Cheeky Parade、溝呂木世蘭と小鷹狩百花のラストライブ終了、9の物語を失った7人の未来は
Cheeky Parade、溝呂木世蘭と小鷹狩百花のラストライブ終了、9の物語を失った7人の未来は

 Cheeky Paradeが6月9日に東京 渋谷WOMBLIVEにて定期ライブの追加公演【Cheeky Parade LIVE LIVE LIVE VOL5】を開催し、本公演をもってメンバーの溝呂木世蘭と小鷹狩百花が活動終了。以降、チームは5人体制で活動していくことになった。

【Cheeky Parade LIVE LIVE LIVE VOL5】写真(全11枚)


<結成から丸5年、不動の9人が遂に減員>

 この件が発表されたのは5月中旬、溝呂木世蘭と小鷹狩百花はこの公演で活動終了になることが明らかになった。Cheeky Paradeは2012年の結成以来、常に不動の9人で活動してきた。メンバーチェンジや脱退、増員なく活動を続けてきたのは、昨年メジャーデビューしたわーすたを除けば、彼女たちの所属するavex初のアイドル専門レーベル iDOL Streetではチキパのみ。入れ替わりの激しい現在のアイドルシーンの中でも稀に見る存在だったが、昨年6月にメンバーの山本真凜と鈴木真梨耶が2年間LA留学するため、一時活動を休止。以降は7人で、ふたりの帰国を待つ体制をとってきたが、ここで遂にメンバーが減員することに。

 チキパの楽曲はメジャーデビューシングル『BUNBUN NINE9’』をはじめ、“9”を題材にしたタイトルや歌詞が多い。今年2月に開催した5周年記念のステージでも、それまで7人体制では披露してこなかった楽曲で、9人の絆を歌にした「WE ARE THE GREATEST NINE9’」を解禁。留学組のボーカルパートも使用しながら、再び9人でファンの前に立つと宣言していたが、その約束を果たせなくなってしまったのだ。


<序盤から続く9の物語「明日以降は5人で、LAにいる2人を待ちたい」>

 溝呂木世蘭と小鷹狩百花がCheeky Paradeとして活動する最後の場、【Cheeky Parade LIVE LIVE LIVE VOL5】は、ふたりの挨拶から幕を開けた。オープニングに選ばれたのは、前述した「WE ARE THE GREATEST NINE9’」と「BUNBUN NINE9’」。すでに自分のソロパートを歌えないほど泣いている溝呂木を、会場のファンは最初から全力の声援で支える。「チェケラ」の小鷹狩ソロパートの直前、メンバーの永井日菜は人差し指を口元に当て、ファンに向かってウインクした。粋なパフォーマンスで最後まで盟友を立てるところも、結束の強いチキパならではだろう。

 力強く成長することを誓った「M.O.N.ST@R」も、タイトル通りスカイゲートを超えて飛躍する覚悟を綴った「SKY GATE」も、この日は溝呂木と小鷹狩からの最後のメッセージだったといえるだろう。ファンが叫ぶお決まりのコールも、ふたりのときは会場が割れんばかりの声量で轟いていく。

 終盤はステージ上の7人から感謝の気持ちを伝えたいと「HAPPY DAYS」、そしてチームにとって初めてのオリジナル曲「Cheeky dreamer」で本編を終了。アンコールにも応じると、リーダーの鈴木友梨耶は「明日以降は5人で、LAにいる2人を待ちたいと思います」と新たな決意を表明し、そのふたりのボーカルパートも導入された9人バージョンの「M.O.N.ST@R」で7人体制のCheeky Paradeに幕を引いた。


<7月からは5人体制で……留学組の2人を待つチキパの変わらぬ覚悟>

 ただ、悲しんでばかりもいられない。すでに7月には5人体制でのイベント出演が決定しており、アイドルライブの本番ともいうべき夏に向け、さらなる熱量で進んでいかなければいけないからだ。

 実際にこの日のライブでも、並々ならぬ覚悟を感じさせる鋭い眼光や気合のパフォーマンスが目を引いた島崎莉乃、涙を拭いながらも弾ける笑顔で終始会場を盛り上げた渡辺亜紗美、伸びやかなボーカルでアグレッシブなサウンドに芯を通す永井日菜、時に妖艶さすらかもし出して男性ファンの視線を集める関根優那、「これからも絶対諦めない!」と集まったファンが一番聞きたかった言葉を言い放った鈴木友梨耶。5人は変わらぬポテンシャルを確信させるアクトで、まだまだ先があることを証明してみせた。

 アンコールの最後、リーダーとして活動を終了する2名へのエールを贈った友梨耶が「一生懸命がんばって、幸せになってください!」と締め、メンバーから「……(ふたりは)結婚するの?」とツッコまれて笑いを誘う相変わらずな一面まで覗かせてくれたのだ。


 もちろん、結成以降続けてきた9人のストーリーに終止符が打たれ、先のヴィジョンも提示されていない現状では、今後の活動を不安に思う気持ちはファンならば大きいだろう。いつかまた9人で。大きな指針を失った5人のCheeky Paradeは、これからどのようにストーリーを紡ぎ直すのか。新体制での最初のステージは、7月8、9日に神奈川 横浜赤レンガパークで開催される【アイドル横丁夏まつり!!~2017~】になる。


◎Cheeky Parade 活動終了する2名のコメント
・溝呂木世蘭
皆さん、突然の発表になってしまって、すごく驚かせてしまったと思います。すいません。
チキパになってから5年間、そしてこの前20歳になって、もちろんチキパのことが大好きだし、もっともっと皆さんの前で踊っていたいっていう気持ちもあるんですけど、自分の将来のことを考えて、自分の道を進むことを決断させていただきました。

チキパになってから、すごい楽しいことも嬉しいこともあったけど、つらいこととか、挫折しそうになったりとか、いっぱいあって。そのたびにメンバーが支えてくれたり、ファンの人たちが“だいじょうぶだよ”って言ってくれたりとか、色んな人の声で立ち直ってこれたんです。チキパのメンバー、ここにいる皆さん、この会場に来られなかった皆さんも、本当に色んな出会いに感謝だし、今はありがとうっていう気持ちをたくさんの方に伝えたいです。

これからは、自分の力でがんばって、進んでいこうと思うので、これからも溝呂木世蘭をよろしくお願いします。ありがとうございました。

・小鷹狩百花
このたびは本当に本当に、突然の発表で皆さんを驚かせてしまい、申し訳ございませんでした。
去年の秋くらいから、私はこのままチキパを続けていて大丈夫かなと不安になるようになりました。でも、少しずつバラエティ番組に出させてもらえる機会が、本当に少しずつですけど増えていって。テレビが大好きで、しゃべることが大好きで、もっともっと出たい、映りたいと思ったし、それを観て自分のことのように喜んでくださった皆さんがいてくれたので、私はもっともっとテレビに出ていきたいなと思いました。でも、私はまだまだだなって、もっともっとたくさんの勉強が必要だなと思いました。

今でも本当にチキパに対する思いは強いですし、大好きですけど、自分の道を進むことに決めさせていただきました。これからは、まだまだ未熟な私ですが、小鷹狩百花として、また皆さんにお見せできるようがんばっていきたいと思います。今までたくさんの応援、ありがとうございました。