クインシー・ジョーンズ、M・ジャクソン/ビートルズ/ヒップホップに対し毒舌再び
クインシー・ジョーンズ、M・ジャクソン/ビートルズ/ヒップホップに対し毒舌再び

 先月末、GQ誌でテイラー・スウィフトの楽曲を批判して話題になっていたクインシー・ジョーンズが、今度はVultureで言いたい放題の毒舌を振るっている。

 このインタビューで彼は、現代の社会問題や政治、そしてケネディ大統領暗殺まで様々な話題について歯に衣着せぬ意見を述べているが、伝説的プロデューサーとして約70年間米音楽業界の内情を見てきただけあり、ミュージシャンや音楽に関するぶっちゃけ話が特に興味深い。マイケル・ジャクソン、ザ・ビートルズ、そしてヒップホップについてなど、音楽関連の彼の発言をピックアップした。

◎ジョーンズが『オフ・ザ・ウォール』、『スリラー』、『バッド』を共同製作したマイケル・ジャクソンについて
「あまり公に言いたくないけど、マイケルは盗作が多かった。たくさん歌を盗んだ。(ドナ・サマーの)「ステイト・オブ・インディペンデンス」と「ビリー・ジーン」とかね。[注:1982年の“ステイト・オブ・インディペンデンス”にマイケルはバックコーラスで参加しており、ベースラインが「ビリー・ジーン」に似ている。]音符は嘘をつかないよ。あと彼はこの上なくマキャベリ的(策略家)だった。貪欲、すごく貪欲。「今夜はドント・ストップ / Don't Stop 'Til You Get Enough」なんかは(キーボーディストの)グレッグ・フィリンゲインズがCセクションを書いたんだ。マイケルは彼に曲の権利を10%はあげるべきだったね。でもそうしなかった」

[ジョーンズはまた、マイケルの度重なる整形手術について言及しており、当時咎めたものの彼は取り合おうとせず、「何かの病気をのせいにしてた。デタラメだ」と一蹴している。]

◎ロックンロールを初めて聴いた時、特に新人だった頃のザ・ビートルズに全く感動しなかったことについて
「ロックなんてのはリズム・アンド・ブルース(R&B)の白人ヴァージョンでしかないよ、motherf*cker。ところで俺はポール・マッカートニーが21歳の頃に出会った。(ザ・ビートルズの最初の印象は)世界一下手くそなミュージシャン連中だったな。演奏ができないmotherf*ckersだった。ポールは俺がそれまで聴いた中で最悪のベース・プレイヤーだった。そしてリンゴ?話したくもない。ジョージ・マーティンとスタジオ作業をしていたある時、リンゴが3時間もかけて何かの曲を4小節ほど直そうとしてた。でもできなかった」

「俺たちが、“君さ、ちょっとラガー&ライムでも飲んで、シェパーズ・パイでも食ってさ、1時間半程休憩してリラックスしてくれば”って勧めたら彼は言われた通りにした。(その間に)俺たちはジャズ・ドラマーのロニー・ベレルを呼んだら、彼は15分ほどでバッチリ決めてくれた。リンゴが帰ってきて、“ジョージ、もう一度再生してくれる?”って言って、ジョージがそうすると、“それほど悪く聴こえなかったな”って言ったんだ。だから俺が、“そうだよmotherf*cker、お前じゃねーからな”って言ってやった。いい奴だけどな」

◎以前“4小節のループの束”とディスったこともあるヒップホップに感銘を受けない理由
「ラップのことは本当だよ、同じフレーズが何度も何度も何度も繰り返されるって意味ではね。耳ってのは手入れされたメロディが必要なんだよ。音楽に変化がないと頭がオフってしまうから、耳に心地よい曲を聴き続けなければならない。そういう意味で音楽は不思議なものだ。耳はいつも使ってないとダメなんだ」

◎現代のポップスで好きなアーティストについて
「ブルーノ・マーズ。チャンス・ザ・ラッパー。ケンドリック・ラマー。ケンドリックは考え方が好きだ。地に足がついてる。チャンスもそうだ。あとエド・シーランのレコードも最高だ。サム・スミスはゲイであることをすごくオープンにしてて、そこが大好きだ。マーク・ロンソンはプロデュースの仕方が分かってる」

◎自身が音楽にもたらした革新とは
「俺がしてきたこと全部だな」