AERA dot.

Gi Gi Giraffe<2017年注目のニューカマー>満月の輝く地下で行われた新年初ライブに潜入

このエントリーをはてなブックマークに追加
Billboard JAPAN

Gi Gi Giraffe<2017年注目のニューカマー>満月の輝く地下で行われた新年初ライブに潜入

Gi Gi Giraffe<2017年注目のニューカマー>満月の輝く地下で行われた新年初ライブに潜入

 2017年1月9日、前日から続いた雨も昼頃には止んで、新成人たちを祝福するかのごとく青空が広がり、陽が落ちたあとの夜空もきれいに澄んでいた。

Gi Gi Giraffe【DANCE DANCE DANCE? vol.4】ライブ写真


 東京の住宅街にあるライブハウス・月見ル君想フには、雨でも晴れでも、常に立派な月がある。ここ、入り口は地下にあるのだが、扉を開けるとそこが会場内での二階となる作りになっており、下のフロアにあるステージの真上に大きな満月のオブジェが掲げられているのだ。この日はイベント【DANCE DANCE DANCE? vol.4】が開催され、Gi Gi Giraffeは2番目のライブアクトとして登場した。


<余裕をぶっこきながら自由に衝動をかき鳴らす2017年注目のニューカマー>


 年明け、Billboard JAPANは<2017年注目のニューカマー5組>(【前編】 http://bit.ly/2jnRSHI【中編】http://bit.ly/2iyRm9R【後編】http://bit.ly/2ibhVkh)を発表した。この【中編】でピックアップされているGi Gi Giraffeは、山本啓遊(vo,g)、奥泉怜(b)、UK(dr)の3人から成るファンク・ポップ・バンドだが、元々は山本の宅録プロジェクトだったこともあり、少人数では楽曲を再現することが難しいらしく、今回もサポートメンバーの平井絢也(g)と堀ノ内啓太(per)を加えた5人体制となっていた。この日はsui sui duck、MONO NO AWARE、ゆnovation(O.A.)もライブ・アクトとして名を連ねていたが、前述の満月を背にしたステージは使われず、すべてフロアの一角で実施され、Gi Gi Giraffeも白いテープで仕切られただけの狭い空間でライブを行った。


 まずは不穏で不安定な雰囲気漂うギターリフと、燻るように跳ねるリズムが特徴的な「Killer Jam」を披露。その後は、軽快なタンバリンとキーボードが爽やかさを演出するカントリー風の「Certain」、4拍子ながら入り組んだリズムにより変拍子にも聞こえる「Some Weeks Backward」を立て続けにかき鳴らした。このころから歓声が顕著になり、オーディエンスも体を大きく動かし始める。Gi Gi Giraffeの音楽的特徴としては、懐かしさを感じさせるそのローファイなサウンドと不安定ながらもフックのあるメロディ、どこか投げやり感のあるヴォーカルなど、気張らないスタイルと自由気ままな楽曲展開が挙げられるが、ガレージ・ロック的なクランチに心持ち強めのディストーションを効かせたライブ・サウンドには思った以上の鋭さがある。パフォーマンスも含め音源の印象よりはずっと衝動的だ。地下の赤いライティングは本当によく似合う。飛び散る火花のようであり、だがやっぱり、不定形にたゆたうロウソクの小さな火のようでもある。まったく本当に不可解だ。


<思い切り遊んですぐ帰路へ着く潔さと賢さ>


 その後はミュージックビデオも公開されている「Naked Girl」を含め、11月にリリースした初の全国流通盤『Gi Gi Giraffe』から「Birdcage」「Daisy」「Ever Ever」「Animal Blues」の5曲と、「Tweet Like a Bird」「Cynical Beat」「Just a little bit more」を演奏。30分程度の出演にも関わらず全11曲というビッグ・ヴォリュームからもわかるように、Gi Gi Giraffeはひとつの楽曲を無意味に引っ張らない。丁度いい頃合で惜しみなく終わらせる思い切りのよさがあるのだ。それでいてその短い時間の中に色とりどりの音を凝縮し、秘密基地で暗号を作る子どもたちのようにしっかりと遊べるのは、山本のソング・ライティング、バンドとしての演奏力と結束力があってのことだろう。


 ときおり笑顔を浮かべつつ揺れ動きながらセミアコを操る山本、淡々と楽曲の軸を作るリズム隊の奥泉とUK、そして彼ら3人に呼応するようにそれぞれの役割を務めるサポートメンバーの姿を見ても、全体の均衡が絶妙な具合で保たれていることは明白だ。だからこそ自分たちの中で完結しかねないが、そこへ見事に人を入り込ませてしまうGi Gi Giraffe、2017年はこれまで以上に精力的な活動をしていくという。地下の狭い空間で肩身を寄せ合いながら、それぞれが好き勝手に演奏するようなライブは彼らのスタイルに合っているものの、例えば本当の月の下、だだっ広いステージに立ったとき、彼らがどのように動き、どんな音を鳴らすのか、気になって仕方がないのは私だけではないだろう。


テキスト:佐藤悠香


◎Gi Gi Giraffe【DANCE DANCE DANCE? vol.4】セットリスト
2017年01月09日(月・祝)東京・月見ル君想フ
01. Killer Jam
02. Certain
03. Some Weeks Backward
04. Naked Girl
05. Tweet Like a Bird
06. Birdcage
07. Daisy
08. Cynical Beat
09. Just a little bit more
10. Ever Ever
11. Animal Blues


◎最新リリース情報
アルバム『Gi Gi Giraffe』
2016/11/16 RELEASE


◎「Naked Girl」MV:http://youtu.be/8gr76_lGndM


◎ライブ情報
【Kool Thing】
2017年01月13日(金)東京・下北沢 mona records
with/Black Shower、Prince Graves、Luby Sparks、I Saw You Yesterday、GABA


【The Taupe 1st Album「セレンテラジン」リリースパーティー『サンフランシスコ』】
2017年01月28日(火)東京・新宿JAM
with/The Taupe、THIS IS JAPAN、Walkings、yukino chaos


【MAP】
2017年02月04日(土)大阪・地下一階


トップにもどる billboard記事一覧


このエントリーをはてなブックマークに追加