【米ビルボード・アルバム・チャート】『ブラックパンサー:ザ・アルバム』3週目の首位、トリー・レーンズ3位初登場
【米ビルボード・アルバム・チャート】『ブラックパンサー:ザ・アルバム』3週目の首位、トリー・レーンズ3位初登場

 『ブラックパンサー:ザ・アルバム』が返り咲きの首位獲得を果たした、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。

 先週、2016年11月に発売されたボン・ジョヴィの14thアルバム『ディス・ハウス・イズ・ノット・フォー・セール』が、およそ2年振りのNo.1獲得を果たし、『ブラックパンサー:ザ・アルバム』は前週の1位から2位にダウンしたが、安定したユニット数をキープして今週返り咲き、通算3週目の首位獲得を果たした。『ディス・ハウス・イズ・ノット・フォー・セール』は、ライブチケットの売上がアルバムのセールス・ポイントに加算された為、先週返り咲きの首位獲得となったが、それをアルバムの売上としてみなしていいものか、という疑問の声もあがっている。

 本作『ブラックパンサー:ザ・アルバム』からは、劇中使用曲の「オール・ザ・スターズ」(ケンドリック・ラマー&シザ)と、「プレイ・フォー・ミー」(ケンドリック・ラマー&ザ・ウィークエンド)の2曲がTOP10入りし、「キングズ・デッド」(ジェイ・ロック、ケンドリック・ラマー、フューチャー、ジェイムス・ブレイク)も映画とアルバムのヒットを受け、チャートを上昇中。映画の話題性のみならず、シングル曲のヒットがアルバムの売上、視聴回数に繋がった。今週獲得したユニット数は76,000だが、そのうちアルバムの純粋な売上は15,000枚で、ストリーミングが強いことがわかる。

 さらに、先週の5位から2位には、『グレイテスト・ショーマン』のサウンドトラックが再浮上し、サントラ盤がワンツーフィニッシュを達成した。サウンドトラックが1位、2位を独占したのは、2010年6月26日付で『グリー』と『トワイライト・サーガ』が獲得して以来、およそ8年振りの快挙。1963年の集計からは13回目で、ドラマ等の作品を除く劇場の映画作品としては、1998年の『アルマゲドン』と『シティ・オブ・エンジェル』以来、20年振りとなる。

 『グレイテスト・ショーマン』は全米(Billboard200)で1月に2週連続の1位、全英(イギリス)チャートでは、9週間のNo.1を死守している。今週は60,000ユニットを獲得しているが、売上を伸ばした理由として、3月4日に開催された【第90回アカデミー賞】でのパフォーマンス効果と、LP盤が発売されたことで、その売上枚数が反映した(5,000枚)ことなどが挙げられる。

 今週3位に初登場したのは、トリー・レーンズの新作『メモリーズ・ドント・ダイ』。「セイ・イット」や「Luv」などのヒット曲を輩出したデビュー作『アイ・トールド・ユー』(2016年)から1年半振り、通算2作目のスタジオ・アルバムで、その前作で獲得した4位を上回る、自己最高位を更新した。イギリス(8位)やオランダ(7位)でも自身初のTOP10入りしている。今週獲得した54,000ユニットの内、15,000枚がアルバムの売上で、2/3程度はストリーミングによるポイントだった。シングル・ヒットがないため、次週はTOP10圏外にランクダウンする可能性が高い。

 人気曲(シングル・ヒット)のあるアルバムは依然として強く、2曲がTOP10入りしたミーゴスの『カルチャーII』が4位、2曲がNo.1獲得を果たしたエド・シーランの『÷(ディバイド)』が5位、「アイ・フォール・アパート」がロングヒット中のポスト・マローン『ストーニー』が6位、「ビリーヴァ―」と「サンダー」の2大ヒットをもつイマジン・ドラゴンズの『エヴォルヴ』が7位、「ハヴァナ」に続くシングル「ネバー・ビー・ザ・セイム」がヒットしている、カミラ・カベロの『カミラ』が8位に続いている。

Text:本家一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートの掲載は、3月14日22時以降予定となります。

◎【Billboard 200】トップ10
1位『ブラック・パンサー:ザ・アルバム』VA
2位『グレイテスト・ショーマン』サウンドトラック
3位『メモリーズ・ドント・ダイ』トリー・レーンズ
4位『カルチャーII』ミーゴス
5位『÷(ディバイド)』エド・シーラン
6位『ストーニー』ポスト・マローン
7位『エヴォルヴ』イマジン・ドラゴンズ
8位『カミラ』カミラ・カベロ
9位『DAMN.』ケンドリック・ラマー
10位『デイ69』6ix9ine