【米ビルボード・アルバムチャート】ジェイ・Zが14作目のNo.1、21サヴェージのデビュー作が初登場2位の快挙
【米ビルボード・アルバムチャート】ジェイ・Zが14作目のNo.1、21サヴェージのデビュー作が初登場2位の快挙

 ラッパー、ジェイ・Zの新作『4:44』が、初動ユニット262,000を獲得しNo.1デビューを飾った、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。

 2017年6月30日にリリースされた本作は、本来、先週のアルバム・チャートで初登場するはずだったが、リリースから1週間は自身が所有するタイダル(TIDAL)限定で配信されていたため、チャートにはランクインしなかった。というのも、ビルボード・チャートを集計するニールセン・ミュージックに、タイダルのポイントは提供されていないからだ。

 今週は、タイダルを除いたアップル・ミュージックなどで獲得したストリーミングと、iTunesなどのダウンロード数が加算されたユニット数のみで、首位を獲得したことになる。262,000ユニットの内訳、174,000枚が実売(ダウンロード数)、88,000がストリーミングによるポイント。タイダルで獲得した初週のストリーミング、セールスが加わっていれば、かなり高い数字を記録していたのではないかと思われる。

 ジェイ・Zは、1996年にアルバム『リーズナブル・ダウト』でデビュー。本作は、最高23位どまりだったものの、全米だけでも150万枚を超えるセールスを獲得した。翌1997年の2ndアルバム『イン・マイ・ライフ・タイム Vol.1』は、最高3位、ラップ・チャート2位をマークし、プラチナ・レコードに輝いた。そして、1998年の3rdアルバム『Vol.2…ハード・ノック・ライフ』で、自身初の全米No.1獲得を果たし、以降、本作に至るまでの全13作が首位を獲得。本作『4:44』で、14作連続のNo.1デビューを飾った(ラップ・チャートでも同14作連続の首位獲得)。

 ジェイ・Zがシングル・チャートで首位を獲得したのは、フィーチャリング・ゲストとして参加した、マライア・キャリーの「ハートブレイカー」(1999年)、2003年の妻・ビヨンセによる大ヒット曲「クレイジー・イン・ラブ」、そして2007年に7週連続のNo.1を獲得した、リアーナの「アンブレラ」の3曲と、自身最大のヒット曲「エンパイア・ステイト・オブ・マインドfeat.アリシア・キーズ」(2009年)の計4曲がある。

 本作『4:44』には、妻・ビヨンセの他、昨年の【グラミー賞】で受賞資格を放棄したことが話題となった、R&Bシンガーのフランク・オーシャン、故ボブ・マーリーの息子、ダミアン・マーリー、そして、ジェイ・Zの母であるグロリア・カーターが参加している。

 ジェイ・Zに続いて2位に初登場したのは、米アトランタ出身のラッパー、21サヴェージのデビュー・アルバム『Issa Album』。これまでに、2枚のEP盤とミックステープ2作をリリースしているが、スタジオ・アルバムとしては本作が初のリリースとなる。シングル曲では、昨年10月にリリースしたドレイクの「スニーキンfeat.21サヴェージ」が、ラップ・チャートで最高8位をマークしているが、アルバム・チャートでは、初のTOP10入りとなる。ストリーミングが好調で、初動77,000ユニットの内訳、実売が22,000に対し、ストリーミングによるポイント(売上)は55,000だった。

 米カリフォルニア州出身のロック・バンド、ハイムの2ndアルバム『サムシング・トゥ・テル・ユー』は7位に初登場。初動ユニットは32,000で、26,000枚がダウンロードによるアルバムの実売。本作は、2013年にリリースしたデビュー作『デイズ・アー・ゴーン』から4年振りとなる新作で、その前作で獲得した最高6位に続き、2作連続のTOP10入りを果たした。UKチャートでは、惜しくも首位をのがしたものの、2位に初登場している。その他、オーストラリアとアイルランドで同4位をマークするなど、各主要国でヒットしている。


Text:本家一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートの掲載は、7月19日22時以降予定となります。

◎【Billboard 200】トップ10
1位『4:44』ジェイ・Z
2位『Issa Album』21サヴェージ
3位『DAMN.』ケンドリック・ラマー
4位『グレイトフル』DJキャレド
5位『÷』エド・シーラン
6位『エヴォルヴ』イマジン・ドラゴンズ
7位『サムシング・トゥ・テル・ユー』ハイム
8位『ファンク・ウェーヴ・バウンシズ Vol.1』カルヴィン・ハリス
9位『モアナと伝説の海』サウンドトラック
10位『モア・ライフ』ドレイク