務める形で、オリジナル曲や往年のJPOPヒッツを交えた約30分のメドレーは前半出演者全員による「勝手にシンドバッド」で一旦ブレイクタイム。

 休憩をはさみ、前述の「ブタの音がえし」パートであるようにハワイからブタが贈られて70年にちなみ、この日来場者により手作りされた70個の“ブタ提灯”に点灯がされると2R=後半戦がスタート。選曲はさらに昔のヒット歌謡「上を向いて歩こう」「星空に両手を」「また逢う日まで」「月がとっても青いから」とスタンダードナンバーが続く。三丘翔太と司会のきゃんひとみによる「いつでも夢を」、Kiroroによる「恋のバカンス」と予想外のカヴァーに会場は沸いた。ここでブラジル移民を乗せたという笠戸丸のセットがステージ上で就航、「国道508号線」「オジー自慢のオリオンビール」とおなじみの楽曲が飛び出し、今年元旦にリリースされた沖縄限定シングル「ソウセイ」では同作品に参加した高宮城実人も登場して場面は佳境に。

 本編を締めくくりでは、改めて今年誕生10周年を迎えた「笑顔のまんま」を、マルシャショーラバーションにて、今年の出演者全員でパフォーマンス。今年の来場者約7000人、出演者は450人が一体となったところで打ち上げ花火も打ち上げられ、一足早いうた開き・夏開きは今年も大団円のうちにファイナルを迎えた。

◎リリース情報
配信限「笑顔のまんま(マルシャ ショーラ・フル・バージョン)」
2018/06/20 RELEASE