【Chart insight of insight】ガールズグループの理想的な成功は?! 乃木坂46とAKB48のチャートアクションの違い
【Chart insight of insight】ガールズグループの理想的な成功は?! 乃木坂46とAKB48のチャートアクションの違い

 ここしばらく、ロングセラーのアーティストばかりピックアップしてきたが、チャートには瞬発力も必要。とくに、初登場で一気に首位を狙えるアーティストは、チャート活性化という意味でも必要な存在だ。そういった意味では、いかに初動で勝負できるかが課題のガールズグループの動きは注目に値する。今週は乃木坂46、先週はAKB48が首位を獲得しているが、彼女たちは微妙にチャートアクションが違う。今回はこの違いに注目してみたい。

 まず、今週1位を獲得したのが、乃木坂46の「インフルエンサー」(【表1】)。セールスポイントが84.9万枚と、それだけでもすごいことだが、この曲は前煽りが上手く成功している。昨年11月以来のリリースということもあり、リリースの1ヶ月ほど前から細かく情報出しを始め、ツイッターでは常に上位をキープ(水色のグラフ)。加えて、ミュージックビデオでも話題性を稼ぎ、こちらも動画閲覧数で強さを見せている(赤のグラフ)。こういったベースを作った上でリリース日を迎え、一気に1位を獲得した。グラフを見れば、その安定感も伝わるはずだ。

 一方、先週1位を獲得していたのは、AKB48の「シュートサイン」(【表2】)。ただし、今週は一気に12位まで下降してしまっている。その理由として、リリースアイテムが多く鮮度が薄いということもあるのかもしれない。ツイッターの指数(水色のグラフ)やラジオのオンエア回数(緑のグラフ)も不安定だし、動画再生数は圏外。とはいえ、初動で129.3万枚という圧倒的な数字を叩き出しているのはさすが。AKB48は曲によってロングセラーになるものもあるので一概にいえないが、この曲に関しては初動のみで勝負ということなのだろう。

 いずれにせよ、ガールズグループのチャートアクションは、露出展開やタイミングによって多様。この次はまた違う動きを見せることもあるというのが、彼女たちの面白さでもあるのだ。text by 栗本斉