ドン・ヘンリーに影響を受けた、男気溢れるファンク・チューン / 「スロウ・ハンズ」ナイル・ホーラン(Song Review)
ドン・ヘンリーに影響を受けた、男気溢れるファンク・チューン / 「スロウ・ハンズ」ナイル・ホーラン(Song Review)

 ワン・ダイレクションのメンバー、ナイル・ホーランのソロ第二弾シングル「スロウ・ハンズ」が2017年5月4日にリリースされた。

 昨年9月にリリースされたデビュー曲「ディス・タウン」は、米ビルボード・ソング・チャートでロングヒットを記録し、RIAA(アメリカレコード協会)でプラチナ・レコードに認定されている。また、英国(UK)チャートや、アイルランド、オーストラリアでもTOP10入りし、世界各国でスマッシュ・ヒットを記録した。

 そのソロ・デビュー曲「ディス・タウン」は、アコースティック・ギターでシンプルに仕上げたフォーク・バラードだったが、2ndシングル「スロウ・ハンズ」は、男気溢れるファンク・チューンに仕上がっている。「一晩中一緒にいたい、君が欲しい」という歌詞に合わせた、ナイルの色気が増したセクシーなボーカルもすばらしい。

 プロデューサーは、ワン・ダイレクションの「ベスト・ソング・エヴァ―」(2013年)や、「スティール・マイ・ガール」(2014年)などを手掛けた、ジュリアン・ブネッタが担当。とはいえ、1Dの楽曲とは全く違うテイストに仕上がっていて、ナイルの拘りが感じられる意欲作。

 この曲の制作にあたり、70年代後半から80年代の音楽を聴いていたそうで、その中でもイーグルスのメンバー、ドン・ヘンリーに影響を受けたと話している。ギターやベースの重圧感や、古き良きアメリカン・ロックを見事に焼き直した、どこか懐かしいサウンドは、幅広い層に受け入れられそうだ。

 既にリリースされた2曲のシングルから、ナイルのデビュー・アルバムは、ゼインのような最先端のサウンドを取り入れたものではなく、流行に流されない、スタンダードなポップ・アルバムになるのではないだろうか。


Text:本家一成

◎リリース情報
「スロウ・ハンズ」
ナイル・ホーラン
2017/5/4 RELEASE