『22年目の告白』入江監督、原作を超えるため約2年かけ挑んだある問題とは?
『22年目の告白』入江監督、原作を超えるため約2年かけ挑んだある問題とは?

 映画『22年目の告白―私が殺人犯です―』が現在大ヒット公開中だが、入江悠監督が、“ある問題”を解決させるために、脚本を約2年かけ完成させたことを明らかにした。

 その“ある問題”とは、現在の日本の法律で撤廃されている時効問題だ。原作『私が殺人犯だ』を映画化した本作は、時効を迎えた殺人犯の曾根崎雅人が、堂々とメディアや遺族の前に現れ、日本中を狂わせていくストーリーだ。日本では、2010年4月に刑事訴訟法が改正され、殺人罪などの時効が撤廃されているため、現代の日本を舞台に時効を迎えた事件をどう描くのかがネックとなっていた。そこで入江監督は法律監修に石黒安規弁護士を迎え、徹底的にリアリティを追及。「原作を超えたいという思いが強く、自分たちだったらもっと面白くできるんじゃないかって貪欲に追及しました」と、約2年かけ37稿に及ぶ各本を完成させ、問題だった時効の部分は事件が起きた時代を1995年に設定したことでクリアとなった。入江監督は「これほど準備に時間をかけたのは初めてでしたし、脚本を書けば書くほど良くなっていく実感がありました」と自信をのぞかせている。

 さらに石黒弁護士は、時効に守られ“絶対に捕まらない殺人犯”が公に出るということについて「これは現実だと思いますね。過去にもやはり時効になった事件で、真犯人が出てきてマスコミに対して話をしていたりします」と実際にありえないことではないと力説する。曾根崎の目的は一体何なのか? その真実は劇場で。


◎作品情報
『22年目の告白―私が殺人犯です―』
公開中
監督:入江悠
出演:藤原竜也、伊藤英明、夏帆、野村周平、石橋杏奈ほか
配給:ワーナー・ブラザース映画
(C)2017 映画「22年目の告白-私が殺人犯です-」製作委員会