セクシーなヴォーカル&高速ラップが映えるトロピカルハウス調の1曲 / 「リメンバー・アイ・トールド・ユー」ニック・ジョナス(Song Review)
セクシーなヴォーカル&高速ラップが映えるトロピカルハウス調の1曲 / 「リメンバー・アイ・トールド・ユー」ニック・ジョナス(Song Review)

 ジョナス・ブラザーズの三男、ニックの新曲「リメンバー・アイ・トールド・ユー」が、2017年5月26日にリリースされた。この曲は、去年行われたツアーの最中に書かれたもので、そのツアーで共演した、ヒップホップ系アーティストのマイク・ポズナーと共作したナンバー。

 マイク・ポズナーはミシガン出身の29歳で、2015年にリリースした「アイ・トゥック・ア・ピル・イン・イビザ」が全米ソング・チャート4位をマークする大ヒットを記録し、ブレイクを果たした。もう1人のゲストとして参加したアン・マリーは、イングランド出身、26歳の女性シンガーソングライターで、今年2月にリリースした6thシングル「チャオ・アディオス」が、イギリス(UK)チャートで初のTOP10入りを果たした、注目の新星。昨年開催された【MTVヨーロッパ・ミュージック・アワード】では<最優秀“MTV PUSH”賞>に、今年開催された【ブリット・アワード2017】では、<最優秀ブリティッシュ・ブレイクスルー・アクト賞>にノミネートされた。

 粘着質のあるアン・マリーのインパクト絶大なボーカルと、曲間で披露するマイク・ポスナーの高速ラップも見事だが、何より、ドレイクのボーカルをそっくり真似た、ニックのセクシーなボーカルパートが素晴らしい。トロピカルハウス調のグルーヴィーなサウンドに乗せた3人の掛け合いも相性抜群で、昨年、全米ソング・チャート10週のNo.1を獲得した、ドレイクの「ワン・ダンス」を彷彿させる。この曲も、ドレイク、ウィズ・キッド、カイラのトリオ形式によるダンス・チューンだったことから、ボーカルのみならず、全ての要素において「ワン・ダンス」を意識して作られたことは間違いない。

 プロデューサーは、フィフス・ハーモニーやセレーナ・ゴメス、マルーン5、メーガン・トレイナーなどの人気アーティストを手掛ける、音楽プロデューサー・チームのザ・モンスターズ・アンド・ストレンジャーズが担当。ニックの「レベルズ」(2015年)や、日本で大ヒットしている、オースティン・マホーンの「ダーティー・ワーク」(2015年)をプロデュースしたのも、彼らだ。ニックの楽曲としても、これまでとは全く違うタイプの曲に仕上がっている。

 ニック・ジョナスは、2016年6月に3rdアルバム『ラスト・イヤー・ワズ・コンプリケイティッド』をリリースした後、新作は発表していない。「リメンバー・アイ・トールド・ユー」が収録予定の4thアルバムの情報は解禁されていないが、この曲のヒット次第では、夏頃サプライズ・リリースされるかもしれない。


Text: 本家 一成

◎リリース情報
「リメンバー・アイ・トールド・ユー」
ニック・ジョナスfeat.マイク・ポズナー&アン・マリー
2017/5/26 RELEASE