【米ビルボード・アルバム・チャート】ミーゴス2作連続初登場1位、アバヴ&ビヨンドが自身最高の3位
【米ビルボード・アルバム・チャート】ミーゴス2作連続初登場1位、アバヴ&ビヨンドが自身最高の3位

 米アトランタ出身のヒップホップ・トリオ=ミーゴスの新作『カルチャーII』がNo.1デビューを果たした、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。

 本作『カルチャーII』は、初のソング・チャートNo.1をマークした「バッド・アンド・ブージーfeat.リル・ウージー・ヴァート」収録の2ndアルバム『カルチャー』に続く、通算3作目のスタジオ・アルバム。その前作『カルチャー』も全米1位を獲得していて(2017年2月18日付)、これでR&Bとラップ・チャートの3冠を2作連続で達成したことになる。

 オリジナル・アルバムが2作以上全米1位を獲得したヒップホップ・グループとしては、ビースティ・ボーイズ(4作)、ア・トライブ・コールド・クエスト(2作)、ボーン・サグズン・ハーモニー(2作)、エミネム率いるD12(2作)に続く5組目、歴代2位タイ。

 初動ユニット数は199,000で、そのうちアルバムの純粋な売上は38,000枚と2/3近くはストリーミングによるポイントだった。この記録は、昨年の年間アルバム・チャートを制した、ケンドリック・ラマーの『DAMN.』が初週で獲得した227,000(ストリーミングのみのポイント)に続く高い数字で、いかにストリーミングが強かったかが伺える。

 ちなみに前作『カルチャー』も、初動131,000のうち、44,000枚がアルバムの純粋な売上で、2/3近くはストリーミングによるポイントだった。24曲という大ボリュームの本作、曲数が多いとストリーミング・ポイントもその分獲得できるため、有利になる。今後は、こういった戦略で曲数を増やしてアルバムを発表するアーティストが増えてくるかもしれない。

 2位には、引き続き『グレイテスト・ショーマン』のサウンドトラックが停滞。No.1を獲得した1月13日付から先週まで、4週連続で10万ユニットを突破していたが、今週は95,000ユニットとわずかながら減退し、10万を切った。とはいえ、たった5週間で50万ユニットを獲得したことは快挙といえる。気の早い話ではあるが、年間チャートでも上位にランクインするだろう。

 3位には、英ロンドンのダンス・ユニット=アバヴ&ビヨンドの新作『コモン・グラウンド』が初登場。ミーゴズとは対照的に、初動ユニット数64,000のうち、アルバムの売上は62,000枚とほとんどがセールス・ポイントだった。アルバムの売上が良かった理由として、コンサート・チケットが封入されていたことが挙げられる。アバヴ&ビヨンドが全米アルバム・チャートでTOP10入りしたのは本作が初で、母国イギリスでも2015年リリースの4thアルバム『ウィー・アー・オール・ウィー・ニード』の12位が、これまでの最高位だった。

 【第60回グラミー賞】(1月28日開催)で主要3部門を制覇したブルーノ・マーズの『24K・マジック』は、週間49,000を獲得して先週の10位から4位に上昇。カーディ・Bとのパフォーマンスも好評で、次週は再びTOP3入りを果たす可能性が高い。同アワードで<最優秀ポップ・パフォーマンス賞>を受賞した、エド・シーランの『÷(ディバイド)』が5位、<最優秀ラップ・アルバム賞>など計5部門を受賞した、ケンドリック・ラマーの『DAMN.』が6位に続き、<最優秀新人賞>にノミネートされたカリードの『アメリカン・ティーン』が先週の15位から9位に、<最優秀ポップ・ボーカル・アルバム賞>にノミネートされた、イマジン・ドラゴンズの『エヴォルヴ』が13位から10位に、それぞれ返り咲きのTOP10入りを果たしている。グラミー効果は、次週も続きそうだ。

Text:本家一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートの掲載は、2月7日22時以降予定となります。

◎【Billboard 200】トップ10
1位『カルチャーII』ミーゴス
2位『グレイテスト・ショーマン』サウンドトラック
3位『コモン・グラウンド』アバヴ&ビヨンド
4位『24K・マジック』ブルーノ・マーズ
5位『÷(ディバイド)』エド・シーラン
6位『DAMN.』ケンドリック・ラマー
7位『カミラ』カミラ・カベロ
8位『ストーニー』ポスト・マローン
9位『アメリカン・ティーン』カリード
10位『エヴォルヴ』イマジン・ドラゴンズ