ももいろクローバーZ/FLOWER FLOWER/家入レオ/チームしゃちほこ【ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2017】3日目レポ<前編>
ももいろクローバーZ/FLOWER FLOWER/家入レオ/チームしゃちほこ【ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2017】3日目レポ<前編>

 2017年8月11日、茨城・国営ひたち海浜公園にて、今年で18回目となる【ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2017(以下、RIJF)】の3日目が開催された。約13万7,000人の来場者を熱狂させた2日間から1週空けての後半戦。Billboard JAPANではそのライブの模様を一部抜粋してお伝えする。

ロッキン3日目<前編>写真(全23枚)


 朝一の<PARK STAGE>に登場したのは、【RIJF】に4年連続で出演するチームしゃちほこ。ステージを目にしたファンは、フル・バンド・セットの編成にきっと驚いたはずだ。「アイドンケア」で勢いよくライブの幕を切ると、そのまま「ULTRA 超 MIRACLE SUPER VERY POWER BALL」へと繋げ、会場が一体となるヘドバンの嵐を巻き起こす。その後は、「START」や2014年の【RIJF】で初披露した「colors」と続いていく。この1年で様々な目標を乗り越えてきたこともあってか、あどけない少女だった彼女たちのパフォーマンスや歌声はとても大人びて見えた。後半は、「お前らまだまだ盛り上がれんのかー!」という咲良菜緒の煽りで会場のテンションを一気に上げると、「そこそこプレミアム」「Wow Oh! Oh!」と突っ走り、皆が拳を上げる大合唱でラストを締めくくった。着実にライブ経験を積み重ねてきた自信と、そこで培ってきたファンとの絆を堂々と見せてくれたチームしゃちほこのステージは、4年連続で大型ロック・フェスのアクトを務めているという貫禄さえ感じられたのだった。

 時折日差しの暑さを感じられるようになってきた真昼の<LAKE STAGE>には、全身白の衣装にポニーテール姿の家入レオが爽やかに登場。ライブが「太陽の女神」からスタートすると、小柄ながらも堂々としたパフォーマンスを見せ、「Bless You」では<愛なんていつも残酷で>と鋭いフレーズが観客の耳を奪っていく。一方MCでは、「いい景色やね~ハンパないね~!」と手を振り、「この前ライブで喋り過ぎて時間延びたけん、あんまり喋らんようにせな!」と可愛らしい博多弁のトークを繰り広げ、歌唱中とのギャップを感じさせる場面も。新曲「ずっと、ふたりで」や「君がくれた夏」などのラブ・ソングを情感たっぷりと歌い上げ、「しっとりしちゃったので、夏らしくいきましょう!」と告げて歌った「サブリナ」のコール&レスポンスでぐっと観客との距離を縮めると、ラストは「僕たちの未来」を高らかに歌いライブを締めくくった。

 the GazettEや鬼束ちひろなど、個性的なアクトが出揃った<SOUND OF FOREST>の中盤に登場したのはFLOWER FLOWERだ。新曲「マネキン」や「月」などを披露し、「素晴らしい世界」では会場が一体となり拳を突き上げる。淡々としているようで、言葉や楽器に乗せる感情が胸を突くようにエモーショナルなステージだが、野外の解放感もあってか、「バイバイ」が終わると「愛してるよ~」と観客に呼び掛けるYUI(Vo/Gt)。すぐさま「初めて言った…照れちゃいますね」とはにかむ姿にオーディエンスもつられて笑顔がこぼれる。最後は「好きなバンド見て、水分補給我慢してない? 最後まで安全に楽しんでね、必ずまた会いましょう!」と、オーディエンスを思いやる温かい言葉をかけライブを締めくくった。

 14:30頃の<GRASS STAGE>では、ももいろクローバーZが満を持して【RIJF】に初登場。ギター、ベース、ドラムの基本フォーマットにホーン・セクションやキーボードなどを加えた豪華バンド・セットに囲まれてステージ中央にポジショニングすると、代表曲「行くぜっ!怪盗少女」でライブの口火を切る。続けて、仏教用語を交えた性急なヴォーカリゼーションと軽快なファンク・サウンドの組み合わせが独特な「マホロバケーション」、作曲の布袋寅泰節が炸裂しているデジタル・ロック「サラバ、愛しき悲しみたちよ」と、生バンド・サウンドが映える2曲をノンストップでパフォーマンスすると、「私たち今会えるアイドル! 週末ヒロインももいろクローバーZ!」とお馴染みのご挨拶へ。「さっき歌った曲の中で“行くぜっ!怪盗少女”しか知らなかった人ー?」の問いかけに「ぜひ新しい曲も覚えて帰ってください!」と続けると、最新曲「BLAST!」を投下。曲中に玉井のロー・トーンなラップもきまったところで、ゆるいフロウで脱力させるヒップホップ・ナンバー「もっ黒ニナル果て」へと繋げていったんクール・ダウン…したかと思えば、夏の定番ソング「ワニとシャンプー」で再加熱だ。フェス慣れしているももクロらしい、抑揚のついたセットリストになっている。【SUMMER SONIC】や【イナズマロック フェス】、【氣志團万博】など、出演ラインアップのバラエティが豊かで様々な客層入り混じるフェスティバルには頻繁に出演しているももクロだが、明確に“ロック”を謳う【RIJF】のような、相手方のリングに上がるフェス出演は、ここ最近だと【Animelo Summer Live】くらいだろうか。デビュー当初から、アウェーでも果敢に攻め込む姿勢が多くの音楽リスナーを魅了し、その名が知れ渡っていったももクロだけに、【RIJF】への初出演には他のフェス/イベント出演とはまた異なる意義を感じる。「ロックってなんだ! アイドルってなんだ! 食わず嫌いだったんじゃないの!? 食べてから決めろ!」と、そんな百田夏菜子の勇ましい煽りにも、この日のギラつきっぷりが如実に表れていた。そこから「労働讃歌」「Chai Maxx」の2曲で弾ける流れも痛快。作詞作曲を堂本剛が手掛けた「桃色空」を伸びやかに歌い上げた後は、広大な<GRASS STAGE>に向け、マイクを通さない肉声で感謝の言葉を叫び、ステージの幕を下したのだった。


◎イベント情報
【ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2017】
2017年8月5日(土)~6日(日)
2017年8月11日(金・祝)~12日(土)
茨城・国営ひたち海浜公園