【Chart insight of insight】トップ・アイドルなのに、なぜ売れ方が違うのか? 超特急と嵐を比較
【Chart insight of insight】トップ・アイドルなのに、なぜ売れ方が違うのか? 超特急と嵐を比較

 チャートの上位には、女性アイドル・グループが入れ代わり立ち代わりランクインしてくるイメージが強い。しかし、先週のHot100の首位は嵐、今週は超特急と、男性アイドル・グループが勢い付いている。ただ、いずれも獲得したポイントの要素が微妙に違うのが面白い。

 まず、今週1位となった超特急の「超ネバギバDANCE」(【表1】)。新曲とフリー・ライヴの告知タイミングだった4/3付でツイッターの指数が急上昇。以来、話題作りをしながら今週はその指数が1位にまで上り詰めている(水色のグラフ)。この話題性に伴って、セールスのポイントも今週は初登場1位を記録(紫のグラフ)。73万枚という売り上げが1位のもっとも重要な要素だが、前煽りもうまく連携したヒットといえるだろう。

 先週1位だった嵐の「I'll be there」は、今週も圧倒的な強さを見せ、2位をキープしている(【表2】)。彼らも新曲リリース発表時の3/20付でツイッターが一気に6位にまで上昇しており、超特急と似た構図ではある。しかし、発売を迎えてからは、セールス・データだけを見ると初週こそ1位を獲得しているが、2週目の今週は14位まで下降してしまった(紫のグラフ)。ではなぜそれでも2位をキープしているかというと、ちょっと表では見辛いが、ルックアップ(CDのPC読み取り数)がダントツの1位だからだ(オレンジのグラフ)。レンタルでの圧倒的な人気だからだが、裏を返せばグレーユーザーが多いという指標でもある。

 レンタルに頼らず、コア・ファンへのアプローチで成功した超特急と、レンタルを見据えて幅広いファン層を取り込む嵐。どちらが長く上位に残るのか、今後の動きに注目していきたい。text by 栗本斉