【米ビルボード・アルバム・チャート】激戦のTOP3争いをラナ・デル・レイが制す、リンキン・パーク最新作が4位に浮上
【米ビルボード・アルバム・チャート】激戦のTOP3争いをラナ・デル・レイが制す、リンキン・パーク最新作が4位に浮上

 ラナ・デル・レイの最新作『ラスト・フォー・ライフ』がNo.1デビューを飾った、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。

 本作は、2015年リリースの4thアルバム『ハネムーン』(最高2位)から、およそ2年ぶり、通算5作目のスタジオ・アルバム。チャート圏外だった、2010年のデビュー作『ラナ・デル・レイ』を除く、3枚のアルバムが全て全米・全英アルバム両チャートでTOP3入りを果たしていて、本作『ラスト・フォー・ライフ』で、米ビルボード・アルバム・チャートでは2作目、全英チャートでは通算3作目の首位獲得を果たした。オーストラリア・チャートでは、2012年の2ndアルバム『ボーン・トゥ・ダイ』から、4作連続のNo.1に輝いている。

 アメリカの初動ユニット数は、107,000。内訳、およそ9万枚分がアルバムの売上(ダウンロード数)だった。純粋なアルバム・セールスだけで8万枚を売り上げた本作、ラナの人気もさることながら、アルバムの内容も実に充実している。高セールスを叩きだしたのも納得だ。

 続いて2位に初登場したのは、米カリフォルニア出身のラッパー、タイラー・ザ・クリエイターの新作『スカム・ファック・フラワー・ボーイ』。初動ユニット数は106,000で、首位のラナとは僅差だった。売上も好調で、ストリーミングを除くアルバム・セールスだけで、7万枚を獲得している。

 タイラー・ザ・クリエイターは、2011年リリースのアルバム『ゴブリン』でアルバム・デビュー。本作は最高5位をマークし、翌2012年の2ndアルバム『ウルフ』では、初のTOP3入りを果たす。2015年の前作『チェリー・ボム』では、最高4位に順位を落としたものの、本作で自己最高位を更新し、その人気を物語った。本作には、フランク・オーシャンやエイサップ・ロッキー、リル・ウェインといった人気ラッパーたちがゲスト参加している。

 3位には、米フィラデルフィア出身のラッパー、ミーク・ミルの新作『Wins & Losses』が、初動ユニット数102,000を獲得してデビューした。こちらもポイント差は僅かで、上位3作は激戦だった。

 本作は、米ビルボード・アルバム・チャート最高2位を記録したデビュー作『Dreams and Nightmares』(2012年)、そして初のNo.1獲得となった前作『Dreams Worth More Than Money』(2015年)に続く、通算3作目のスタジオ・アルバムで、順位は落としたものの、3作連続でTOP3入りを果たす快挙を成し遂げている。上位2者とは対照的に、ユニットの7割近くがストリーミングによるポイントだった。ラップ・チャートでは、2位のタイラー・ザ・クリエイターにNo.1の座を奪われ、3作連続の首位獲得を逃している。

 6位には、ディズニー・チャンネルによるオリジナルテレビ映画『ディセンダント2』のサウンドトラック盤が初登場した。「ディズニーキャラクターに子孫がいたら?」というユニークなコンセプトで作られた内容で、ミュージカル・シーンも多いことから、サントラ盤の売上も好調だった。7月31日には、監督を務めたケニー・オルテガが来日し、東京で取材イベントが行われた。『ディセンダント2』は、10月に日本でも放送予定。

 ラテン・シンガー、ロメオ・サントスの新作『ゴールデン』は、10位にデビューした。本作は、2011年リリースの『フォーミュラ Vol.1』(最高9位)、2014年リリースの『フォーミュラ Vol. 2』(最高5位)に続く、通算3作目のスタジオ・アルバムで、3作連続のTOP10入り、3作連続のラテン・チャート首位獲得を果たしている。

 7月20日に死去したリンキン・パークのボーカル、チェスター・ベニントンの訃報を受け、先週17位に急上昇した5月リリースの新作『ワン・モア・ライト』が4位に、先週27位にリエントリーを果たした、2000年のデビュー・アルバム『ハイブリッド・セオリー』が8位に、それぞれTOP10入りを果たした。その他の作品も、大きく順位を上げている。


Text:本家一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートの掲載は、8月5日22時以降予定となります。

◎【Billboard 200】トップ10
1位『ラスト・フォー・ライフ』ラナ・デル・レイ
2位『スカム・ファック・フラワー・ボーイ』タイラー・ザ・クリエイター
3位『Wins & Losses』ミーク・ミル
4位『ワン・モア・ライト』リンキン・パーク
5位『DAMN.』ケンドリック・ラマー
6位『ディセンダント2』サウンドトラック
7位『4:44』ジェイ・Z
8位『ハイブリッド・セオリー』リンキン・パーク
9位『グレイトフル』DJキャレド
10位『ゴールデン』ロメオ・サントス