ザ・フォールのフロントマン、マーク・E・スミスが60歳で死去
ザ・フォールのフロントマン、マーク・E・スミスが60歳で死去

 英マンチェスターの伝説的なポスト・パンク・バンド、ザ・フォールのフロントマン、マーク・E・スミスが2018年1月24日に死去した。60歳だった。

 スミスが午前中に自宅で亡くなったことをザ・フォールのマネージャー、パム・ヴァン・ダムドがTwitterで発信し、その後米ビルボードがマネージメントに事実であることを確認した。詳しい声明は後日発表されるという。

 マーク・エドワード・スミスは1957年に英ランカシャーで生まれ、近くのプレストウィッチで育った。マンチェスターのレッサー・フリー・トレード・ホールで行われたセックス・ピストルズの初期のライブに触発され、ザ・フォールを1976年に結成、78年にEP 『Bingo-Master's Break-Out!』でデビューした。創設メンバーはスミスとギタリストのマーティン・ブラマー、ベーシストのトニー・フリエル、そしてキーボーディストのユナ・ベインズだったが、長年にわたってメンバーは入れ替わり、固定メンバーはスミス一人だった。

 ザ・フォールは他の70年代後期のロック・バンドと比較すると、音楽性の幅と一貫性が突出していた。名盤『Hex Enduction Hour』(1982年)や『This Nation's Saving Grace』(1985年)、そしてアンダーグラウンド・ミュージックの象徴とも言える「Totally Wired」(1980年)、「The Man Whose Head Expanded」(1983年)、そして「C.R.E.E.P.」(1984年)などのシングルが有名だ。1991年のスリラー映画『羊たちの沈黙』のクライマックス・シーンで「Hip Priest」が効果的に使われたことから、メインストリームで注目を浴びたこともあった。

 21世紀に入ってからも作品の評価は下がることなく、2004年には「Theme From Sparta FC #2」が、年間ベスト50曲が選出される英国の<フェスティブ・フィフティ>リストでNo.1を獲得している。スミスはソロでもマウス・オン・マーズのJan St. WernerとVon Sudenfedでコラボしたり、ゴリラズ(2010年の『プラスティック・ビーチ』の「グリッター・フリーズ」)やインスパイラル・カーペッツ(スミスをフィーチャーした「アイ・ウォント・ユー」が全英チャートで18位を記録。ザ・フォールのどの楽曲よりも高成績だった)のアルバムにもゲスト参加していた。