【深ヨミ】米津玄師『Lemon』ヒットの要因を歴代セールスから読み解く
【深ヨミ】米津玄師『Lemon』ヒットの要因を歴代セールスから読み解く

 2018年3月26日付Billboard JAPAN週間シングル・セールス・チャート“Top Singles Sales”で、米津玄師の『Lemon』が205,381枚を売り上げ、2位を獲得した。

 表題曲は、ドラマ『アンナチュラル』のために書き下ろされた楽曲で、ドラマの内容とリンクした歌詞や、劇中での使用タイミングが「ばっちりすぎる」と話題になった一曲。ダウンロードにて先行配信された本楽曲は、Billboard JAPANダウンロード・ソング・チャート“Download Songs”で、5週連続首位をキープ。そんな中、満を持して発売されたCDシングルも、初週売上20万枚超える快挙を成し遂げた。

 今回は、SoundScanJapanより、米津玄師の歴代シングル初週売上を抽出。これまでの売上動向を振り返りつつ、今作『Lemon』のヒットの要因を調査した。

<米津玄師 歴代シングル初週売上>
1stSingle『サンタマリア』
2013/5/29 RELEASE
8,473枚

2ndSingle『MAD HEAD LOVE / ポッピンアパシー』
2013/10/23 RELEASE
6,159枚

3rdSingle『Flowerwall』
2015/1/14 RELEASE
16,743枚

4thSingle『アンビリーバーズ』
2015/9/2 RELEASE
27,527枚

5thSingle『LOSER/ナンバーナイン』
2016/9/28 RELEASE
48,578枚

6thSingle『orion』
2017/2/15 RELEASE
40,525枚

7thSingle『ピースサイン』
2017/6/21 RELEASE
60,810枚

8thSingle『Lemon』
2018/3/14 RELEASE
205,381枚

 まず、2014年4月に発売された2ndアルバム『YANKEE』に収録されている「アイネクライネ」が、東京メトロのCMソングに抜擢。同アルバムは、第7回CDショップ大賞にノミネートされ、早耳リスナーの間で話題となった。その後発売された『Flowerwall』『アンビリーバーズ』にもCMタイアップがつき、セールスは右肩上がり。また、スピッツやRADWIMPSなど大物バンドとの対バン、全国ツアーの実施などライブ活動が活発になったことで、ファン層が拡大していったことが考えられる。

 昨年2017年には、DAOKOとの「打上花火」、菅田将暉との「灰色と青」など、コラボレーション曲が軒並み総合ソングチャート“JAPAN HOT100”上位にチャートイン。さらに、11月に発売された4thアルバム『BOOTLEG』の総売上枚数は33万枚を超え、今もなおトップ10にチャートインする強さを見せている。そして、初のドラマタイアップとなった今作『Lemon』で、お茶の間の知名度は一気に拡大。これまでの活動と、ドラマのヒットが相まって、今回のセールスに繋がったと推測できる。

 ダウンロードやソングチャートのみならず、セールスでも存在感を放つ米津玄師。10月には幕張メッセでのワンマンライブも決定しており、昨年に引き続き、2018年も今の音楽シーンを代表するアーティストとなることは間違いないだろう。