エレファントカシマシ「71歳になってもやり続けます!」バンド初47都道府県ツアーファイナル
エレファントカシマシ「71歳になってもやり続けます!」バンド初47都道府県ツアーファイナル

 エレファントカシマシのデビュー30周年記念コンサートであり、バンド史上初となる全国47都道府県ホールツアーが、2017年12月9日に富山にて千秋楽を迎えた。
エレファントカシマシ ライブ写真(全3枚)

 ライブは数々の伝説的なパフォーマンスを残してきた名曲「歴史」からスタート。「30周年ツアーの最後を飾るのに相応しいホールにやってきたぜ。たくさん集まってくれてありがとう!」と宮本の MCで会場は序盤からヒートアップ。「俺たちのデビューソングで、お金の歌です」(デーデ)と、このツアーでは、恒例となった1曲1曲当時のエピソードや、楽曲の解説をしながらライブは盛り上がっていく。

 デビューから在籍していたレコード会社の契約が切れ、バンドが無所属で活動していた時代にできた曲で、バンドがブレイクするきっかけとなった楽曲「悲しみの果て」では、思わず感極まって歌えなくなるも、会場から大きな拍手と声援に包まれ、感動的な空間に。直後に「プロなのに、ごめん。歌えるかな?」と宮本本人も戸惑いながら、最大のヒット曲「今宵の月のように」を披露すると会場は大きな拍手で包まれた。その後は涙を見せることなく、「風に吹かれて」「桜の花、舞い上がる道を」、バンド史上唯一のカバー曲「翳りゆく部屋」など、ロングヒット中のオールタイムベストアルバム『THE FIGHTING MAN』に収録されている名曲を次々と披露し、会場のボルテージが上がっていく。

 そして、「デビュー30周年で今、51歳ですが 61歳になっても 71歳になってもやり続けます!」という 30 周年を迎えてもなお、衰えることないエネルギーはそのあくなき向上心なんだと思い知らされるような力強い宣言に満員の富山オーバード・ホールは大きな拍手と大歓声でこたえる。「べらべらしゃべってすみません。今日が最後なんで許してくだい」と宮本本人も語ったように、この日は、とにかく「ありがとう」と会場のお客さんに感謝を伝え続ける。その言葉には、この日の会場のお客さんだけでなく、このツアーで訪れた全47都市の会場に来てくれた観客、オールタイムベストアルバム『THE FIGHTING MAN』を手にしてくれたリスナー、そしてこの30年エレカシが出会ったすべての人への感謝の気持ちが込められている、そのくらい多くのありがとうという言葉が聞けた。

 「行くぜエビバディ! 準備はいいか?」の声とともに、今や日本を代表する応援ソングとなった名曲「俺たちの明日」を披露し、総立ちの観客が全員こぶしを突き上げる。「暑苦しいけど聞いて下さい。30周年で富山で、全国で、コンサートができて本当に幸せです。ツアー中に作った曲でツアーの中で成長した曲です。と披露されたのは、今年リリースされ、NHK『みんなのうた』としてヒットを記録したシングル「風と共に」。この楽曲で一部が終了。

 宮本の「また出てきます」の宣言通り登場した二部は、一曲終わるごとにMCをしていた一部と打って変って、エレカシの真骨頂であるメッセージ性のある、激しい楽曲を立て続けに披露していく。「奴隷天国」「生命賛歌」などまさに絶唱という言葉がぴったりな鬼気迫るパフォーマンスする宮本。固唾をのんで見守る観客。「今日は本当にありがとうございました!」というこの日何度も伝えられた感謝の言葉に続いた本編最後の曲は、デビュー曲であり、ベストアルバムのタイトルであり、この初となる全47都道府県ツアーのタイトルにもなった「ファイティングマン」。会場は、この日一番の大歓声で盛り上がりライブは終了かと思いきや、会場の熱いアンコールに答えて再び登場。「ツアー最終日を全力でやることができました」と充実したライブだったことを伝えつつ、3曲の熱いパフォーマンスを披露した。

 そして、「これで心おきなく、紅白歌合戦で歌えます。本当にありがとう。紅白歌合戦で会おう!」と初出場が決まっている NHK『紅白歌合戦』への意気込みを語り、ステージを後に。その姿に会場のお客さんの鳴り止まない拍手とともに、全国で約8万人を動員したエレカシ史上初となる全都道府県ツアーは大盛況のうちに幕を閉じた。

 なお、30周年の最後を飾る3月17日に行われるさいたまスーパーアリーナ公演はSOLD OUTとなったが、WOWOWでの生中継が決定。また、このさいたまスーパーアリーナ公演を含め、2018年は年初から3か月連続でWOWOWでエレファントカシマシの特として、貴重なドキュメンタリー番組など放送予定。

撮影:岡田貴之

◎セットリスト
【エレファントカシマシ 30th ANNIVERSARY TOUR 2017“THE FIGHTING MAN”】
2017年12月9日(土) 富山オーバード・ホール
一部
01. 歴史
02. 今はここが真ん中さ!
03. 新しい季節へキミと
04. ハロー人生!!
05. デーデ
06. 悲しみの果て
07. 今宵の月のように
08. 戦う男
09. 風に吹かれて
10. 翳りゆく部屋
11. 桜の花、舞い上がる道を
12. 笑顔の未来へ
13. 3210
14. RAINBOW
15. ガストロンジャ―
16. 今を歌え
17. 四月の風
18. 俺たちの明日
19. 風と共に
二部
20. ズレてる方がいい
21. 奴隷天国
22. コール アンド レスポンス
23. 生命賛歌
24. RESTART
25. 夢を追う旅人
26. ファイティングマン
アンコール
EN1. 友達がいるのさ
EN2. 涙
EN3. 待つ男