4/21リリース予定のプリンス未発表曲集『Deliverance』、共作者を遺産管理団体が提訴
4/21リリース予定のプリンス未発表曲集『Deliverance』、共作者を遺産管理団体が提訴

 プリンスの一周忌に合わせ、未発表曲が6トラック収録されたEP『Deliverance』(デリヴァレンス)が2017年4月21日にリリースされると発表されたが、その数時間後にプリンスの遺産管理団体とペイズリー・パークが連邦裁判所にサウンド・エンジニアのジョージ・イアン・ボクシルに対して『Deliverance』の音源を返還するよう訴訟を起こしたことが判明した。

 米ビルボードが入手したプリンスの遺産管理団体の声明によると、プリンスとのレコーディング・セッションで制作された全ての録音物はアーティストに単独かつ独占的な所有権があると明記されている契約にボクシルが違反しており、「ボクシル氏は特定の音源を保存し、プリンスが悲劇的な死を遂げた後まで待った上で遺産管理団体の許可なく、契約や準拠法に違反してリリースしようとしている」と主張している。『Deliverance』の音源には7.5万ドル(約820万円)の価値があると推定されている。

 発売元である<RMA(Rogue Music Alliance)>というインディペンデント・レーベルが出した声明によると、プリンスとボクシルは2006年から『Deliverance』の楽曲を全て共作・共同プロデュースし、プリンスの死後にボクシルが1年かけて曲やアレンジを仕上げ、プロデュースとミキシングも手がけた。ボクシルは、「ある時プリンスは私に、自分の音楽をメジャー・レーベルを通さずに直接一般の人々に届ける方法について毎晩寝る前に考えてる、と言ったことがあった。この重要な作品をリリースする方法について検討した際、プリンスがそうしてほしいだろうと思ったので、私たちはインディペンデントでやろうと決めた」と話している。

 『Deliverance』は2006年から2008年の間に制作された未発表音源で構成され、4月21日にデジタル配信が開始され、6月2日にフィジカル・バージョンが発売される予定。なお、<RMA>のサイトには、権利の関係上米国のみの取り扱いになると記載されている。