【Arroyo Seco Weekend】マムフォード・アンド・サンズ/ザ・シンズ/アンディー・グラマー出演の2日目レポート
【Arroyo Seco Weekend】マムフォード・アンド・サンズ/ザ・シンズ/アンディー・グラマー出演の2日目レポート

 現地時間2017年6月24日~25日にかけて米カリフォルニア州パサディナにて初開催された【Arroyo Seco Weekend 2017】。ここでは、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズとマムフォード&サンズがヘッドライナーを務めた同フェスのBillboard JAPAN特派員による2日目のレポートをお届けする。

【Arroyo Seco Weekend】2日目写真(全389枚)

 雲一つない青空に恵まれた2日目。昨日のオーディエンスよりも顕著に若い年齢層のオーディエンス。前日、結局立ち寄らなかった一番小さいWillowステージから凄いパワフルで炸裂したヴォーカルが聞こえるので覗いてみる。そこにはエネルギッシュにステージを動き回ってパフォーマンスをする黒人のヴォーカリストと安定した演奏で彼を支えるバンドとホーン隊に大盛り上がりのオーディエンス。全く予習不足だったこのコン・ブリオというバンド、ヴォーカルのジークのカリスマ性と見事なパフォーマンスとファンクでソウルフルな演奏を繰り広げるバンドとのバランスが絶妙で今後活躍しそうなアーティストだ。

 続いてメイン・ステージではハッピー・モード全開のアンディー・グラマー。野外で天気のいい中、彼のご機嫌なパフォーマンスを聞いているとストレスも吹っ飛んでしまう。途中ジョン・ベリオンの「All Time Low」とザ・チェーンスモーカーズの「Don’t Let Me Down」のカバーから爽快チューンの「Honey, I’m Good」の流れは大盛り上がり。しっかり見せ場を作ったショーマンシップは大したもの。ホーン隊がいいアクセントになってポップなステージはあっという間だった。本人はパサデナに住んでいるようで、渋滞に悩まされずにライブ会場に10分で来られるなんて初めてと言っていた。

 近所といえば、次に観たフィッツ・アンド・ザ・タントラムズのヴォーカルのマイケルは家から徒歩で来たようで、地元のアーティストがこぞって出演するフェスティバルのピースフルな感じが好印象だった。しかし、彼らのパフォーマンスした時間帯は暑くて日が眩しかった。もちろん、彼らの演奏はエネルギーが溢れているのだが、この日は暑苦しくも感じ途中で退散。日陰を求めて、反対側のステージのアンドリュー・バードへ移動。木陰からメロウなメロディーを聞きながら、体温が少し下がっていく心地良さを感じた。

 5年ぶりのアルバムを今年3月に発売したザ・シンズ。新作『Heartworms』からは4曲ほど、他はヒット曲を織り交ぜるバランスの良いセットリストで、「Phantom Limb」や「New Slang」では懐かしさと切ないメロディーに込み上げてくるものを感じた。新作からの「The Fear」ではロス・ロボスが飛び入りするというサプライズもあり。

 いよいよ本日のへッドライナー、マムフォード・アンド・サンズ。かなり後方だが、小高くなっていて見晴らしの良い場所を確保。オーディエンスもまばらな後方のためか、ライブ中の雑談も聞こえず、演奏は非常にクリアに聞こえた。前半で「Babel」での強弱のついたリズムと演奏の仕方、それにヴォーカル マーカスのドラマティックな歌い方とその迫力、壮大なパフォーマンスに鳥肌が立った。選曲は『Wilder Mind』、『Babel』『Sigh No More』をあまり連続せずに交互に演奏していたが、やはり『Babel』からの楽曲はオーディエンスの盛り上がりが良かったと思う。新しくもなく、かといって古くもない、ただ馴染みのある旋律がどこか懐かしく心に刺さるパフォーマンスだった。

 このフェスティバルの少し前に行った別のフェスティバルではオンステージは1人多くて3人ぐらいのEDM、それかラッパーとDJの2人構成というヒップホップがメインストリームになっていることを感じたが、PCや機械とは真逆のアナログな楽器をメインとしたフェスティバルで他の多くのオーディエンスとバンド・サウンドに真剣に向き合うことができたのは貴重な体験で非常に有意義な時間だった。なおかつ美味しいグルメと一緒に飲酒して自分のペースで楽しめる環境も有り難い。唯一の減点は、椅子の持ち込みとむやみに広げられたブランケット。次回開催することがあれば、椅子やブランケットの使用可能な指定エリアができるともっといいフェスティバルになるように思う。

<番外編>
グルメをうたうのだから、他のフェスティバルよりも積極的にフードにもトライしてみた。初日の開場数時間後はどこの出店先もメニュー表が届いておらず口頭で説明しており、無難そうなグリルチーズにトライ。バーベキューソースをからめたチキンにポテトチップスをトッピングしてパンでサンド。さらにパンの外側はグリルされたカリカリのチーズ。1,000キロカロリーは余裕で超えてそうだが、味は間違いなし。日差しが強くて暑い時はチュロスとアイスクリームのあったか&冷たいの最強のコンビネーション。少しとけたアイスクリームにカリカリのチュロスですくって食べるのはまさに至福。最近ロサンゼルスで地位を確立しつつあるポキ丼。どうやら出店している店が2店舗あり、おいしくない方を選んでしまったようだ。肝心のツナが筋っぽくソースも辛すぎてイマイチ。2日目に食べた韓国風バーベキュー丼は美味。ライスにのせる肉をチキンかビーフとで迷っていると、ハーフ&ハーフを勧められた。チキンは少しスパイシーでビーフは少し甘めで両方ともに◎。最後に食べたフライドライスもフェスティバルで食べた中では一番おいしかった。コマーシャルブランドのビールだけではなく、こだわりのクラフトビールをいただけたのもポイントは高かった。


◎公演情報
【Arroyo Seco Weekend 2017】
2017年6月24日(土)~25日(日)
米カリフォルニア州パサディナ
INFO: https://www.arroyosecoweekend.com/