DMX、脱税の罪で1年の実刑判決
DMX、脱税の罪で1年の実刑判決

 2018年3月28日、ラッパーのDMXことアール・シモンズが脱税の罪に問われていた裁判で、懲役1年の実刑判決が言い渡された。

 連邦地裁判事のジェド・ラコフ(Jed Rakoff)は判決を言い渡す前にDMXのリクエストに応じ、彼のヒット曲「Slippin’」を法廷で流した。ビートに合わせてわずかに頭を上下に揺らしていたDMXだったが、弁護士のマレー・リッチマン(Murray Richman)がDMXの悪夢のような生い立ちを語っている間はむせび泣いていた。

 DMXは1月に保釈が取り消され、収監されていた。検察側は彼の度重なる逮捕歴や薬物濫用を理由に5年の懲役を求刑していたが、DMX側のリッチマン弁護士は、彼が模範囚であることや、滞納している200万ドル(約2億円)以上の税金の支払いと15人いる子どもたちの養育という観点からも執行猶予付きの判決を求めていた。

 発言の機会を与えられたDMXは、税金は支払わなければならないものであり、自分がしたことは間違っていたと認め、「自分はルールを守っていなかった。現実が見えていなかった」と語った。

 ラコフ判事は、DMXは「いい人なのだろう」としつつも、「色々な意味で彼自身が彼の最大の敵だ」と発言し、実刑を言い渡した。