ハリー・スタイルズの歌唱力が存分に活かされた、後世に受け継がれていく名曲「サイン・オブ・ザ・タイムズ」(Song Review)
ハリー・スタイルズの歌唱力が存分に活かされた、後世に受け継がれていく名曲「サイン・オブ・ザ・タイムズ」(Song Review)

 ワン・ダイレクションのメンバー、ハリー・スタイルズが、2017年4月7日にソロ・デビュー・シングル「サイン・オブ・ザ・タイムズ」をリリースした。

 ミッキー・エッコやエル・キングといった実力派を手掛けるアレックス・サリビアンと、ファン(fun.)の「ウィー・アー・ヤング」(2012年)や、マーク・ロンソンの「アップタウン・ファンク feat.ブルーノ・マーズ」(2015年)などを制作したジェフ・バスカー、テイラー・スウィフトの4thアルバム『レッド』(2012年)やエド・シーランの『x』(マルティプライ)(2014年)などの大ヒット作に楽曲を提供したタイラー・ジョンソン、そしてハリー・スタイルズの4人が、制作を担当している。

 デヴィット・ボウイや、ロッド・スチュワートを彷彿させる、ノスタルジックな70年代風のロック・バラードで、硬軟の扱いを自在にこなす、ハリーの歌唱力が存分に活かされたナンバー。「新しい時代の兆し、ここから抜け出すんだ、絶対に」と強く歌っているのは、ワン・ダイレクションから巣立った自分に向けてとも取れるし、今の世界情勢を歌っているようにも思える。曲に込められたメッセージがダイレクトに響く、後世に受け継がれていく名曲だ。

 ハリーは、ワン・ダイレクションの大ヒット曲「ストーリー・オブ・マイ・ライフ」(2013年)や「パーフェクト」(2015年)などの制作を担当し、ソング・ライティング能力も高く評価されていたが、「サイン・オブ・ザ・タイムズ」は、1Dのナンバーとはまた違う、ソロならではの味が出ている。昨年ソロ・デビューした、ゼインの「ピロウ・トーク」やナイル・ホーランの「ディス・タウン」と同じように、ソロでしかできないことを、やり遂げた達成感のようなものを感じる。

 既に、主要各国のiTunesチャートで首位を獲得していて、リリース同日に公開されたオーディオ・ビデオは、3日で1000万視聴回数を記録している。次週発表の米ビルボード・ソング・チャート(2017年4月29日付)では、上位デビューが期待される。


Text: 本家 一成

◎「サイン・オブ・ザ・タイムズ」音源
https://youtu.be/z0GKGpObgPY

◎リリース情報
「サイン・オブ・ザ・タイムズ」
ハリー・スタイルズ
2017/4/7 RELEASE