【米ビルボード・アルバム・チャート】『ブラックパンサー:ザ・アルバム』2週連続首位、ニップジー・ハスル4位初登場
【米ビルボード・アルバム・チャート】『ブラックパンサー:ザ・アルバム』2週連続首位、ニップジー・ハスル4位初登場

 映画『ブラックパンサー』のインスパイアード・アルバム『ブラックパンサー:ザ・アルバム』が2週目の1位に輝いた、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。

 先週、初動154,000ユニットを獲得した本作は、今週も131,000と高い数字をキープし、2週連続の全米1位を獲得した。今年に入ってからは、3位に停滞している『グレイテスト・ショーマン』も2週間No.1(1月13日~20日)をマークし、2か月という短い期間で、2作のサウンドトラックが快挙を達成した。また、どちらのアルバムも、2週目にして10万を超えるユニット数を獲得している。同年に2作以上のサントラ盤が2週目の1位を獲得するのは、『アナと雪の女王』(14週)と『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2週)を輩出した2014年以来、4年振り。

 ケンドリック・ラマーは、自身のアルバム『DAMN.』も8位にランクインしていて、今週も引き続き2作をTOP10内に送り込んでいる。『ブラックパンサー:ザ・アルバム』は、131,000ユニットのうち、およそ90,000ユニットがストリーミングによるもので、アルバムの純粋な売上枚数は4万枚程度だった。『DAMN.』も、半数以上はストリーミングによるポイントが占めている。

 こちらもストリーミングの強い、ミーゴスの新作『カルチャーII』は64,000ユニットを獲得して2位に浮上した。本作からは、カーディ・Bとニッキー・ミナージュが参加した「モータースポーツ」と、ファレルによるプロデュース作品「スティア・フライ」が、2曲連続でTOP10入りを果たしている(HOT100)。7位にダウンした、エド・シーランの『÷(ディバイド) 』(37,000ユニット)からは6週の1位をマークした「パーフェクト」が、9位にランクインしているポスト・マローンの『ストーニー』(32,000ユニット)からは「アイ・フォール・アパート」など、計3曲が上位ランクインを果たしている。ストリーミングがアルバムのポイントに加算されるようになってからは、シングルのヒットがアルバムのユニット数に大きく反映する。

 初登場1位に輝いたものの、先週の2位から今週早くも6位にランクダウンしたジャスティン・ティンバーレイクの『マン・オブ・ザ・ウッズ』は、先行シングル「フィルシー」やクリス・ステイプルトンをフィーチャーした2ndシングル「セイ・サムシング」が不調で、今週は38,000ユニットまで落ち込んでいる。また、前作、前々作がロングヒットを記録した映画『フィフティ・シェイズ・フリード』のサントラ盤も、前2作のようなシングルヒットがなく、今週は28,000ユニットと先週から52%もダウンし、10位まで急降下している。

 今週4位に初登場したのは、ニップジー・ハスルのデビュー・アルバム『ビクトリー・ラップ』。2016年の大統領選で、トランプ現大統領を批判したことで注目された32歳、米LA出身のラッパー。2005年にアーティスト活動を本格始動させ、これまでに10作以上のミックステープを発表しているが、正式なスタジオ・アルバムとしては初のリリースとなる。53,000ユニットのうち、アルバムの売上はおよそ30,000枚で、ラッパーのアルバムとしては珍しく、ストリーミングよりセールスが上回る結果に。これまでには、2015年リリースのミックステープ『メールボックス・マネー』が18位をマークしたが、TOP10入りは初の快挙。

 続いて5位には、ブランディ・カーライルの新作『バイ・ザ・ウェイ、アイ・フォーギヴ・ユー』がデビュー。本作は、前作『The Firewatcher's Daughter』(2015年)から3年振り、通算6作目のスタジオ・アルバムで、その前作で獲得した最高9位を上回る、自己最高位を更新した。本作の初動ユニットは43,000で、アルバムの売上枚数は41,000枚。ストリーミングなどによるポイントは、ほとんど無かったに等しい。ブランディ・カーライルのように、フォークやカントリー系のアーティストは、セールスが強い分、ストリーミングでポイントが稼げないのが弱点でもある。

Text:本家一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートの掲載は、2月28日22時以降予定となります。

◎【Billboard 200】トップ10
1位『ブラック・パンサー:ザ・アルバム』VA
2位『カルチャーII』ミーゴス
3位『グレイテスト・ショーマン』サウンドトラック
4位『ヴィクトリー・ラップ』ニップジー・ハスル
5位『バイ・ザ・ウェイ、アイ・フォーギヴ・ユー』ブランディ・カーライル
6位『マン・オブ・ザ・ウッズ』ジャスティン・ティンバーレイク
7位『÷(ディバイド)』エド・シーラン
8位『DAMN.』ケンドリック・ラマー
9位『ストーニー』ポスト・マローン
10位『フィフティ・シェイズ・フリード』VA