【米ビルボード・ソング・チャート】カーディ・Bが再び首位、ビヨンセ参加の「ミ・ヘンテ」が急上昇
【米ビルボード・ソング・チャート】カーディ・Bが再び首位、ビヨンセ参加の「ミ・ヘンテ」が急上昇

 フィーメール・ラッパー、カーディ・Bの「ボダック・イエロー」が3週目のNo.1獲得を果たした、今週の米ビルボード・ソング・チャート。

 2014年に通算7週の首位をマークした、イギー・アゼリアの「ファンシーfeat.チャーリーXCX」を超えるか、女性ラッパーとしての記録更新にも期待したいところだが、今週は先週よりも更にポイントダウンしたため、注目度の高いリミックスのリリースなどがない限り、難しい状況といえる。

 そのカーディ・Bから首位の座を奪おうと、下位から追い上げているのが、2位に停滞中しているポスト・マローンの「ロックスターfeat.21サヴェージ」。初登場から3週連続で2位をキープしているこの曲、ストリーミングが絶好調で、今週は「ボダック・イエロー」と入れ替わってストリーミング・チャート首位獲得を果たした。現在までにミュージック・ビデオのリリースがないため、ビデオが公開されればストリーミング・ポイントがさらに上昇し、No.1獲得も十分狙えるだろう。

 そして、先週の21位から3位へ一気にTOP3入りを果たした、J.バルヴィンとウィリー・ウィリアムの「ミ・ヘンテ」も、次のNo.1最有力候補として挙がっている。

 この曲は、コロンビア出身のレゲエ・シンガー、J.バルヴィンとフランスの音楽プロデューサー、ウィリー・ウィリアムによる初のコラボ・ソング。発売日の6月30日当初、ルイス・フォンシとダディー・ヤンキーの「デスパシート」が大ヒットしていたこともあり、同じスペイン語で歌われているこの曲にも大きな注目が集まった。J.バルヴィンの母国・コロンビアから火が付き、全米でもゆるやかに順位を上げていたが、今週、一気にランクアップしたのは、ビヨンセが参加したリミックスが9月28日にリリースされ、売上(デジタル・セールス)を伸ばしたため。

 チャート・アクションも、ジャスティン・ビーバーが参加してから大ブレイクした「デスパシート」と酷似していて、この傾向からみると「ミ・ヘンテ」も首位を獲得する可能性が高い。YouTubeの再生回数が歴代最高記録を更新した「デスパシート」のミュージック・ビデオは、現在までに40億回を突破。一方、「ミ・ヘンテ」の再生回数も、間もなく10億回に達し、ビヨンセが参加したリミックスの音源も、公開1週間で2000万回の再生回数を記録している。「ミ・ヘンテ」は、コロンビア、メキシコ、スペイン、イタリアの4か国でNo.1に輝き、アメリカのラテン・チャートでも1位になっている。主要ポイントが急落しなければ、次週は「ボダック・イエロー」と入れ替わり、この曲が首位に立つかもしれない。

 今週、新たにTOP10入りしたのは、イマジン・ドラゴンズの「サンダー」。マイクロソフトのCM効果を受け、先週の17位から7位へランクアップし、新作『エヴォルヴ』から2曲連続のTOP10入りを果たした。前曲「ビリーヴァー」も、登場35週目にして粘り強く11位にランクインしている。2013年の大ヒット曲「レディオアクティヴ」もそうだったが、彼らの曲はロングヒットする傾向にある。

 先週TOP10入りしたデミ・ロヴァートの「ソーリー・ノット・ソーリー」は、アルバムのプロモーション効果を受け、先週の10位から8位に上昇、シングル曲としては、2008年のデビュー曲「ディス・イズ・ミー」の9位を超える自己最高位を更新した。同曲が収録された新作『テル・ミー・ユー・ラブ・ミー』は、カントリー界の女王=シャナイア・トゥエインと、10月2日に死去したトム・ペティの遺作に押され、惜しくも3位デビューとなったが、デビュー作から6枚のアルバムが全てTOP10入りする快挙を成し遂げている。

 そのアルバム・チャートでは、米ニューヨーク州ブロンクス出身の新人ラッパー、ア・ブギー・ウィット・ダ・フーディのデビュー作『ザ・ビガー・アーティスト』が4位に初登場し、本作から「ノー・プロミセス」(74位)など、計4曲の収録曲がランクインした。

 11月3日に発売が決定した、マルーン5の6thアルバム『レッド・ピル・ブルース』から、先行シングル「ホワット・ラヴァーズ・ドゥfeat.シザ」が今週19位まで上昇し、最高位を更新した。また、同11月3日には、サム・スミスの2ndアルバム『スリル・オブ・イット・オール』もリリースされる。本作からの先行シングル「トゥー・グッド・アット・グッバイズ~さよならに慣れすぎて」も、今週13位に再浮上し、アルバムからの2ndシングル「プレイ」も、10月6日にリリースされた。来月のアルバム・チャートではどちらが首位に輝くのか、両者の対決に注目が集まる。


Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートの掲載は、10月11日22時以降予定となります。

◎【Hot100】トップ10
1位「ボダック・イエロー (Money Moves)」カーディ・B
2位「ロックスターfeat. 21サヴェージ」ポスト・マローン
3位「ミ・ヘンテfeat.ビヨンセ」J.バルヴィン&ウィリー・ウィリアム
4位「1-800-273-8255」ロジックfeat.アレッシア・カーラ&カリード
5位「ルック・ホワット・ユー・メイド・ミー・ドゥ~私にこんなマネ、させるなんて」テイラー・スウィフト
6位「フィール・イット・スティル」ポルトガル・ザ・マン
7位「サンダー」イマジン・ドラゴンズ
8位「ソーリー・ノット・ソーリー」デミ・ロヴァート
9位「デスパシートfeat.ジャスティン・ビーバー」ルイス・フォンシ&ダディ・ヤンキー
10位「アンフォゲッタブル」フレンチ・モンタナfeat.スワエ・リー