シンガーとしての力量に感服する、チャーリー・プースの最新曲「ハウ・ロング」(Song Review)
シンガーとしての力量に感服する、チャーリー・プースの最新曲「ハウ・ロング」(Song Review)

 2015年、ウィズ・カリファの「シー・ユー・アゲイン」にフィーチャリング・ゲストとして参加し、その美声を世界に知らしめたチャーリー・プース。この曲の大ヒットに続いて、自身のソロ・デビュー曲「マーヴィン・ゲイ」や「ワン・コール・アウェイ」がスマッシュ・ヒットを記録。セレーナ ゴメスとのデュエット・ナンバー「ウィ・ドント・トーク・エニモア」はソロ名義で初のTOP10入り(最高9位)を果たし、デビュー・アルバム『ナイン・トラック・マインド』も全米・全英チャート6位にランクイン、プラチナ・ディスクに認定された。

 その大ヒット作から2年振り、通算2作目のスタジオ・アルバム『ボイスノーツ』が、2018年1月19日に世界同時リリースされると発表された。本作からは、今年4月にリリースされた1stシングル「アテンション」が大ヒット中。そして、アルバムから2曲目のシングルとして10月5日にリリースされたのが、「ハウ・ロング」だ。

 この曲は、「アテンション」の制作にも参加したジェイコブ・カッシャー(マルーン5、ブリトニー・スピアーズなど)と、「シー・ユー・アゲイン」や「ワン・コール・アウェイ」など、過去のヒット曲を担当したジャスティン・フランクス(ジャスティン・ビーバー、ジェイソン・デルーロなど)、そしてチャーリー・プース3人の共作。ファンキーな前曲の同路線ともいえる、思わずステップを踏みたくなるようなポップ・チューンだ。

 聴きどころは、何といってもチャーリーのファルセット。張り上げるように地声で歌うパートもあるが、楽曲全体を通してはファルセットが大半を占める。バックサウンドが煌びやかな分、ボーカルは少し抑え気味にしたくらいが丁度いい。サウンドとボーカルのバランスを上手く取り、それでいて歌が主役ということをアプローチしているシンガーとしての力量に感服。むしろ、全曲を通してファルセットでも良かったのでは?というくらい、色気の増したチャーリーの裏声は魅力的だ。それを支えるバックコーラスの配置もすばらしい。

 10月19日に公開されたばかりのミュージック・ビデオでは、ブルーのスーツに黒のエナメルというデキる男風の装いで、マンション(オフィス?)のエントランスやルーフを踊りながら駆け抜けるチャーリー。美しい顔立ちはまだ幼さが残るが、ボーカルやサウンドと共に、男っぽさ、荒々しさが滲み出てきたビジュアルの変化にも注目していただきたい。同ビデオは、公開から1週間経たずして既に1700万回を超える視聴回数を記録している。

 「アテンション」や新曲「ハウ・ロング」から、ニュー・アルバム『ボイスノーツ』はこういった色気たっぷりのファンキーなタイトルが主役になるのではないかと予想する。デビュー作があまりにも優等生的であったため、2年振りとなる新作では、型にハマらないチャーリーの新たな一面、実験的なサウンドにも期待したい。もちろん、ロマンティックなバラード曲も。

Text: 本家 一成

◎リリース情報
「ハウ・ロング」
チャーリー・プース
2017/10/5 RELEASE
デジタル配信