J・ティンバーレイクがトータル・プロデュースを手掛ける『トロールズ』サントラ盤、全米大ヒットの理由とは?(Album Review)
J・ティンバーレイクがトータル・プロデュースを手掛ける『トロールズ』サントラ盤、全米大ヒットの理由とは?(Album Review)

 アナ・ケンドリックやジェームズ・コーデン、シンガーのグエン・ステファニーなど、スーパースターたちが声優を務めたことで、公開前から大きな話題を集めていた、ドリームワークスの最新アニメーション映画『トロールズ』。アメリカでは2016年11月4日に公開され、全米興行収入ランキングでも、上位にランクインする大ヒットを記録している。

 映画の大きなプロモーションに繋がったのが、主役のトロールを担当する、ジャスティン・ティンバーレイクの「キャント・ストップ・ザ・フィーリング!」が、全米でNo.1を獲得したことだ。この曲は、『トロールズ』のサウンドトラック盤から1stシングルとして5月にリリースされ、全米のみならず、カナダやドイツでも首位をマークし、声優陣が総出演したミュージックビデオは8000万回、ジャスティンとダンサーたちによる公式ビデオは、3億回という凄まじい視聴回数を記録している。本作には、その「キャント・ストップ・ザ・フィーリング!」の、アナ・ケンドリックとデュエットした“フィルム・バージョン”も収録されている。

 同サントラ盤は、トータル・プロデュースをそのジャスティン・ティンバーレイクが担当し、マックス・マーティンが手掛けた新曲「ヘア・アップ」や、アリアナ・グランデの新曲として収録される、人気トラックメイカーのイリヤとジャスティンの共作「ゼイ・ドント・ノウ」、グウェン・ステファニーらしいナンバーに仕上がった「ホワット・ユー・ワーキン・ウィズ?」など、最新のポップ・サウンドが目白押し。

 そして、出演者たちによる、過去に大ヒットを記録した名曲のカバーも、本作の聴きどころだろう。アナ・ケンドリックとジャスティン・ティンバーレイクが、掛け合うようにデュエットしたシンディー・ローパーの「トゥルー・カラーズ」(1986年)や、アース・ウィンド・アンド・ファイアーの「セプテンバー」(1978年)、ズーイー・デシャネルが切なさたっぷりに歌う、ライオネル・リッチーの全米No.1ソング「ハロー」(1984年)、ダイアナ・ロスの大ヒット曲「アイム・カミング・アウト」(1980年)を、ラップ調に焼き直し、4人の出演者がコラボするなど、近年のサントラ盤にありがちな、“昔の曲をただ収録しただけ”ではなく、『トロールズ』オリジナルとして収録されているのがウレシイ。

 「キャント・ストップ・ザ・フィーリング!」含め、ドライブやパーティーなどで流すにも最適な、ハッピー・チューン満載の『トロールズ』サウンドトラック盤。映画のクオリティはもちろん、音楽だけでも充分楽しめる作品だ。現時点では日本公開未定だが、海外でのヒットを受けて、2017年には日本でも公開されることを期待したい。


Text: 本家 一成

◎リリース情報
『トロールズ』
VA
2016/11/02 RELEASE
2,376円(tax incl.)
https://goo.gl/oyUy95