マイケル・ファスベンダー来日インタビュー 世界観に惚れた映画『アサシン クリード』について語る
マイケル・ファスベンダー来日インタビュー 世界観に惚れた映画『アサシン クリード』について語る

 全世界で累計9600万本以上を売り上げた人気ゲームを実写化した映画『アサシン クリード』で主演とプロデューサーを務めたマイケル・ファスベンダーが2017年2月中旬にPR来日を果たした。

マイケル・ファスベンダー 来日インタビュー写真

 マイケル・ファスベンダーは本作で、記憶を失くした死刑囚カラムと、カラムの祖先で15世紀スペインに人間の自由意思を支配できる“エデンの果実”を守るアサシン教団の一員アギラールの2役を演じている。DNAの記憶を追体験できる装置アニムスを使ってアギラールの記憶に入り込み、エデンの果実の在処を探していくというストーリーだ。

 ドイツ出身アイルランド育ちのマイケル・ファスベンダーは、『SHAME -シェイム-』('11)の迫真の演技で注目を浴び、『それでも夜は明ける』('13)では冷酷な奴隷主役で【アカデミー賞】助演男優賞にノミネートされた経歴の持ち主。本作でもどこか心に闇を抱えた主人公とその先祖を演じているが、このキャラクター達のどこに惹かれたのか訊いてみると、「役よりもこの作品の世界観に惹かれたんだ。というのも、ユービーアイソフトから映画化のオファーが来たときはまだ脚本が無かった。DNAの記憶に基づいたコンセプトやテンプル騎士団とアサシン教団の対立に加え、アニムスというタイムマシーンに乗って過去を体験できるというストーリーが面白いと思ったんだ」と、語った。

 本作にはマイケルの映像制作会社DMCフィルムが製作に加わり、自身もプロデューサーとして名を連ねている。本作の鍵であるアニムスについてマイケルは「一番チャレンジな部分だった。ゲームでは単なるイスだけど、我々はカラムが過去を体現できるようにしたかった。私は子宮のような水槽に浸かるのはどうか、とアイデアを出したんだ。今となっては、劇中で描かれている装置になって正解だったと思うよ(笑)」と語る。さらにCGに頼らないリアルな動きにこだわり、マイケルはアクションシーンの95%を自身で演じている。「劇中で2回目と3回目に出てくる追体験シーンはマルタ島を実際に封鎖して撮影したんだ。実現させるのにかなり苦労したよ。猛暑の中、衣装も暑くて汗だくで大変だったけど、監督がリアルな撮影にこだわったので、私もそれに同意したんだ」と、本作を観ると俳優としての彼のこだわりも感じられる。

 “世界で最も美しい顔”に選ばれるなど、端正な顔立ちで女性からも絶大な人気を誇るマイケルは、先日俳優業をしばらく休止することを示唆。気になる続編の可能性を伺ってみたところ、「どうだろう、しばらく様子見ってところかな。感触は良かったし、ユービーアイも前向きに考えているみたいだ。私は今後もプロデューサーとして制作に携わっていくつもりだし、いつかは監督業にも挑戦したいと思っている」と明かしてくれた。今後の彼の活躍に期待したい。

Text: Mariko Ikitake
Photo: Yuma Totsuka


◎『アサシン クリード』予告編
https://youtu.be/1sCoKL_CtfY

◎公開情報
『アサシン クリード』
2017年3月3日(金)より、3D/2D全国ロードショー
監督:ジャスティン・カーゼル
出演:マイケル・ファスベンダー、マリオン・コティヤール、ジェレミー・アイアンズほか
配給:20世紀フォックス映画
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