【ビルボード年間ジャズ】上原ひろみがノラ・ジョーンズを抑え、年間ジャズ・チャート1位を獲得
【ビルボード年間ジャズ】上原ひろみがノラ・ジョーンズを抑え、年間ジャズ・チャート1位を獲得

 2016年は上原ひろみとノラ・ジョーンズの2強の戦いとなったが、「殿堂入り」級の鉄板トリオ、上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクトが2月にリリースした『SPARK』がノラ・ジョーンズ『デイ・ブレイクス』の猛追を抑え、見事年間チャート1位に輝いた。これまでリリースした3作すべてが年間チャート1位を獲得していた上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクトだが『SPARK』も7週連続ジャズ・チャートで1位を獲得しただけでなく、そして米ビルボードのジャズ・チャートでも1位を獲得するなど、国内のみならず海外でも大きな存在感を示した。その後も、何度か1位に返り咲くなどこれまでに43回チャートインするロングヒットとなっている。内容もこれまでの作品同様、ファンの期待に120%応えるトリオの痺れるようなセッションで、まさに女王の貫録を見せつけた作品となった。

 そして惜しくも2位となったノラ・ジョーンズの『デイ・ブレイクス』は10月に日本で先行発売され、以降、集計の最終週まで8週連続で1位を獲得。リリース前の9月にノラ・ジョーンズがプロモ来日し、テレビやラジオ、新聞、スペシャル・ショーケースなど各メディアで積極的なプロモーションを展開。発売前に大きく話題を作ったことで、リリース初週から大きく売り上げを伸ばした。ジャズとピアノに回帰し、デビュー・アルバム『カム・アウェイ・ウィズ・ミー』を彷彿とさせる本作をひっさげた来年4月の来日ツアーも大いに期待したい。

 3位には、原田知世の『恋愛小説2~若葉のころ』がランクイン。昨年、14年ぶりのカヴァーアルバムとして話題となり、2015年の年間ジャズ・チャートでも2位を記録した『恋愛小説』の続編で、竹内まりや、荒井由実、松田聖子、山口百恵など、1970年代半ばから1980年代前半の邦楽曲で構成され、ファンの期待に応えた。プロデュースと楽曲アレンジは前作同様、伊藤ゴローが務め、ジャズのみならずポップス、歌謡曲、ボサノヴァなど幅広いファンに愛される作品となった。

◎【Billboard JAPAN Top Jazz Albums of the year 2016】トップ10
1位『SPARK』上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト
2位『デイ・ブレイクス』ノラ・ジョーンズ
3位『恋愛小説2~若葉のころ』原田知世
4位『サム・アザー・タイム:ザ・ロスト・セッション・フロム・ザ・ブラック・フォレスト』ビル・エヴァンス
5位『ソウル・アイズ』キャンディス・スプリングス
6位『TREASURE HUNTER』T-SQUARE
7位『ワルツ・フォー・デビイ』ビル・エヴァンス
8位『ウォールフラワー』ダイアナ・クラール
9位『BLACK TRACK』SOIL&“PIMP”SESSIONS
10位『ギルティ・プレジャー』山中千尋