【米ビルボード・アルバム・チャート】『ハミルトン・ミックステープ』が首位デビュー、10位には“ギャップ”が話題のカントリー界新星が初登場
【米ビルボード・アルバム・チャート】『ハミルトン・ミックステープ』が首位デビュー、10位には“ギャップ”が話題のカントリー界新星が初登場

 ヒップホップやR&B界のスーパースターたちが集結したコンピレーション・アルバム、『ハミルトン・ミックステープ』が首位デビューを果たした、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。

 2016年6月に開催された【トニー賞】で、最多11部門を受賞した、ミュージカル『ハミルトン』のミックステープとして12月2日に発売された本作。アメリカの政治家、アレクサンダー・ハミルトンの生涯をヒップホップ・ミュージックで描いた作品で、同アルバムには、クイーン・ラティファやバスタ・ライムス、ナズ、ザ・ルーツといったレジェンドたちから、ジル・スコット、アリシア・キーズ、ジョン・レジェンドなどの実力派R&Bシンガー、シーアやミゲル、ウィズ・カリファなど、最新チャートで上位にランクインしているアーティスト等、幅広い年代のスーパースターたちが参加している。

 【トニー賞】の効果もあってか、初動枚数は19万枚近い売り上げを記録し、2週目のNo.1獲得が確実視されていた、ザ・ウィークエンドの『スターボーイ』を抑えての首位獲得となった。その『スターボーイ』は2位にダウンしたが、登場2週目で週間セールス15万枚を記録。早くも50万枚を突破する大ヒットとなっている。

 4位には、ローリング・ストーンズの『ブルー&ロンサム』が、初動枚数12万枚を突破してデビュー。本作は、2005年リリースの『ビッガー・バン』以来、およそ11年振りとなるスタジオ・アルバムで、全米では、1964年リリースのデビュー作『ザ・ローリング・ストーンズ』を除き、2ndアルバム『12×5』から、全てのアルバムがTOP10入りしたことになる。UKチャート(英国)では、デビュー作からすべてのアルバムがTOP10入りを果たし、本作は1994年リリースの『ヴードゥー・ラウンジ』以来、22年振りのNo.1獲得を果たした。

 続いて5位には、ラッパーのチャイルディッシュ・ガンビーノが初登場。本作『アウェイクン、マイ・ラブ!』は、2013年リリースの2ndアルバム『ビコーズ・ザ・インターネット』から3年ぶり、3作目となるスタジオ・アルバムで、その前作で記録した7位から、更に最高位を更新した。ドナルド・グローヴァーという本名で、コメディアンとしても活躍しているチャイルディッシュ。本作は、全曲自身が制作を手掛け、多才っぷりを発揮した意欲作に仕上がっている。

 9位に初登場したのは、ウクレレで弾き語りをするシンガーソングライター、グレース・ヴァンダーウォールのデビューEP盤『パーフェクトリー・インパーフェクト』。若干12歳にして、硬軟を自由に操る歌唱力が素晴らしく、オーディション番組の毒舌審査員として常連となった、サイモン・コーウェルも涙を流して絶賛していた。グレース・ヴァンダーウォールは、今年5月に開催された『アメリカズ・ゴット・タレント』シーズン11で優勝した、期待の新星だ。次期テイラー・スウィフトとも囁かれている。

 10位には、カントリー・シンガーのケーン・ブラウンがデビュー。現在23歳の新人で、これまで2枚のEP盤をリリースしているが、本作『ケーン・ブラウン』は彼の実質上のデビュー作となる。カントリー・シンガーなのに、両腕にタトゥーを入れていたり、カントリー・ハットではなく、キャップやニット帽を被ったりと、ヒップホップ・アーティストのようなビジュアルが、話題となっている。サウンドは、男気溢れるカントリー・ロックや、メロウ調のナンバーなど、スタンダードなカントリー・ソングだ。

Text:本家一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートの掲載は、14日22時以降となります。

◎【Billboard 200】トップ10
1位『ハミルトン・ミックステープ』VA
2位『スターボーイ』ザ・ウィークエンド
3位『ペンタトニックス・クリスマス』ペンタトニックス
4位『ブルー&ロンサム』ザ・ローリング・ストーンズ
5位『アウェイクン!マイ・ラブ』チャイルディッシュ・ガンビーノ
6位『24K・カラット』ブルーノ・マーズ『トロールズ』サウンドトラック
7位『モアナと伝説の海』サウンドトラック
8位『ザッツ・クリスマス・トゥ・ミー』ペンタトニックス
9位『パーフェクトリー・インパーフェクト』グレース ・ヴァンダーウォール
10位『ケーン・ブラウン』ケーン・ブラウン