『エクスペクテーションズ』ビービー・レクサ(Album Review) 〈Billboard JAPAN〉|AERA dot. (アエラドット)

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『エクスペクテーションズ』ビービー・レクサ(Album Review)

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『エクスペクテーションズ』ビービー・レクサ(Album Review)

『エクスペクテーションズ』ビービー・レクサ(Album Review)


 全米ビルボード・ソング・チャート(HOT100)で最高2位、そしてカントリー・ソング・チャートでは29週目(2018年6月22日現在)のNo,1をマークしている「メント・トゥ・ビー」で大ブレイク中のビービー・レクサが、同曲含むデビュー・アルバム『エクスペクテーションズ( Expectations )』を6月22日にリリースした。これまで3枚のEP盤を発表してきたが、スタジオ・アルバムとしては本作が初となる。

 その「メント・トゥ・ビー」でデュエットしたカントリー・デュオ=フロリダ・ジョージア・ラインの他には、ミーゴスのクエヴォや、ラッパー/R&Bシンガーのトリー・レーンズ、日本でも人気のエレクトロ・デュオ=ザ・チェインスモーカーズ等がゲストとして参加。制作陣には、キャリー・アンダーウッドなどカントリー系アーティストを多く手掛けるデイビット・ガーシアや、ウォーク・ザ・ムーンの「シャット・アップ・アンド・ダンス」 (2014年)を大ヒットさせたL.Aのプロダクション・チーム=キャプテン・カッツ、ポスト・マローンやカーディ・Bといったラッパーのヒット作に参加したルイス・ベルなど、バラエティに富んだ面々が名前を連ねている。

 クレジットされたミュージシャンからも、本作はジャンルをクロスオーバーした意欲作であることがわかる。たとえば、アルバム1曲目の「フェラーリ」なんかはスタンダードなアメリカン・ロックで、メレディス・ブルックスの「ビッチ」(1997年)をサンプリングした、ジャスティン・トランター作の「アイム・ア・メス」はエキゾチックな雰囲気のエレクトロ・ポップ、クエヴォと絡み合う「ソウルズ・オン・ファイア」は彼の代名詞であるトラップだし、ラテン風味のミディアム「シャイニング・スター」もあったりと、冒頭4曲から良い意味で統一感がない。ただ、サウンドは統一されていないくても、ビービー・レクサの誰にも真似できないボーカル・ワークが、それらを一つの作品としてまとめている。

 不気味な電子音が響くヒップホップ~トラップの「マイン」や、さらに重く黒いトリー・レーンズとのデュエット曲 「ステディ」、スコット・ハリス&エミリー・ウォーレンのタッグによる「ドント・ゲット・エニイ・クローサー」など、ブラック・ミュージック寄りのナンバーもあれば、シャキーラをお手本にしたようなラテン・ポップ「セルフ・コントロール」や、美しいピアノ・バラード「グレース」、2014年のシングル「アイ・キャント・ストップ・ドリンキング・アバウト・ユー」などを手掛けた、フロリダのプロダクション・チーム=ザ・モンスターズ・アンド・ストレンジャーズによる哀愁系エレクトロ 「サッド」など、聴きやすい曲も所々に配置されていて、バランスも絶妙。 ブルーノ・マーズやK-POPのSHINeeなどを手掛けるプロデューサー・チーム=ザ・ステレオタイプスがプロデュースした「ピロー」も傑作。

 その「アイ・キャント・ストップ・ドリンキング・アバウト・ユー」は、前述のザ・チェインスモーカーズによるリミックスとして、本作に収録されている。なお、2016年10月にリリースした、アルバムからの1stシングル「アイ・ガット・ユー」は6曲目に収録されたが、LGBTからバッシングを受けたリタ・オラ、カーディ・B、チャーリーXCXとのコラボ曲「ガールズ」は、収録を見送られた。

 シングル曲では、「メント・トゥ・ビー」意外にも、デヴィット・ゲッタの「ヘイ・ママ」(2015年8位)や、G・イージーとコラボした「ミー・マイセルフ&アイ」(2015年7位)など計3曲が全米TOP10入りしているが、3枚のEP盤はいずれもランクインしていない。全米アルバム・チャートで初のTOP10入りが期待されている本作、ヨーロッパやアジア圏でもヒットが期待できそう。

Text:本家一成

◎リリース情報
『エクスペクテーションズ』
ビービー・レクサ
2018/06/22 RELEASE


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